Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

小澤酒造場

店主より

2020.07.01 12:51

井戸尻考古館は曽利遺跡の中にありますが、その曽利遺跡の中期縄文遺跡住居跡から黒焦げになったパン🍞の様なものが出土しました。1960年発見です。現物を早稲田大学と東京大学に送り鑑定してもらった結果、両校共に植物澱粉が加工された食品であると推定されたのであります。

現在でも信濃川上流の長野県秋山郷の栃アンポ、飛騨の楢餅、奈良県十津川上流のお餅等がありますが、これらの加工食品は『生』ならもちろんのこと焼いたり煮たりして、そのまま放置しておきますとすぐカビがはえ、、つまり麹菌が繁殖します。これに水を加えれば糖化が進み野生酵母の働きで木の実の酒ができるといった仕組みであります。


遺跡群の1つ高森新道1号竪穴式住居跡から出土した中期縄文土器の中に口縁部が大きく開いていて中程にくびれがある瓢箪型で口縁部の広い形の土器が出土しています。くびれの部分にスノコを置けば正に蒸し器であります。

この様にして澱粉を加熱処理することでデキストリンに替え食糧としたのと同時に酒にもしたことが明らかになってきました。


昔の人には如何にアルコール飲料について工夫を重ねていたか…思い知ることができます。


桑乃都 ㈲小澤酒造場 店主