コミケ72東京旅行のたび2 一日目 姉さん東京は暑すぎるです編
前回のまとめ 旅行の前日に酔っ払い、朝走って軽く具合悪くなり、チケットの磁気はなくなっていて、カッターで空港チェックにひっかかり、デジカメは壊れた様子。スチュワーデスはおばさんで冷たい人だった。いきなり不安。
ここは謝らなければならないのですが、留さんに東京行動は一任しておりました。丸投げです。
私はいろいろ虚弱な上、猛暑。東京で使い物にならなくなる可能性が高かったからであります。まあ当たっていたが。
それに東京の路線はややっこしいと理解はしていたものの、一日どこでもキップみたいなのを買ってフラフラすればなんとかなるだろーと思っていたのです。
なんでかというと、十年前は地下鉄どこでもキップみたいなのを買ってそれで大体済んだような記憶があったからなのであります。んで2007年夏。
いきなりどこへ行けばいいのか困惑。
目的地は分かっているんです。銀座です。でも銀座まで一直線に行けないようなので(しかも路線図に銀座が見当たらない)、どこで乗り換えるのかーというのを留さんは調べている模様。とりあえず新橋へ行ってみようということになりました。でもけっこう高く感じたので聞きました。
「と、留さん、一日きっぷみたいなのは無いのかい?」
「えっ」
なにやら一日乗り放題的なポスターがあったので見ると、地下鉄だけみたいです。そうか、ここはJRか。そんなこともわかっとらんかったよ。
ごとんごとーん。あきれるほど快晴の中、列車は長々と動きます。
そうか空港は都心から離れていたのだね。そんなこともわかっとらんかったよ。もう彼女に全部まかせよう。やはり当初の認識が正しかったようです。
新橋から銀座。
乗換えって歩く距離がけっこう長いんですね。荷物が重いのですでにフラフラ。 しかも、駅構内がけっこう暑い。「新橋……、サラリーマンの新橋」とか思う間もなくまた乗り換え。
そして銀座に着き、登った先は灼熱だった。
……。
ええいここは日サロ付のプールサイドか!
腹立たしいほどいい天気です。うっかり道に迷ったらそのままドライアップ(乾き死に)です。 ここは留さんの教え「道が分からなくなったら人に聞こう。東京の人は親切だ」の通りに道を聞き、目的の店にたどり着くことができました。
ピエールマルコリーニ銀座。
ここでチョコレートパフェを食べるのです。(理由:マンガでうまそうだったから) この灼熱地獄の中、白い帽子をかぶった若いムスメさんが立っています。なんか入り口が微妙な感じなので、尋ねてみました。
かわいいムスメさんの話によると、どうやらチョコレートカフェと普通のカフェがあるらしいです。我々の目的はチョコパフェなので、チョコのほうにしました。目の前のドアです。 中に入るとなるほどけっこうきつめに冷房が効いています。チョコが溶けないように、強めの冷房にしてあるそうです。
列はすでに数人並んでいて、その右側ではチョコレートを売っています。大理石のテーブル台の上には透明なプラスチックカバーのかけられたチョコレート(ちっちゃくって高額)。その向こうには4、5人の制服を着た若い店員さんがいます。
外を見ると先ほどのムスメさんがあいかわらず立っています。
かたや冷房でひんやり。かたや外で一人だけ灼熱。持ち回りかもしれませんが待遇が天国と地獄です。
しかし天国側は、狭い店内なのに「チョコを売るのにこんな人数いらんやろ」という並び方。だいいち店と客を冷やすくらいならショーケースに入れてチョコレートだけを冷やせと言いたい。さすが銀座のやり口です。
そんなことを思っている間に順番が来ました。狭くて黒めの店内、高いカウンター。本当にショットバーみたいな雰囲気です。
二人で四種のチョコの盛り合わせと、チョコレートパフェを頼みました(ちなみにあいかわらずデジカメが死んでいたので、この写真は借りてきたマイパピィのケータイに入っていますが、Eメールをつけていないので取り出す方法がありません)。
<追記> 後日、救出できたので写真をのっけておきます。ショットバーのような薄暗い感じと、パフェの「値段のわりには小さいんじゃね?」という感じをおわかりいただけるだろうか。
チョコパフェは苦めのチョコムースと生クリームとチョコレートアイス。に上にチョコ一個つき。
四種のアイスクリームはバニラとチョコとビターチョコとミントアイスです。いっただっきまーす。
あむ。
……。
……。
う……。
いや美味しい、けれど。
確かに他のアイスより口当たりもなめらかだけれど。
これで1680円は高すぎではないか。
ハーゲンダッツのチョコアイスをちょっと溶かしてちょっとだけオプション加えてなめらかにした感じというか。
まあ期待していたほど劇的には美味しくなかった感じです。
ただミントチョコのアイスは、ほとんどチョコでミントリキュールが入った感じで、これはここでしか食べることができないかも、といった味でありました。
でも目の前で店員のおねいさんがいるのに「値段のわりにたいしたことないね」とかそんなことは言えません。美味しいねーとか明るく言って帰ってきました。店も狭いし、食べたらすぐ帰らなくてはならないムードです。
がー。(自動ドアの開く音)
店から出ると、どうやら私はめっちゃ腑におちない顔をしていたらしく、留さんが言いました。
「あのさ、……ロッキーロード(サーティーワンのアイス)って、けっこう美味しいよね「う、うん、うん、うん!」
ああ、味のわかる友人と旅してよかった。
相談の結果、残念な結果ではあったが、ここで食べそこねていたらきっと「行けばよかった」と何年も後悔したであろう。行ったからこそ「たいしたことなかったね」とここで言うことができる。だから行ってよかったんだよと我々は話し合ったのでした。
ついでに通るときにみかけた銀座千疋屋へついでだから入りましたが、別に特別珍しいフルーツもなく、またガーと出てきました。なんかデパートの果物売り場みたいだった。 そんでまた灼熱地獄です。
「これからどこへ行くか、対策を練らなくちゃ」
「しかしここは暑すぎる。荷物は重いし。ミスド、ミスドは無いのか!」
見回してもさすが銀座。ミスドは見当たりません。よく探せばはじっこにマックくらいはあるのかもしれませんが、この灼熱地獄の中で探すのは自殺行為です。とりあえず追われるように駅に逃げ込みました。
駅の構内のベンチとかで話そうにも、何故か東京には、駅にベンチとゴミ箱が無いのです。いやあるのだろうが滅多にない。
ゴミ箱はテロ対策、ベンチはたぶん人がたくさん通るには邪魔だから無いのだと思いますが、休めないしいつまでたってもペットボトルが捨てられない。恐ろしい町です。 そしてどこへ行くにも荷物が重すぎる。とにかく荷物を降ろしたいのですが、ロッカーに預けるにもどの駅に置けばいいのか迷うし、池袋のホテルはまだチェックインできない時間なのです。
ふひー。
疲れ果て、行き先に迷い、とりあえず留さんがホテルに電話してくれました。
すると、まだチェックインはできないが荷物だけは先に預かってくれるということ。ありがとうホテルの人! 「よーし池袋に行こう」 「おう!」
ちょっと元気を出して重い荷物と身体をひきずって、がたごとゆられ、山手線に乗継です。
そんで何故か駅の行く先々でGacktの紫っぽい巨大なポスターが。謙信祭の宣伝のようです。留さんはガッくんが大河ドラマに出ていることを知らなかったらしく驚愕していました。うん、私も見たときはびっくりしたよ。
そしてようやく池袋に着きました。「略してブクロ」とか思いつつ外に出ると。
かなり物凄く灼熱。
うわあああん、あついよ、あついよ留さん!(うるさい同行人)
なにやら天高く伸びるビル群。なにやらビルの密度がものすごいです。本当にこれらの店は全部食っていけてるのか。
フラフラしながらホテルに入ると、なんでか申し込んだ留さんではなく私の名前で呼ばれました。なんなんだと思いつつ聞くと、まだ早いけどチェックインできるということ。やったー! ありがとうホテルの人! 名前も私の名前で書かされました。うーん。
上の階に行くと、さすが早かっただけあっておばさんたちが他の部屋の掃除をしておりました。
部屋に入ると、やっと一息ついてぐんにゃりです。留さんが言うところによると、シングルにベッドを一つ入れたお安い部屋になる予定が、ホテルの都合でツインになったのでラッキーなのだそうです。ありがとうホテルの人!
しかも冷蔵庫にはサービスで、なんと『リポビタンD』が! ありがとう! ありがとう!
冷房って素晴しい。もうここから動きたくないーとか全力で思いながら、リポDを飲んだりしながら我々はしばらくの休憩を取ったのでした。