Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

梨の日

映画『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』

2020.07.08 12:05


映画『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』


監督:グレタ・カーウィグ

出演:シアーシャ・ローナン

エマ・ワトソン/フローレンス・ピュー/エリザ・スカレン/

ローラ・ダーン/

ティモシー・シャラメ/

メリル・ストリープ/

トレイシー・レッツ/ボブ・オデンカーク/ジェームズ・ノートン/

ルイ・ガレル/

クリス・クーパー/ジェイン・ハウディシェル




2回、観に行った。


子供の頃から知ってた物語を、グレタ・カーウィグ監督の手で新しく。

過去と現在が入り乱れた構成だけど、話しを知っていれば追えるし、

2回目にはその作りに感動すらする。

まるで小説のページを行ったり来たりしているかのように。


最初に映る小説の表紙は、最後にはハッキリとジョーの物となる。


フローレンスさんとの関係は最初から良好ちっくだったりするけど、

思った以上にそのまんまだったのは意外。

でも。

映画の中にもあるように、あの時代は「女性は結婚=ハッピーエンドでないと出版できない」ことに、グレタ監督が原作者のルイーザ・メイ・オルコットの意思を想像した。


ーもしかしたら、オルコットはジョーを結婚させたくなかったのでは?ー


今の時代だからこそ、書き替えられるプラスαの要素であり、女性だからこそ、そして映画監督だから創造出来た作品。


今作の方が、4姉妹それぞれの幸せについてピックアップされていて、どの人物にも愛情を感じる。(他がないってことではなくて)

ちょい抜けイケメンに扱われるティモシー・シャラメを、あんな扱いが出来るのもグレタ監督ならではだろうなぁ。

椅子のくだりはさすがに爆笑した。笑)


でも、女性の幸せは結婚が全てではない!

だけを加えると、今時流行りの女性応援的な強気ムービーになりそうだけど。


ジョーは、ちゃんと、揺れていた。

意志が強くても、昔の自分と今の自分の考えや感じ方が変わったっていいじゃない。当然じゃない。

恥ずかしくも打ち砕かれるあたり、いま観る私達に共感と好感を呼ぶ。


ジョーから愛しい人を取ってしまったエイミー(フローレンス・ピュー)の描き方も素敵で…。

一見悪役になりそうなところを、彼女の子供と大人の顔も相乗効果でエイミー自身が魅力的になる。


またこの作品がもともと気になっていたのだけど、

アカデミー賞で衣装デザイン賞を受賞していたのもある。

ドレスだったり周囲の人々にも、時代性と個性が活きていて、もうたーまんない…!

海辺のシーンでローリーが着ていた服は、白パンツ。

白は手入れもかかるし、お金持ちの物。しっかりと。

可愛い物が好きな末っ子エイミーは、どこかフリルがあったり可愛げで。

ジョーはパリっと少し男性らしいイメージのシャツ系統や色味。

メグはスマートでも可憐さを忘れない綺麗どころが似合うドレス。

ベスはゆるりとリラックスしつつも優しげでナチュラルな雰囲気。


横から写す情景カットが何度かあるけれど、

全部集めてポストカードにしたいくらいの絵になるカット。



素敵が素敵に たゆんだり律したりの『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』。

邦題はいかかがなものかと思ったけれど、これがオルコットに向けた「あなたの物語」と意図しているなら、これもいいなぁと思えるの。

ローラ・ダーンのお母さんの言葉も染み入りますぅ…。

いつもの『Little Women』では無いのだから。



割りと女の子の家には、絵本なりアニメだったりで通ってきてる人が多いと思うのだけど、男性陣はどう捉えるのだろう。

やっぱり女性GOGOな映画に見えちゃうのかしら。


とかく、時代を越えて、同じ物語を通して、今に蘇った今作。

2月から待ちに待って、良かったな。





そういえば去年『ドリーマーズ』に出会ってバチバチにドンピシャにハマってから、『パリの恋人たち』でマジ偶然的に現在のルイ・ガレルに出会い、またここにルイ・ガレルがいるという奇跡。

勝手に感動したぁ。。