映画『ペイン・アンド・グローリー』
映画『ペイン・アンド・グローリー』
監督:ペドロ・アルモドバル
出演:アントニオ・バンデラス
アシエル・エチェアンディア/レオナルド・スバラーリャ/
ノラ・ナバス/フリエタ・セラーノ/
ペネロペ・クルス
アカデミー賞主演男優賞ノミニー作品!
これで、今年のアカデミー賞のメインどころは全制覇だぁぁぁっ。
2月から楽しみにしていた数々の作品…最後もやはり素敵だった。
これは監督自身のことなのか、否か。
そんな余計な想像も楽しく、ラストは映画監督ならではの落とし前。
くぅーズルイったら!
人生、いつ、何時、転機が訪れるか分かりませんね。
良いことも悪いことも。
ふと目にした物から過去が蘇る。
物に染み付く思い出はドラッグよりも強烈なのかも。
映画という媒体では難しいけど、人や場所の匂いとかも、ね。
思い出しがちよね。
ポップで軽やかなカラーに包まれて、目には楽しく、しかし内容はズン、と重く。
彼が再会した昔の同居人。恋仲だった、あの空気が凄く好き。
戻れないけど、再会という特別な空気に酔いしれて、戻りたくもなる。
制して、また戻れない感じ。
でも、キスだけでも。あぁ、切なぁい。
過去が積もって今の歳がある。
ファニーなやり取りも、歳を重ねても悩みは尽きないし、自分自身をグルグルと常に巡る。
でも、だからこそ作品に落とし込めて、創作が出来る。
物書きの人を、たまに羨ましくも思う。
軌跡か恥か、色々種類はあれど、歌詞だったり脚本として作品に昇華出来るのだから。
じゃぁやってみろと言われてきたし挑戦もしてみたけど、私には向いてなかったの。
人様からお金を戴いても良いようなモノにならなかった。
酔った時に酒のツマミで話すくらいでいいんだ、私の話は。
痛みを創作に。
果たして幸か不幸か分からないけど、やっぱりそれは、素敵なことだと思ってやまないのです。
髭におじさんのシワに、渋くて可哀想で愛おしい1人の男。
ペドロ・アルモドバル監督のミューズと言われるペネロペ・クルスも、歳を感じつつもそこがまた、あの母親に合う。
それでも美しい。
あぁ、ミューズ、って、いいなぁ。