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これぞインディーズの名盤だ

2020.07.08 15:07

砂久ヤタロウさんというアーティストさんは、NEXT MUSICという投稿サイトにいた頃からだから、かれこれ15年以上、もしかすると20年近く前から存じ上げているのです。

あの頃は、違うお名前で活動されていたように記憶していますが、どうお名前を変えられようが、どんなにこっそり世に作品を発表しておられようが、耳にすることさえ出来たなら、「あ!彼だ!」と間違いようなく判別出来る個性の持ち主。

NEXT MUSICがなくなって、OKMusicまでは彼の作品を追うことが出来ていたのですが、OKMusicもなくなってからは、すっかりご無沙汰となってしまい、つい先日、ちびたさんと「ヤタロウさん、どうしておられるんですかね?」と話題にしていた矢先、ヤタロウさんから突如メールをいただきました。

なんと、自主レーベルを立ち上げられたので、アルバムを送って下さるとのこと。

そりゃあもう、大歓迎です!

で、なんと!2枚も送って下さいました。

「Z」というアルバムと出すモンダというユニット名での「you are here」というアルバムです。

「Z」の曲は、OKMでちょくちょく拝聴していたので、まず「you are here」を拝聴しました。

ご本人のアルバム紹介コメントに「メチャクチャだけどオモシロイ!一家に一枚 この名盤!」とあるのですが、これはまさしく名盤です。

しかも、メジャーにはない、インディーズならではな名盤。

メジャーで、こんなオモシロイ音楽は聴けないのです。「インディーズの存在意義は、こういうもんだろう?!」と、うっかりすると忘れてしまいそうになる大事なことを、これでもかと鮮明に突きつけて目を覚まさせてくれるアルバム。

ヤタロウさんは、凄く上手い。曲も歌詞も唄も演奏もアレンジもアナログ的なぬくもりと音圧あるサウンドメイキングもとにかく上手い。しかも、同じように上手い人たちの中にいても、私の尊敬する知人の表現を借りると、「頭一つぶん飛び抜けている」のです。

上手い人たちは沢山いて、しばしば「これはメジャーでも売れるんじゃないか?」なんてことを我々は考えたりしがちだと思うんですが、ヤタロウさんのアルバムを聴くと、メジャーの音楽、特に巷に流れるJ-POPだのJ-ROCKなどほとんどが子供向きの駄菓子のように思えてくるのがオソロシイ。

極めて精緻な作りでありながら、この上なく大胆!!強い好奇心と非常に良い意味での遠慮のなさ、変に理屈っぽく計算しない感性重視の計算(上手い表現ではないですが、ぶっ飛んだ発想はあれど全くもってデタラメや成り行きまかせではなくきちんと整理されているということです)、それゆえの「頭一つぶん飛び抜けている」感。

Risafroさんの一点の曇りもない無邪気で真っ直ぐな表現、ナチュラルなメロディラインや無作為に飛び出す耳に引っかかる言葉に魅力を覚えたのも彼の感性の深さこそと思うし、彼女とのコラボレーションを心底楽しんでいる様子がガンガン伝わってきます。

個々のソロだけ軽く一聴すると全く異質なものと感じられるでしょうが、こうしてユニットとして聴いてみると、己の表現に実直であるという点において共通しており、プロデューサーとしてのヤタロウさんの”天才”に完全にノックアウトされてしまう。

「インディーズはかくあるべし」と雄弁に語ってくれる名盤中の名盤。

”メジャーになれなかった音楽”ではなく、”メジャーなどモノともしない音楽”なのです。


ちなみにこの名盤、今現在、無料配布中とのこと。

欲しい人は、「無料CD希望」という件名で以下アドレスへメールを。

uuyee3@gmail.com