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清算時の会計処理と合併時繰越欠損金。実践編。

2020.07.06 23:29

12-7 清算時の会計処理と合併時繰越欠損金。実践編。

あまり、好ましいことでは、ありませんが、子会社が解散・清算結了した場合の親会社の会計処理は、どうなるでしょうか?

精算にともない、子会社株式の帳簿価額を消却損として計上します。

子会社に残余財産が残り、親会社に分配した場合、

→「資本の払戻し」と、します。

資本金等の額を超えて分配した場合は、

→利益積立金額の減少として計上します。

利益積立金の減少部分を、「みなし配当」と言います。

これでは、あたりまえの話しで、損して終わりと、なります。

それでは、子会社が親会社に合併した場合は、どうでしょうか?

場合により、節税になります。

親会社(存続会社)と子会社の間で、税制上で適格合併を行った場合には、子会社の繰越欠損金を引き継げます。

(適格合併は、12-9で再度説明します。)

非適格合併は、繰越欠損金を引き継げず、欠損金は切り捨てされます。

・繰越欠損金の引継ぎには、

資本関係 子会社の50%超を親会社が所有している。

資本関係が発生して5年を経過している。

の、一定の要件があります。

この趣旨は、赤字の会社を買ってきて、自分の会社と合併して、税金逃れ(租税回避)の防止をしようと言う意味です。

でも、クリアーしていたら、欠損金を引き継げるので、欠損金があれば、かなりお得です。

また、クリアーしていなくとも、みなし共同事業要件とし、5年50%超の関係がなくとも、互いにシナジーがあるなら、繰越欠損金の引継ぎが可能とされています。

この場合、下記の要件があります

  ① 事業関連性要件 

  ② 事業規模要件

  ③ 事業規模継続要件

  ④ 特定役員引継要件

④の要件で、あまりで判定することは少ないです。

この場合もありますので、あきらめないで、挑戦して見て下さい。

最後に、子会社が含み損のある資産を抱えているときがあります。

適格合併を行った場合には、原則として、引き継いだ資産と適格合併以前から所有していた資産に対し、損金計上できないという規定が適用されます。

そう言っても、後から含み損を発見することがあります。