成長期に最優先ですべきこと
近年、子供たちの体力低下が叫ばれています。
身体は大きくなっていますが、身体能力の低下が問題視されています。
確かに日本の現代っ子たちを取り巻く社会環境では当然そうなるでしょう。
遊べる場所の減少やさまざまな制限、なにかと多忙な毎日から遊ぶ機会が昔に比してとても少ないと言われています。
そういった世相を反映して、治療の現場でもたくさんのお悩みに遭遇します。
「姿勢が悪い」
「体が硬い」
「よく転ぶ」
「怪我が多い」
「疲れやすい」
などなど、とても多くご相談が寄せられます。
これらの背景には、やはり成長期での運動不足があるのだろうと確信しています。
このような我が国の現状についてとてもピンチだと思っています。
子供の時からこの状態で、大人になったら一体どうなるのでしょうか。
ご存じの通り「成長期」は、一生ものの身体の土台をつくる極めて重要な時期です。
筋肉などは大人になってからいくらでも鍛えられますが、“身のこなし”など、いわゆる「運動神経」はこの時期(9歳頃まで)にしか育てることが出来ません。
また「骨の強さ」もこの時期に決まります。
その骨が一生のうちどこまで強くなれるか(最高強度)が、この成長期で決まってしまうのです。
つまり、身体の発育としてはこの成長期を逃すともう取り返しがつかないことになるのです。
ですので、僕は成長期には最優先で運動すべきと考えます。
無論子供それぞれ個性があるので、どの程度やれるか、やりたがるかは差があるかと思いますが、その子なりに(少し多めに)運動させてあげるべきだと考えています。
これはなにもスポーツと言う括りではありません。
身体を動かして思いっきり遊んでほしいのです。
できれば外で
できれば土の上を
できれば自由に
身体をいっぱい動かして、様々な姿勢や動作など運動パターンを獲得してほしいものです。
かつて 福沢 諭吉 翁は言いました。
「先ず獣身を成して後 人心を養え」
本質を捉えた、まさに名言だとおもっています。