メラトニン
https://www.yamano.ac.jp/news/detail.php?p=407 【☆新型コロナに負けないセルフケアvol.2 ~『睡眠』について~☆】 2020.05.19
学生の皆さま、お元気ですか?
前回は、『体内時計』について発信させて頂きました。
『体内時計』はリズムのある生活が大事でしたね。
今回は、リズムのある生活を送る一番のポイントである『睡眠』について発信をします。
前回、朝日を浴びましょうというお話しをしました。
私たちのご先祖様は、太古の昔より、陽が沈んだら床に入り、朝日が昇ると起きて活動するという生活を続けていました。このリズムは、現代の私たちも『体内時計』として受け継がれています。この睡眠リズムに大事な役割を果たしているのが『メラトニン』という睡眠ホルモンです。『メラトニン』は、朝日を浴びてから、約15時間後に『体内時計』の指令により分泌され、徐々に分泌量が増えて、その作用で深部体温が低下して、眠気を感じるようになります。従って、朝日を浴びることは『体内時計』がリセットされ、活動モードになり、15時間後に『メラトニン』を分泌し眠るために大事なことなのです。例えば、朝8時に朝日を浴びると、15時間後の23時に眠くなるという感じです。朝日は、朝しかないですよね。だから、昼夜逆転させてはいけないのです。
ご存知の方も多いと思いますが、睡眠には、浅い眠りの「レム睡眠」と深い眠りの「ノンレム睡眠」があります。「ノンレム」の後に「レム」がきます。その1サイクルを4-5回繰り返すうち、一番深い眠りが取れるのは、1、2セット目です。3サイクル目から浅くなります。そのため、寝入りばなの3時間で深い2セットがしっかり取れれば、脳はかなり休まります。「レム」中に、記憶の整理や夢をみたりしています。浅いレムの時に起きれば、すっきりと起きることができます。例えば、睡眠時間6時間、7.5時間。このサイクルが乱れると、不眠や体調不良を起こします。「ノンレム」は脳と身体がリラックスする眠りで。脳の老廃物を輩出させ脳の疲労回復をします。睡眠は、生きるために大切なのです。
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%8A%E3%83%AB/24-%E3%81%9D%E3%81%AE%E4%BB%96%E3%81%AE%E3%83%88%E3%83%94%E3%83%83%E3%82%AF/%E6%A0%84%E9%A4%8A%E8%A3%9C%E5%8A%A9%E9%A3%9F%E5%93%81/%E3%83%A1%E3%83%A9%E3%83%88%E3%83%8B%E3%83%B3 【メラトニン】 執筆者: Melissa G. Marko , PhD, Nestle Nutrition; Ara DerMarderosian , PhD, University of the Sciences Professional.Manuals.TopicPage.LastRevisionDate
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(栄養補助食品の概要も参照のこと。)
メラトニンは松果体で分泌されるホルモンであり,概日リズムを調節する。動物由来のメラトニンもあるが,ほとんどは人工的に合成される。メラトニンを薬物とみなし,医薬品として規制している国もある。
効能
メラトニンは,時差ぼけや不眠など睡眠パターンの短期的な制御に使用される。季節性感情障害の患者や,夜間勤務の人における睡眠パターンの制御,アルツハイマー病初期の患者に対する睡眠/覚醒サイクルの再同期にメラトニンを用いることに関する調査は,現在評価中である。
エビデンス
科学的根拠によると,メラトニンは時差ぼけの影響を最小限に抑える,特に東に向かって2~5タイムゾーンを超える旅行をする場合によいという(1-2)。しかしながら,適切にデザインされた研究では,メラトニンサプリメントで時差ぼけの症状は軽減されなかった一方で(3),いくつかの小規模研究(4-5)ではメラトニンサプリメントで時差ぼけを軽減できる可能性が示唆されていることから,臨床試験の結果は一貫していない。
標準的な用量は確立されておらず,0.5~5mgの範囲で旅行当日は通常の就寝時間の1時間前に,および到着後の2~4日間は夜,いずれも経口で摂取する。精神神経疾患(例,広汎性発達障害)のある成人および小児の睡眠補助としてのメラトニンの使用を支持するエビデンスは強くはない。
有害作用
二日酔い様の眠気,頭痛,一過性の抑うつが起こることもある。メラトニンは抑うつを悪化させることもある。理論的に,動物の神経組織由来の製品によるプリオン感染のリスクがある。
薬物相互作用
エビデンスによると,メラトニンがワルファリンの効果を高め,出血のリスクを増大させうることが示唆されている。
メラトニンに関する参考文献
Herxheimer A, Petrie KJ. Melatonin for the prevention and treatment of jet lag. Cochrane Database Syst Rev(2):CD001520, 2002.
Buscemi N, Vandermeer B, Pandya R, et al. Melatonin for Treatment of Sleep Disorders. AHRQ Publication No. 05-E002-2, 2004.
Edwards BJ, Atkinson G, Waterhouse J, et al. Use of melatonin in recovery from jet-lag following an eastward flight across 10 time-zones. Ergonomics 43(10):1501-1513, 2000.
Claustrat B, Brun J, David M, et al. Melatonin and jet lag: confirmatory result using a simplified protocol. Biol Psychiatry 3(8):705-711, 1992.
Petrie K, Dawson AG, Thompson L, et al. A double-blind trial of melatonin as a treatment for jet lag in international cabin crew. Biol Psychiatry 33(7):526-530, 1993.
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https://note.com/nakamuraclinic/n/n059d467aaec3 【メラトニンとビタミンCの服用方法】 より
中村 篤史/ナカムラクリニック 2020/04/12 12:19
以前のブログで、covid19の予防および重症化予防にメラトニンとビタミンCが有効だと紹介した。
今回は具体的に、これらの服用方法について見ていこう。
予防のために飲むのと、罹患した人が重症化の予防のために飲むのとでは、用量などがずいぶん違ってくる。
まず、予防から。
健康な成人男性であっても、内因性メラトニンの分泌量が不十分であった場合、covid19の罹患率が高くなる。
しかし一般に9歳以下の子供では、covid19に罹患することは極めてまれである。なぜなら子供では成人の約10倍のメラトニンが分泌されているからである。
現代のハイテク社会において、メラトニン分泌量は低下傾向にある。たとえば夜間に比較的少量の電灯に曝露するだけで、メラトニン分泌量は減少する。
コロナウイルス流行の間は、ごく少量でもいいからメラトニンを補っておくことで、感染リスクを大幅に減らすことができるだろう。
特に大きな持病のない健康な成人であった場合、1日0.2 ㎎程度の摂取でよい(生理的な分泌量が最も少ない人でも、これぐらいは分泌されている)。
より高齢の人や、あるいは病弱な人においては、もう少し多く、1日0.5 ㎎程度まで摂取するとよい。
注意としては、服用は必ず夜にすること。できれば寝る1,2時間前、かつ、夕食後2,3時間後がベストだ(そもそも夕食を摂る時間帯は、日が暮れて暗くなる前後あたりが理想的である)。
そして、夜にはできるだけ照明を下げることである。繰り返すが、夜間に光に曝露すると、それがどれだけわずかであったとしても、必ずメラトニン産生に影響する。
メラトニンは主に松果体で産生される、といったが、松果体だけではなく、実はすべての細胞(ミトコンドリア)で産生されている。
睡眠と一口に言っても、子供と成人では、睡眠時間やその質などが大幅に異なるが、この違いは、メラトニンの多寡に起因するものであり、究極的には、ミトコンドリアの機能(およびエネルギー産生方式)の違いに帰着する。
うつ病にしろ統合失調症にしろ、多くの精神疾患では、まず、初発症状に不眠が出現するものである。ミトコンドリアの機能不全であり、エネルギー産生不全であり、メラトニン産生不全である。
すべて別個のものではない。つながっている。
ビタミンCをどの程度飲めばいいかということも、やはり、個々人の状況次第で違ってくる。
高齢者や、あるいは様々な持病があってcovid19にかかりやすい人では、高用量で(1時間に1 gずつ(1日量の合計として10~18 g))摂取するとよい。
体内にアスコルビン酸が飽和すれば、便が緩くなるから、それが上限である。下痢にならない程度の、最大量を服用するとよい。
すでにcovid19に感染しているなら、どうするか。
メラトニンについては、5~50 ㎎摂る。無症状か、あるいは症状が軽微なら少なめでいいが、高齢者か、あるいは症状が重篤なら、多めに摂ること。
また、降圧薬(ACE阻害薬)服用者、心疾患、高血圧のある人では、メラトニンの服用に際して注意が必要である。メラトニンは血圧を下げる作用があるため、自己判断で高用量のメラトニンを服用するときは慎重にすること。
また、感染者がメラトニンを服用するときは、夜に一度に服用するのではなく、服用のタイミングを日中と夜の2回に分けるとよい。
まず、1日の服用量を決め、その40%を日中に、残りの60%を夜に飲む。さらに、その日中の服用もタイミングを細かく分けて、2時間ごとに服用する。
夜の服用も食後、2,3時間おきに複数回に散らして飲む。ただし最後に飲むのは、夜10時を超えないようにする。
糖尿病の人や、インスリン抵抗性を指摘されている人では、メラトニンは午後3時前に飲んではいけない。メラトニンにはインスリン分泌を抑制する作用があるからだ。
くれぐれも覚えておくべきは、生理的なメラトニン濃度を超える用量を経口服用するのは、感染しているときだけにすべき、ということだ。さらに、メラトニンを飲むときは、必ずビタミンCと一緒に飲むこと。
仮にメラトニンだけを高用量で飲んでも、ビタミンCをまったく摂っていないようでは、メラトニンの効用が十分に発揮されなくなってしまう。
covid19に感染している人がビタミンCを摂るときには、症状の重篤度にもよるが、15~30分ごとに1g服用する。これを12~24時間続けて症状が改善しないときには、15~30分おきに2g飲む。
感染している人では、ビタミンCの摂取上限は"青天井"である。100gとかそれ以上に摂っても問題ない。感染症に罹患した人にとっては、通常量である。
感染したら、ゆっくり休養し、水分を補給すること。食欲は落ちるだろうが、無理して食べることはない。というか、カロリー制限によってミトファジーやオートファジーが始まり、治癒が促進されるだろう。
参考
"COVID-19, PNEUMONIA & INFLAMMASOMES – THE MELATONIN CONNECTION"
https://www.evolutamente.it/covid-19-pneumonia-inflammasomes-the-melatonin-connection/