●螺旋組
まずは Photo.1 をご覧ください。
これが螺旋組です。
6本の角材を相互に60°で交錯させた木組みです。
竹で編みこんだように、6本の角材が互い違いにすなわち千鳥を構成しています。
なお、伝統的建築用語では互い違いに施工することを千鳥といいます。
飛騨組子(千鳥格子)を千鳥状正方格子とみれば、螺旋組は千鳥状六角格子とみることもできます。
螺旋組をわたし流には「らせんぐみ」と読んでいましたが、「ねじくみ」と読んでいるサイトがありました[1]。
「らせん」も「ねじ」も共通しているのはspiralの形状ですが、Photo. 1をなぜ螺旋組と言うのかその起源は不明です。
Photo. 1 螺旋組
螺旋組は、3次元的ではなく2次元的木組みですから組子といってよいかもしれません。
組子では Photo.1 の文様を繰り返し単位として、2次元的に広げた文様を作ります。
組子では、螺旋組のような六角形上の文様を籠目(篭目)と読んでいます。
両者で差異が1点あります、それは籠目組子の場合は一般的には螺旋組のように千鳥状にはなってなく単純な相欠きで構成するという点です[2]。
ただ組子の場合でも、籠目を千鳥状で構成したものを特に地獄組の籠目という呼び方で表現しています[3]。
地獄組の意味は、一旦組んだら2度と外せないという意味です[4]。
また地獄組の籠目を本籠目とも呼んでいるようです[5]。
この地獄組という名称の意味を敷衍すると、螺旋組の読みは「らせん」ではなく「ねじ」の方に軍配があがりそうです。
なぜならば、「ねじ」も一旦締め付けたら緩めるのが困難ですので地獄に通じます。
⇒ MyBlog:螺旋組技法の原理
[1]:http://cgi2.mediamix.ne.jp/~t9691/user-cgi/tubuyaki/cgi/wnewsp.cgi
[2]:https://www.tanihata.co.jp/products/minikumiko/kagome.htm
[3]:http://www.kudotategu.com/k2.htm
[4]:http://www.kudotategu.com/k4.htm