神奈川県公立高校入試の範囲が県教育委員会から発表されたので詳しく解説をしていきます
先日、東京都の入試範囲の削減が発表された時に、こんな不安を抱いておりました。東京都はガッツリ削減されたんですよね。
ちょっと今回の記事につながる内容だけまとめておきます。
- 東京に追随して数学「三平方の範囲」や英語「関係代名詞」を範囲から除外するのではないか
- 英数の積み重ね科目は減らさないほうが良かったんじゃないか(東京のを見た感想)
2/15と入試日も早い神奈川はどうなるのかなーとビクビクしながら待っていたわけです。
それがですね、本日が発表日だったのですが、やってくれました神奈川県。
何をやってくれたのか、まずは事実から見ていきましょう。
神奈川県の試験範囲の具体的な内容
まずは前置きの説明文。
〇新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、各中学校等において、長期間にわたり、臨時休業が実施されました。こうしたことを踏まえ、神奈川県教育委員会では本県公立高等学校入学者選抜における学力検査について、中学校で学習していないことは出題しないという前提に立ち、県内公立中学校長会の代表者らと4回の協議を行うとともに、同一の検査を行う横浜市、川崎市及び横須賀市の各教育委員会などと調整を行ってきました。
めっちゃ話し合ったってことですね。
〇そうした結果、社会、数学、理科については、学習指導要領に示された全ての学習内容を中学校第3学年の1月末までに学ぶことは難しいと判断し、次の表の内容(当該各教科の教科書において最後に学習する内容)について出題範囲から除きます。
では一体何が範囲から外されたのか。1科目ずつ見ていきましょう。
社会…公民的分野で学習する内容のうち、「私たちと国際社会の諸課題」
藤沢市がなぜか採択する育鵬社の公民の教科書だと171ページからの範囲ってことですね。「国家とは何か」「国際連合とは」「持続可能な社会を作るために」といった内容が並びます。
理科…第1分野で学習する内容のうち、「科学技術と人間」
第2分野で学習する内容のうち、「自然と人間」
一分野は物理・化学、二分野は生物・地学のことです。現在の教科書は学年制なのでちょっとわかりづらいですね。
藤沢市が採択する大日本図書の教科書では、単元3「自然界のつながり」と単元6「地球の明るい未来のために」が範囲から除外されたってことです。下の系統図から「自然界のつながり」がなくなった感じですね。
数学…中学校第3学年で学習する内容のうち、「資料の活用(標本調査)」
これも系統図で見るとわかりやすいですね。最後にある標本調査が除外されるということです。
続いて、英語と国語についての内容を見ていきましょう。こんな説明書きがあります。
〇また、国語、外国語(英語)については、3年間を通じて学習すべき内容を繰り返し学ぶという教科の特性があり、学習指導要領上の特定の学習内容を出題範囲から除くことは難しいと判断していますが、漢字及び英単語については学習する順序が各中学校で使用する教科書により異なるため、公平性を担保する観点から、漢字や英単語を問う問題(読み・書き・意味)において、中学校第3学年で新たに学習する漢字及び英単語は出題範囲から除きます。
〇なお、国語の問題文に中学校第3学年で新たに学習する漢字が含まれる場合は、その漢字にはふりがなを表記し、外国語(英語)の問題文に中学校第3学年で新たに学習する英単語が含まれる場合は、その英単語には、注釈を表記します。
国語…漢字を問う問題において、中学校第3学年で新たに学習する漢字
国語は、問1の漢字問題に3年生で習う漢字は出しませんよーという内容。
英語…英単語を問う問題において、中学校第3学年で新たに学習する英単語
英語は、問2の英単語問題に3年生で習う英単語は出しませんよーという内容。
どちらも読解問題の本文中に出てきた場合は、ふりがながふってあったり注釈がついていたりするそうです。でも、3年生に習うものって教科書によって違う気もしたんですが、どうなんでしょう。国語はほとんど光村だから問題なし?英語はバラバラだから3年生で習うものは出さない?
あ、ちょっと調べてみたら国語も結構違うところありました。どうするんだろうか。
また詳しくわかったら追記します。
〇学力検査の他、各校の特色に応じて実施する特色検査のうち、学力向上進学重点校等で実施している、記述型の自己表現検査についても、学力検査と同様の内容を出題範囲から除きます。
特色検査においても同様の部分が範囲から除かれます。
〇出題範囲から除くこととした学習内容であっても、各中学校において、卒業までにすべて学習します。
それはすごく大事なこと。
発表を見た個人的な感想
やるじゃん、神奈川県!
この一言に尽きます。
危惧していた「三平方の定理」や「関係代名詞」は削られることなく、個人的に見ても「減らすならここかな」という部分が選ばれたように思います。
入試削減された範囲は元々入試にはそんなに積極的に出てこない部分だったこともあって、演習問題不足や過去問不足は心配しなくて良さそうです。それが何より。塾に行っていない子でも教材選びが苦じゃなくなりました。
ただ、例えば理社で削られた部分は一般常識に繋がる部分でもありますし、英単語なんかはいちいち注釈を見ないで読む方が早いに決まっていますから、それも踏まえて準備ができるといいですね。
おまけの発表
最後に、県教委から発表された他の内容にも触れておきましょう。コロナによる追試検査日程についてです。
新型コロナウイルス感染者又は濃厚接触者と認定されたため、2月に実施する検査(追検査※を含む。)を受検できなかった者を対象に、追加の検査を令和2年度入学者選抜と同様に実施します。詳しい内容については、11月までに中学校第3学年の皆さんにお知らせします。
2月15日(月曜日) 学力検査等
2月22日(月曜日) インフルエンザ罹患者等を対象とした追検査
3月1日(月曜日) 合格発表
3月10日(水曜日) 新型コロナウイルス感染者又は濃厚接触者と認定された受検者を対象とした追加の検査
3月17日(水曜日) 追加の検査の合格発表
これはつまり、募集定員の調整とかがかかるのかな。
詳しい募集要項などは7/9に発表される予定ということです。各高校の「内申:学力検査:面接:特色検査」の比率などもそこでわかるかと思います。
とりあえず今日は神奈川県グッジョブということでこの記事を終えたいと思います。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
範囲など気にせず学べというメッセージを感じる。