もう帰れない ミヤコワスレ
2021.07.11 03:46
(2020/6/29,2021/7/22 青森市)
都忘れ(みやこわすれ)
深山嫁菜(みやまよめな)
キク科シオン属/多年草
承久の乱(1221年/鎌倉時代、後鳥羽上皇が時の執権北条氏に対して起こした内乱)で、後鳥羽上皇の第三皇子だった順徳上皇が佐渡に流されたときに詠んだと伝わる歌
いかにして契りおきけむ白菊を
都忘れと名づくるも憂し
から取って『都忘れ(みやこわすれ)』。
…和歌の中では白菊とあるが私が見た実際に咲いていた花は紫の花。
他に、同じく順徳上皇が都落ちする際に見た紫の花を見て嘆いたという話や、佐渡で紫のこの花を見て京都を思い出して「もう都に帰れないのだなあ」と嘆いた話から、という説もあり。
和歌以外の二つの話では花の色は紫色(紫は京都の雅を象徴する色)ということになっていて、和歌に出てくるような白いミヤコワスレは比較的に珍しいのだそう。
歴史では、順徳上皇は実際に京都に戻ることなく、抗議のハンスト(?)をして佐渡で亡くなったことから、その悲運を後世の人々が花の名前として残したのだろうか。
ただ、正確にはこのミヤコワスレは江戸時代に春夏咲きの野菊ミヤマヨメナ(深山嫁菜)から作られた園芸品種で後から付けられた商品名なんだな。
花言葉:しばしの慰め/別れ