逆説
おはようございます。
暮らし、味わう。
民藝と発酵をモノサシに
食を通して暮らしの豊かさを提案する
古民家セレクトショップ&カフェ テマヒマ
プロデューサー、バイヤーの太田 準です。
工藝風向の高木崇雄さんによる「わかりやす
い民藝」読み終わりました。タイトル通り笑
わかりやすい。そして腑に落ちる感じでした
。これまで何度かお話会でも聞かせてもらっ
てた内容、以前飲みに高木さんと飲みに行っ
た時に聞かせてもらった話笑なんかも含まれ
ていて、学びとともに色々考えさせられるこ
ともありました。その中で一点に絞って書き
たいと思います。
「〜にも関わらず」
〜だから民藝というものは無い。柳宗悦の思
考の枠組みとして通底しているのは順接では
なく逆説ということ。これは改めて理解して
とかないといけないなと。
確かに、民藝は、近代化の過程で、美術・工
藝美術・工藝というヒエラルキーが国家によ
って作られ、その制度化された美や不自由な
美を否定するところから、また朝鮮・沖縄・
アイヌに代表されるような周縁が帝国主義的
に統合・一元化され、画一的で多様性を失わ
れそうな社会に抵抗することから、カウンタ
ーカルチャーとして生まれたような背景もあ
り、この〜にも関わらず、という思考は大切
だなぁと。
テマヒマのメニュー表の中に、取説というわ
けでもないのですが、民藝について説明した
一枚を忍ばせています。入門編的な意味合い
で。その中に、民藝とは。。。
1実用性
観賞するためにつくられたものではなく、な
んらかの実用性を備えたものである
2無銘性
特別な作家ではなく、無名の職人によって作
られたものである
3複数性
民衆の要求に応えるために、数多く作られた
ものである
4廉価性
誰もが買い求められる程に値段が安いもので
ある
5労働性
くりかえしの激しい労働によって得られる熟
練した技術をともなうものである
6地方性
それぞれの地域の暮らしに根ざした独自の色
や形など、地方色が豊かである
7分業性
数多くつくるため、複数の人間による共同作
業が必要である
8伝統性
伝統という先人たちの技や知識の積み重ねに
よって守られている
9他力性
個人の力というより、風土や自然の恵み、そ
して伝統の力など、目には見えない大きな力
によって支えられているものである
実はこれは日本民藝協会のホームページに書
かれているものをそのまま引用しています。
公式だしと安直に(スミマセン)。柳が選んだも
のに民衆のものでないものがあるのでは?とか値段は寧ろ高いではないかとか、作家もの
はどうなのか?といった矛盾や否定も起こり
得ます。実際多くの論争があるように思いま
す。
高木さんは、通底する〜にも関わらずという
逆説の論法で捉え直すべきではないか、とし
ています
1非鑑賞性
鑑賞を目的として作られたものではない
2非有銘性
自ら名をあげるために作ったものではない
3非単数性
希少価値を求めて作られるものではない
4非高価性
高価であること自体を求めて作られたものではない
5非趣味性
美的趣味の表現のために特化された技法を用いていない
6反グローバリズム性
どこでもある形を志向しない
7反孤立性
自分一人で作品を作り上げているなどと思い込まない
8反新奇性
思いつきで作る形や色、模様などではない
9非自力性
個人の力、個人の生という、限られた力や時
間だけに頼らない
〜だというのに比べて〜ではないとなると、
ぼんやりする感じ(それこそが正しいのですが)
はしますが、今よりしっくりする感じはあり
ますね。あと、言い回しを変えるだけでなく
この条件さえ揃えば民藝だ的に使わなければ
。近々、メニュー表の中の民藝とはのページ
も手直ししたいと思います。
「わかりやすい民藝」はテマヒマでも絶賛販
売中!です。高木さんが巻末で民藝を掘り下
げるブックリスト20というのをまとめてらっ
しゃいますが、「わかりやすい民藝」が歴史
だけでなく、現代的な意味でも民藝を考える
入門編的な内容になっています。おススメで
すので是非。僕もまた読み返したいと思います。
昨日はご予約も多くカフェ営業開始から終了
までお客様が途切れることもなく、また密に
なることもなく、沢山のお客様にお越し頂き
ありがとうございました!満席数を減数して
いるためお断りしてしまったりお待たせして
しまったりした皆様申し訳ございませんでし
た。ご理解頂ければ幸いです。今日も11時オ
ープンで皆様のお越しをお待ちしております
。ランチのご予約状況ですが、11時半、12時
とも満席となっていますので、遅めにお越し
頂くのがおススメです。
それでは、好いモノ、好いコト、好いトキを
テマヒマで。今日も好い一日を!