父の命日に想う、がん告知をしなかったこと
今日は父の命日だなぁと、思ったら涙がこぼれました。
何十年も前の事なのに…
なぜか最近、昔を思い返します、そして涙がこぼれます。
父はがんで亡くなりました。
父には、がん告知しませんでした。
が、本人は知っていたんだと思います。
父は、家族に確かめることもなく淡々としていました、家族も父の前では淡々としていました。
本人に告知をしないということは、今思うと残酷だと、私は思います。
不安や恐怖、しんどさや苦しさやつらさ、孤独感、悔しさ、無念さ、数知れない思いや気持ちを患者さんは、ひとりで抱えるのです、家族は分かち合い、共に乗り越えることに、距離があるのです。
父は、どんな心情だったんだろうと、今さら察しようもないことを思ったりします。
ふと、母が浮かびました。
母は、夫をがんで亡くし、娘もがんになりました。
母は、どんな気持ちを抱いたんだろう
泣くことを唯一の感情表現にしていた母
告知せず闘病する父親の前で決して泣かなかった
がんの入院、治療をする私の前で、決して泣くことはなかった
母の胸の内をまだ誰も知らない
がんになるということは、家族の心も苦しみます。
だからこそ
苦しい時、一緒に大声で泣き
怖い時、抱きしめ合い
乗り越える時、手を強く握りしめ
気分がいい時、一緒に笑い
共に一緒に、時を刻む
ひとりじゃないんだと感じられることが、どれだけ心強いか…
ひとりじゃないよ
アラ?
わたしのパートナーは、私ががんになって、どんな思いを抱いたんだろう…
今度聴いてみます、奴はスルーしそうだけど…
偶然がふたつ
・今の私の歳は、父が亡くなった歳だ
・父の病室の持ち物の中から出てきたカセットテープ。
「エンニオ・モリコーネ」と書いてあった。
日頃洋楽やクラシックなど聴かない父からは意外だった。
そして、父の命日と同じ日、エンニオ・モリコーネさん死去のニュースをみた
偶然でもないような出来事を、偶然にして軽く驚く…
YouTubeで、エンニオ・モリコーネさんの映画曲を聴きながら.•*¨*•.¸¸♬.•*¨*•.¸¸🎶