#月刊三橋 #LITERA - #堀江貴文 #自己責任論 の無知
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経営科学出版 月刊三橋事務局
無知なホリエモンの自己責任論
「日本が終わってるんじゃなくて、
『お前』が終わってんだよwww」
ホリエモンこと堀江貴文氏が、
こんなツイートをしました。
いったい彼は何を馬鹿に
しているのでしょうか?
コトの発端は、
ネット匿名掲示板「ガールズちゃんねる」
「手取り15万円以下の人」トピックにて、
〈栄養士〉だという投稿主が投稿した記事。
「アラフォーの会社員です。
主は手取り14万円です…
都内のメーカー勤続12年で
役職も付いていますが、この給料です…
何も贅沢できない生活
日本終わってますよね?」
この投稿に対して、
「日本に死ねと言われているみたいで切ないです」
「日本も終わってるし 主の会社も終わってると思う」
「もはや日本も発展途上国の仲間入りしてるんじゃないかと時々思う」
と共感や同上を示す書き込みも見られました。
しかし、これに対してホリエモンは、
「日本が終わってるんじゃなくて、
『お前』が終わってんだよwww」
と嘲け笑ったのです。
彼が弱者に対して自己責任論を
押し付けるのはいつものことですが、
このツイートは同時に彼の致命的な
「事実誤認」を明らかにしました。
というのも、
手取り14万円というのは
今の日本経済において、
異例でもなんでもないからです。
例えば、
OECDが今年5月に発表した調査では、
主要先進国のうち、過去20年間で
賃金がマイナスになっているのは、
日本だけなのです。
1997年に比べ2018年には、
・アメリカでは82%のプラス
・イギリスでは93%のプラス
・韓国に至っては167%もプラス
一方、日本だけは8%のマイナス。
つまり、日本全体が低賃金化しています。
さらには、富裕層と一般層の
格差は広がり続けており…
日本の相対貧困率15.6%は、
OECD加盟国のうち、
トップよりもワーストのほうに
近いというのが実態です。
ある意味、一般層を搾取し、
一部の人間だけが裕福になっている…
というのが今の日本の正体かもしれません。
そんな中、
「給料が低いのは自己責任」と
バッサリ切り捨てて良いのでしょうか?
「努力が足りないお前が悪い」
という言い方は、あたかも、
「努力をすれば報われる」
という前提に立った物の言い方です。
でも、本当にそうなのでしょうか?
「手取り14万円」が当たり前なほど
日本経済の状況が悪化しているという
モノの見方もあるのではないでしょうか?
個人の力ではどうしようもない、
経済の悪循環が起こっているとしたら
どうでしょうか?
例えば、
それを裏付ける証拠として、
小泉政権&竹中平蔵の行った
いろんな「改革」が、
私たち国民を貧困化させています…
ほとんどの国民はすでに
忘れかけているかもしれませんが、
彼らはとんでもないことをしてくれました。
ホリエモンのような自己責任論者は、
「悪いのは社会ではなく自分」と洗脳し、
信者と化した貧しい若者たちに
中身がスカスカの自己啓発本を売りつけ、
「起業して稼ごう」とオンラインサロンで
セカセカと稼いでいます。
もちろん、その中から起業して
実際に成功する人もいるでしょう。
でも、そんなことをしないと
報われない社会は、果たして、
良い社会と言えるでしょうか?
例えば今、教師は長時間労働、
かつ低賃金という大変な職です。
しかし、国の未来を担う、
将来の世代を育て上げる
尊い職業でもあります、
そんな彼らに対し、
「教師は低賃金だから、
起業して稼ごうよ!」
とそそのかした結果、
教師をする人がいなくなったら...
誰が子どもたちを育てるのでしょう?
なんでもかんでも
自己責任にするのではなく、
社会全体が上手く繁栄するよう、
おのおのが必要な役割を担い、
全員が豊かな生活を享受する。
そんな社会を実現すべきだとは
思いませんか?
そのためにはまず、
私たちを苦しめる貧困化が
私たちの責任だけではなく、
国の誤った政策によって
もたらされているものだと
知る必要があります。