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世界血栓症デー

2020.07.10 13:05

https://www.facebook.com/permalink.php?id=197375420921983&story_fbid=534351677224354【COVID-19流行時の脳卒中の特徴は?】鍼通電療法臨床研究会 5月22日 ·  より

パンデミック下の超急性期脳卒中管理

https://medical-tribune.co.jp/rensai/2020/0521530238/?utm_source=mail&utm_medium=recent&utm_campaign=mailmag200522&mkt_tok=eyJpIjoiWmpBd01qVXpNREZqT1dReSIsInQiOiJkQ0ZJdlwvbHU0VWtMcXIyeEZ4cmtJKzc4d0duOEpNa2RJWnhOUkhOWGtzYVQxVFlFMmg4a0tnZnRlQzJzUWVYbVRFZnhva29pVys5aGIydjllV09vOEF1RXJCWVR3RURiSVFob0tDaUVEU0RsVThRVThwUHpFWnlhWWZyZE8rT3YifQ%3D%3D

はじめに

 米・ニューヨーク市のMount Sinai Health Systemグループから若年性脳梗塞を来した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者5例(N Engl J Med 2020; 382: e60)が報告され、衝撃が走った。

 そこで今年(2020年)5月6日までに発表されたCOVID-19パンデミック時の脳卒中発症に関する報告をまとめ、その特徴を探ってみた。

1.中国・武漢のグループからの報告

1) 中国・武漢市でのCOVID-19入院患者の神経学的症状

 今年1月16日〜2月19日に中国武漢・華中科技大学同済医学院関連のCOVID-19診療3施設に入院した新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染によるCOVID-19患者214例〔平均年齢52.7歳、男性87例、重症感染症88例(41.1%)、非重症感染症126例(58.9%)〕を対象に神経学的症状を検討した(JAMA Neurol 2020年4月10日オンライン版)。

 その結果、214例中78例(36.4%)が神経症候を呈していた。非重症例に比べ重症例は高齢で、高血圧などの基礎疾患を持つ例が多く、発熱や咳などのCOVID-19の典型的な症状が少ない傾向にあった。さらに重症例は急性脳血管疾患〔5例(5.7%) vs. 1例(0.8%)〕、意識障害〔13例(14.8%)vs. 3例(2.4%)〕および骨格筋損傷〔17 例(19.3%)vs. 6例(4.8%)〕の発症率が高かった。全体では急性脳血管疾患は、6例(2.8%)であった。

2)中国・武漢市でのCOVID-19患者の急性脳血管疾患:単一施設後ろ向き観察研究

 今年1月16日〜2月29日に中国武漢の連合病院に入院したCOVID-19患者を対象に急性脳血管疾患を検討した(SSRN Electronic Journal 2020年1月オンライン版)。

 その結果、COVID-19患者221例のうち、11例(5%)が急性虚血性脳卒中、1例(0.5%)が脳静脈洞血栓症(cerebral venous sinus thrombosis:CVST)、1例(0.5%)が脳出血を発症した。年齢は、CVSTが32歳であったが、脳梗塞は57〜91歳であった。

 脳卒中発症例は非発症例に比べ有意に高齢(71.6±15.7歳 vs. 52.1±15.3歳、 P<0.05)で、重症COVID-19の割合が多く(84.6% vs. 39.9%、P<0.01)、高血圧、糖尿病、脳血管疾患の既往歴を含む心血管危険因子を有する割合が高かった(P<0.05)。C反応性蛋白(CRP)高値〔51.1(範囲1.3~127.9)vs. 12.1(同0.1~212.0)mg/L、P<0.01〕、D‐ダイマー高値〔6.9(範囲0.3~20.0)vs. 0.5(同0.1~20.0)mg/L、P<0.001〕であった。

 虚血性脳卒中11例中、6例がアスピリンまたはクロピドグレルによる抗血小板治療を受け、そのうち3例が死亡。残る5例はクレキサンによる抗凝固療法を受け、うち1例が死亡。 2月29日時点で、脳卒中患者5例(38%)の死亡が認められた。

 COVID-19では危険因子を持った高齢者の脳卒中発症は珍しくなく、COVID-19関連脳卒中は、重篤な疾患による凝固亢進、ウイルス関連心損傷による心原性脳塞栓症などの関与が当初考えられていた。

2.イタリア・ミラノ大学病院入院COVID-19患者の静脈・動脈血栓塞栓症

 今年2月13日〜4月10日にイタリア・ミラノ大学ヒューマニタス臨床研究センター病院に入院したPCR検査で診断され症状のある連続したCOVID-19患者連続388例(年齢中央値66歳、男性68%、ICUでの治療16%)を対象に主要評価項目〔静脈血栓塞栓症(VTE)、虚血性脳卒中、急性冠症候群(ACS)/心筋梗塞(MI)などの血栓塞栓性合併症〕、副次評価項目〔播種性血管内凝固症候群(DIC)〕を調べた(Thromb Res 2020; 191: 9-14)。

 退院、死亡、あるいは血栓塞栓症が診断された症例を対象にイベント発生率を計算した。

 検討の結果、血栓予防はICU患者の100%、一般病棟入院患者の75%に施行されていた。血栓塞栓性イベントは28例(closed caseの7.7%、95%CI 5.4〜11.0%)で発生し、累積発生率は21%(ICU患者で27.6%、一般病棟入院患者で6.6%)であった。92例が院内で死亡した(死亡率26%)。

 血栓塞栓性イベントの半数は入院後24時間以内に診断された。44例の患者がVTE画像検査を受け、VTEは16例(36%)で確認された。CT肺血管造影(CTPA)は30例(全患者の7.7%に相当)で行われ、10例で肺塞栓症が確認された(CTPA施行例の33%)。

 虚血性脳卒中は9例(発生率2.5%、年齢57〜75歳、心房細動合併2例:死亡2例・退院4例・入院中3例)に発生。D-ダイマー 2μg/mL以上は4例(肺がん1例、転移性肺がん合併1例)に認められた。ACS/MIの発生は3例(発生率1.1%、転移性乳がんと喉頭がんの計2例は死亡)。明らかなDICは8例(2.2%)の患者に見られた。

3.米・ニューヨーク市での大血管性脳卒中

 今年3月23日〜4月7日の2週間にMount Sinai Health SystemにSARS-CoV-2感染で大血管虚血性脳卒中(large-vessel stroke)を発症し入院した50歳未満の症例5例について報告した(N Engl J Med 2020; 382: e60)。過去12カ月間に50歳未満の大血管性脳卒中患者は週間平均0.73例発生していた。

 5例の入院時平均NIHSSスコアは17。脳卒中の既往があったのは1例のみだった。全例にCT/CTAを施行し、3例にCT perfusion、2例にMRIが行われた。2例に機械的血栓回収療法、1例にrt-PA静注療法と機械的血栓回収療法、1例に機械的血栓回収療法とステント留置が施行された。

 同論文の共著者でMount Sinai Health Systemの重松朋芳氏が脳神経外科速報に寄稿している(脳外速報2020; 30: 574-584)。それによると、COVID-19パンデミックによって診療体制の大幅な変更が強いられた。3月23日に新たな体制を構築して以降、4月11日までに機械的血栓回収療法を18例に施行し、うち10例がCOVID-19陽性であった。平均年齢はSARS-CoV-2陽性例が60歳、陰性例が69歳。SARS-CoV-2陽性で緊急大血管閉塞(ELVO)患者の90%以上がD-ダイマー高値を示していたという。

 ニューヨーク・スタテンアイランド大学病院からは、COVID-19に脳梗塞を合併した症例4例(73〜88歳の高齢者)が報告されている。全例が皮質梗塞(大血管の閉塞か狭窄)で、3例が転帰不良であった(Brain Behav Immun 2020年4月28日オンライン版)。

 2004年にシンガポールから重症急性呼吸器症候群(SARS)アウトブレイクに関連した大血管性脳卒中が報告されており、COVID-19の合併症として凝固障害と血管内皮機能障害が提案されており、若年患者における大血管性脳卒中とCOVID-19の関係については、さらに検討する必要があるとされている。

4.英・COVID-19に関連した虚血性脳卒中の特徴

 今年4月1〜16日に英国ロンドンの国立脳神経内科・外科病院で連続して経験したCOVID-19に虚血性脳卒中を合併した6例(PCR検査で確認、5例が重症肺炎)の特性が報告された(J Neurol Neurosurg Psychiatry 2020年4月30日オンライン版)。

 6例全例が主幹動脈閉塞を起こし、D-ダイマー(1,000μg/L以上)は著しく上昇していた。3例の患者には多領域に梗塞があり、2例には同時に静脈血栓症があり、2例では抗凝固療法中にもかかわらず虚血性脳卒中が発生した。

 6例のうち5例はループスアンチコアグラント陽性で、1例は中力価のIgM抗カルジオリピン抗体、低力価のIgGおよびIgM抗β2グリコプロテイン1抗体を有していた。COVID-19関連虚血性脳卒中には抗リン脂質抗体によるスクリーニングが有効である可能性もあるが、関連性は不明である。頭部CT(4例)あるいはMRI(3例)が提示されている。

5.オランダ・ICUでのVTEと動脈血栓症の検討

 今年3月7日〜4月5日にCOVID-19肺炎でオランダの2つの大学病院と1つの教育病院のICUに入院した184例についてVTE(肺塞栓症と深部静脈血栓症)と動脈血栓症(虚血性脳卒中、心筋梗塞、全身性動脈塞栓症)の合併症の頻度を検討した(Thromb Res 2020年4月10日オンライン版)。

 4月5日時点で23例(13%)が死亡、22例(12%)が生存退院、139例(76%)が入室のままであった。観察期間の中央値は7日で、全例が低分子ヘパリンなどによる標準的血栓予防策を受けていた。

 複合転帰の累積発生率は31%(95%CI 20~41%)、静脈血栓塞栓症は27%、動脈血栓性イベントは3.7%(3例全てが虚血性脳卒中)であった。

6.脳梗塞の発症機序

 COVID-19症例においては、低分子ヘパリンなどの標準的な血栓予防策を行っていても、循環器疾患として深部静脈血栓症や肺塞栓症を発症することが特徴のようである。

 またD-ダイマーが2μg/mL以上のCOVID-19症例は予後不良となると報告されている(J Thromb Haemost 2020年4月19日オンライン版)。

 COVID-19関連脳卒中は、重篤な疾患による凝固亢進、ウイルス関連心損傷による心原性脳塞栓症が示唆されていた。最近、COVID-19で全身の血管炎が報告され始めた(Lancet 2020; 395: 1417-1418)。髄膜脳炎の症例報告もあり、脳のリンパ排水システムを介したCOVID-19の侵入や拡散の可能性が示唆されている(Brain Behav Immun 2020年4月29日オンライン版)。

7.COVID-19患者の脳卒中の特徴

 以上の報告から、COVID-19患者に発症する脳卒中の特徴をまとめた(表1)。

表1. COVID-19患者に発症する脳卒中の特徴

① 動脈血栓塞栓症よりもVTEが多い

② 急性冠症候群・心筋梗塞よりも脳卒中発症が多い

③ 脳梗塞が多く、脳出血はまれ。脳静脈血栓症も発症あり

④ 脳梗塞の発症は感染症発症2週間前後に見られる(武漢市からの報告)

⑤ 高血圧、糖尿病、脳血管疾患の既往歴を含む心血管危険因子を持つ高齢患者は脳卒中を発症する可能性が高い

⑥ 若年者での脳梗塞発症が増える可能性がある

⑦ 大血管病変の症例が増える可能性がある

⑧ COVID-19軽症例よりも重症例で発症が多い

⑨ D-ダイマー高値例が多い

⑩ CRP高値例が多い

⑪ ループスアンチコアグラントは6例中5例陽性の報告

⑫ 転帰不良例が多い

8.世界の脳卒中センターの現状

 イタリア・パドヴァ大学病院では、脳卒中センターへの紹介が軽症脳卒中や一過性脳虚血発作(TIA)が減少、rt-PA静注療法単独の減少(−26%)あるいはrt-PA静注療法と血栓回収療法の併用例が減少(−30%)、血栓回収療法のみが増加(41%)し、重症例で脳卒中センターへの到着が遅れるようになっている(Neurol Sci 2020; 41: 1003-1005)。

 中国だけで毎日9,000例を超す脳卒中が発症しているが、COVID-19の影響で上海では機械的血栓回収療法の施行が半減したといわれている(Stroke 2020; 51: 1356-1357)。

 COVID-19パンデミック下にある世界の脳卒中センターにおける脳卒中診療の状況をまとめた(表2)。

表2. 世界の脳卒中センターにおける脳卒中診療の状況

① 脳卒中患者の入院が減少している国が多い

② 軽症脳卒中やTIA患者の入院が減少傾向にある(受診抑制?)

③ rt-PA静注療法施行例の減少

④ 機械的血栓回収療法が減少する地域と増加する地域がある

⑤ 大血管病変患者の到着遅延例が多い

⑥ COVID-19に対応できる診療体制の再構築を図っている

⑦医療従事者の感染防御を第一に考慮した急性期診療指針(Protected Code Stroke)の提案

COVID-19対応 脳卒中プロトコル(JSS-PCS)

 現在、世界はCOVID-19パンデミックという災禍に見舞われ、先の見えない状況に陥っている。災禍は突然襲ってきて、弱者を苦しめることになる。発生前の「当たり前」の診療体制をいかに再構築するか、すなわちCOVID-19に対応しつつ通常の診療も継続するための事業継続計画 (BCP)を策定して、この難局を乗り切らねばならない。

 COVID-19パンデミック時も「専門性」と「時間との戦い」に加えて「医療従事者の感染防御(安全性)」を図りつつ脳卒中急性期に対応することは重要である。

 カナダの研究グループは、医療従事者のSARS-CoV-2感染防御を第一に考慮したCOVID-19疑い脳卒中患者に対する超急性期管理(protected code stroke;PCS)を発表(Stroke 2020年4月1日オンライン版)し、筆者はこの論文について解説した(医療崩壊を防ぐProtected Code Stroke COVID-19パンデミック時の超急性期脳卒中管理」)。

 その直後の4月13日に筆者は、日本脳卒中学会に「COVID-19対応 脳卒中プロトコル(日本脳卒中学会版Protected Code Stroke:JSS-PCS)」の作成を提案した。同月18日夕方までに策定ワーキンググループのメンバーを決め、19日朝までに執筆のQ & Aと分担を決め、若手5人によって執筆を開始、22日昼には完成した。

 通常、学会内のコンセンサスを得るには脳卒中医療向上・社会保険委員会、学術委員会、理事会の審議を順次経るため最低1カ月は必要である。今回は2つの委員会と理事会の同時メール審議が行われ、24日昼に審議終了し、午後3時に学会公式サイトに掲載された(図1)。

図1. JSS-PCSのフローチャート

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〔(日本脳卒中学会「COVID-19対応 脳卒中プロトコル(日本脳卒中学会版Protected Code Stroke:JSS-PCS)v.1.2〕

 全国の脳卒中患者を応需する脳卒中センターの診療体制を再構築するための切っかけになったのではないだろうか。

 人口当たりのMRI台数が世界一多いわが国で、COVID-19症例あるいはCOVID-19未判定例(Patient under investigation:PUI)に対し、MRIを積極的に行うべきかどうかが議論となっている。

9.アマビエ(疫病退散の肥後国の妖怪)

 およそ100年前の1918年にスペイン風邪が出現し、1919年1月に当時の内務省衛生局が作成した「流行性感冒(はやりかぜ)予防心得」では、「病人や咳をする者に近寄ってはならぬ」「たくさん人の集まっている所に立ち入るな」「病人の部屋はなるべく別にし、看護人の他はその部屋に入れてはならぬ」とされている。映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』では海賊のガイドラインは「海賊の心得」と訳されていた。ウイルスという存在がまだ知られていない100年前に流行性感冒(インフルエンザ)の市民向けのガイドラインが策定されていたわけである。

「たくさん人の集まっている所に立ち入るな」と予防心得が出されても、当時、神社に厄除けのために神頼みに行く人がたくさんいたそうである。

 熊本にとっては4年前の熊本地震に続いての災害である。今回、全国から注目されているのが、肥後の国の妖怪「アマビエ」である。「アマエビ」ではない。

 今回の疫病退散では神頼みではなく、熊本の妖怪「アマビエ」頼みのようで、厚生労働省の「STOP! 感染拡大 --COVID-19--」のアイコンに採用された(図2左)。「アマビエ」は1846年5月上旬に肥後国の不知火海に現れ、役人に対して「私は海中に住むアマビエと申すものなり。当年より6ヵ年の間は諸国で豊作が続くが疫病も流行する。私の姿を描き写した絵を人々に早々に見せよ」と予言めいたことを告げ、海の中に帰って行ったそうである。京都大学附属図書館が1846年の瓦版を公開(図2右)しており、無料で使えるようである。

図2. 疫病退散の妖怪アマビエ〔左は厚生労働省のアイコン、右は1846年の瓦版に描かれた姿(肥後国の不知火海(京都大学図書館))〕

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 熊本の菓子店・お菓子の香梅が上生菓子「アマビエ」を数量限定で発売している。美味しい!すぐ売り切れるので予約しておいた方がよいようである。

最後に

 脳卒中診療に携わる者として、COVID-19時代の脳卒中診療体制の再構築を早急に行い、救急車やかかりつけ医からの依頼を断らないようにしなければならない。またCOVID-19症例の脳卒中が従来の脳卒中と同じなのか異なるのか、わが国でも症例を集積して検討する必要がある。

 なお、脳血管疾患の既往があるとCOVID-19患者の重症度は2.5倍に増加するとの報告がなされている(Int J Stroke 2020年4月20日オンライン版)。世界脳卒中機構(WSO)は、COVID-19が脳卒中医療提供体制に大きな影響を与えており、脳卒中患者の入院例が急激に減少している国があり、世界的な影響をモニタリングしていくと述べている(Int J Stroke 2020年4月29日オンライン版)。

 われわれは、カナダのグループが提案したPCSを中心とした欧米のプロトコルを参照してJSS-PCSは策定した。他にもCOVID-19時代の脳卒中診療体制に関するガイドラインやプロトコルをまとめたので、参考にしていただきたい(表3)。

表3. 脳卒中診療体制に関するガイドライン、ガイダンス、ステートメント、Reccomendation、プロトコル、PCS

① Khosravani H, et al. Protected code stroke: hyperacute stroke management during the Coronavirus Disease 2019(COVID-19) pandemic. (Stroke 2020年4月1日オンライン版)

② Baracchini C,et al. Acute stroke management pathway during Coronavirus-19 pandemic. (Neurol Sci 2020; 41: 1003-1005)

③ Smith MS, et al. Endovascular therapy for patients with acute ischemic stroke during the COVID-19 pandemic: A proposed algorithm. (Stroke 2020年4月30日オンライン版)

④ Nguyen TN, et al. Mechanical thrombectomy in the era of the COVID-19 pandemic: emergency preparedness for neuroscience teams: a guidance statement from the Society of Vascular and Interventional Neurology. (Stroke 2020; 12: 539-541)

⑤ Fraser JF, et al. Society of NeuroInterventional Surgery recommendations for the care of emergent neurointerventional patients in the setting of COVID-19. (J Neurointerv Surg 2020; 12: 539-541)

⑥ Aggour M, et al. European Society of Minimally Invasive Neurological Therapy (ESMINT) recommendations for optimal interventional neurovascular management in the COVID-19 era. (J Neurointerv Surg 20202020; 12: 542-544)

⑦ Sharma D, et al. Anesthetic Management of Endovascular Treatment of Acute Ischemic Stroke During COVID-19 Pandemic: Consensus Statement from Society for Neuroscience in Anesthesiology & Critical Care (SNACC)_Endorsed by Society of Vascular & Interventional Neurology (SVIN), Society of NeuroInterventional Surgery (SNIS), Neurocritical Care Society (NCS), and European Society of Minimally Invasive Neurological Therapy (ESMINT). (J Neurosurg Anesthesiol 2020年4月8日オンライン版)

⑧ European Society of Cardiology. ESC guidance for the diagnosis and management of CV disease during the COVID-19 pandemic.

⑨ Qureshi AI, et al. management of acute ischemic stroke in patients with COVID-19 infection: report of an international panel. (Int J Stroke 2020年5月3日オンライン版)

謝辞:文献検索などで大変お世話になった当院脳神経内科部長の和田邦泰先生に深謝する。

橋本 洋一郎(はしもと よういちろう)

熊本市民病院神経内科。1981年鹿児島大学医学部卒・熊本大学第一内科入局、1984年国立循環器病センター、1987年熊大第一内科、1993年熊本市民病院神経内科。専門は脳梗塞、頭痛、禁煙支援、リハビリテーション、医療連携。急性期病院の医師として脳卒中診療ネットワーク構築の中でいろいろな活動を行っている。日本脳卒中学会・日本頭痛学会・日本禁煙学会の理事。


https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000021682.html  【バイエル薬品 血栓症啓発イベント「世界血栓症デー2016 がまだせ熊本! 〜血栓症にならないために〜」で熊本から血栓症予防情報を発信】  より

「サラサラCafe」で正しい血栓症の知識と予防法を楽しく学ぶ!

バイエル薬品株式会社2016年10月11日 14時00分

大阪、2016年10月11日 ― バイエル薬品株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:カーステン・ブルン、以下バイエル薬品)は、いわゆるエコノミークラス症候群(静脈血栓塞栓症)や脳梗塞、心筋梗塞など「血栓症」の理解・認知と予防方法を広める目的で、2016年10月9日(日)に熊本市内にあるカフェ「地下モリコーネ」にて血栓症啓発イベント「世界血栓症デー2016 がまだせ熊本! 〜血栓症にならないために〜」を開催しました。「世界血栓症デー(10月13日)」に先駆けて行われた本イベントにはたくさんの方々が訪れ、血栓症スタンプラリー、レクチャー聴講、血栓症簡易チェックや弾性ストッキング着用体験などを通じて、血栓症予防の重要性について学ぶ1日となりました。

※「がまだせ」は熊本の方言で「がんばれ」

今年4月の熊本地震では避難所生活や車中泊により、多くの方々に血栓症の一つであるエコノミークラス症候群がみられました。国際血栓止血学会が2014年に制定した「世界血栓症デー」のグローバルパートナーであるバイエル薬品は、熊本地震によるこうした健康被害をこれ以上拡大させないために、血栓症の専門医である橋本洋一郎先生(熊本市民病院 首席診療部長・神経内科部長)監修のもと、今年で3回目となる日本での血栓症啓発イベントを熊本で開催することにしました。本イベントは、熊本地震血栓塞栓症予防プロジェクト(代表:掃本誠治・熊本大学大学院生命科学研究部循環器内科学准教授)、公益社団法人日本脳卒中協会熊本県支部(支部長:橋本洋一郎・熊本市民病院首席診療部長・神経内科部長)との共催で実施しました。

啓発スペースとなる1日限定オープンの「サラサラCafe」では、血栓症スタンプラリーの参加者に「サラサラジュース」と称したオリジナルドリンクを提供しました。レクチャー、血栓症についてわかりやすく解説した小冊子の配布、血栓症簡易チェックや血栓症予防に効果的な弾性ストッキング着用体験なども行い、カリーノ下通(蔦屋ビル)を訪れた約22,000人(※)の方々に血栓症への理解と適切な対策を呼び掛けました。

※カリーノ下通(蔦屋ビル)平均来館者数を基に算出

本イベントを監修した橋本先生は次のように述べています。「血栓症は、その原因について理解し、生活の中で意識することで予防・治療が可能です。災害時におけるこれまでの経験を活かしながら、今回の熊本での啓発イベントを通して、全国の方々に病気に関する正しい知識を持っていただければと思っています」

【開催概要】

共催 :    熊本地震血栓塞栓症予防プロジェクト、公益社団法人日本脳卒中協会熊本県支部

名称 :    世界血栓症デー2016 がまだせ熊本! 〜血栓症にならないために〜

開催日時 :  2016年10月9日(日) 12:00~18:00

場所 :   「地下モリコーネ」 熊本市中央区安政町1-2 カリーノ下通(蔦屋ビル) 地下1階

監修 :    熊本市民病院 首席診療部長・神経内科部長 橋本洋一郎 先生

プログラム:血栓症予防に関するレクチャー/血栓症簡易チェック/血栓症スタンプラリーとサラサラCafe内で

      のオリジナルドリンクの提供/小冊子「血栓症ってなに?」の配布/熊本市電(路面電車)への

      ラッピング

■血栓症スタンプラリーで「サラサラジュース」を提供

サラサラCafeでは、お酢とフレッシュフルーツをおいしくミックスしたオリジナルの「サラサラジュース」2種を、会場内3カ所を巡り血栓症に関する知識を学ぶ「血栓症スタンプラリー」に参加した約600人に無料で提供しました。サラサラCafeのオープン前から長蛇の行列ができるほどの人気で、当初の予定を上回る多くの方々にサラサラジュースを味わっていただきました。また、ドリンクには血栓症予防に関する熊本弁のメッセージ入りオリジナルコースターを添え、楽しみながら血栓症について学んでいただきました。

■血栓症の簡易チェック

サラサラCafe内に専用のコーナーを設け、専門医や臨床検査技師が超音波検査装置を用いて血栓症の簡易チェックを行いました。専門医らからの説明や、普段見ることのない血液の流れを目にし、参加者は、初めて見る脚の超音波画像を興味深く見入り、説明を真剣に聞いていました。また、簡易チェックの参加者には、血栓症の予防に効果的な弾性ストッキングを提供し、正しい着用方法も学んでいただきました。

■イベント会場外でも血栓症を楽しく学べる工夫が!

本イベントのために、血管に見立てた赤いラッピングの熊本市電(路面電車)が10月6日(木)~16日(日)の間、熊本市内のメインストリート2路線を走り、多くの方々の注目を集めています。車内には、血栓症予防情報が書かれたポスターを掲載し、イベント会場外でも多くの方々に血栓症に関する情報を発信しています。

■橋本洋一郎先生による血栓症予防に関するレクチャー

熊本地震発災直後から、避難所を中心に最前線で被害に遭われた方々へ継続的な医療支援を行われ、本イベントの監修を務めた橋本先生が、血栓症の起こりやすい環境や予防法など、以下の内容でレクチャーを行いました。

血栓症は、何らかの原因で血管の中に血のかたまり(血栓)ができ、それによって血管が詰まって血流が障害される病気です。脚の静脈にできた血栓がはがれて肺の動脈が詰まることにより発症する「エコノミークラス症候群(静脈血栓塞栓症)」をはじめ、血栓が脳の動脈に詰まることにより発症する「脳梗塞」や、心臓の動脈に詰まり発症する「心筋梗塞」などがあります。

• 血栓症が発症しやすい環境

乗り物による移動や寝たきりなどで、長時間、脚を動かさず同じ姿勢を続けると、脚の血流が滞り血栓ができやすくなるため、エコノミークラス症候群が発症しやすくなる環境と言えます。今年4月に発生した熊本地震では、避難所生活や車中泊で思うように身動きが取れず、同じ体勢で過ごさざるを得なかったため、多くの方がエコノミークラス症候群を発症することになりました。

• 血栓症にならないためには?

血栓症は、誰にでも突然起こり得る病気である一方で、生活習慣の改善で予防することができます。「禁煙・減塩・適度な水分補給・適度な運動」を普段の生活から心がけることで、血管内に血栓ができるのを防げます。特に震災後の避難所生活や車中泊生活により多くの方に発症したエコノミークラス症候群は、「歩く」などの運動、十分な水分補給、脚の位置を高くして寝るなど、ちょっとした工夫が予防につながります。

橋本先生は最後に、「地震と同様に、血栓症も突然誰にでも起こり得ます。きちんと知識を得ることで、血栓症予防に努めましょう」という言葉で、レクチャーを締めくくりました。

<橋本洋一郎先生 プロフィール>

熊本市民病院 首席診療部長・神経内科部長

熊本地震血栓塞栓症予防プロジェクト 副代表

公益社団法人日本脳卒中協会熊本県支部 支部長

熊本地震血栓塞栓症予防プロジェクト(KEEP PROJECT)では、震災後、診断車で避難所を回り、超音波検査などを実施されました。

世界血栓症デーについて

一般社団法人日本血栓止血学会は、国際血栓止血学会が血栓症に関する正しい知識を広め、血栓症に起因する障害や死亡を減らすことを目的に制定した「世界血栓症デー」を日本記念日協会に登録し、日本における血栓症の啓発活動に取り組んでいます。国際血栓止血学会は、血栓症の認識を高め、診断、治療を促進し、最終的に血栓症による障害、死亡を低下させることを目的として、10月13日を世界血栓症デー(World Thrombosis Day)と定め、2014年よりこの活動を世界的に行っています。バイエルグループは世界血栓症デーのグローバルパートナーとして、世界各地でさまざまなイベントを通じて啓発活動を行っています。

血栓症について

血栓症とは、何らかの原因で血管の中に血のかたまり(血栓)ができ、それによって血管が詰まってしまう病気です。正常に血が届かなくなった部位あるいは臓器は、正常な機能を失ったり細胞や組織が死んでしまったり(壊死)し、その部位によってさまざまな特徴的な症状が引き起こされます。代表的な血栓症として、いわゆるエコノミークラス症候群と呼ばれる「静脈血栓塞栓症」や、「脳梗塞」、「心筋梗塞」があります。

静脈血栓塞栓症は、脚の静脈に血栓ができる深部静脈血栓症と、その血栓がはがれて肺動脈を詰まらせる肺塞栓症の二つの病気の総称です。また、脳梗塞は、脳に栄養を送る血管が詰まって脳の一部が壊れてしまう病気です。心筋梗塞は、心臓に栄養を送る血管(冠動脈)が血栓によって詰まり、心臓の筋肉が壊れてしまう病気です。

バイエルの取り組みについて

熊本地震の後、バイエルグループは同地震の緊急資金援助として1,000万円を日本赤十字社に寄付しました。詳細は(http://www.bayer.jp/newsfile/news/news-401_j.html)をご覧ください。

バイエルについて

Bayer: Science For A Better Life

バイエルは、ヘルスケアと農業関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。「Science For A Better Life」 というミッションのもと、バイエルはその製品とサービスを通じて、人々のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)の向上に貢献すると同時に、技術革新、成長、およびより高い収益力を通して企業価値を創造することも目指しています。また、バイエルは、持続可能な発展に対して、そして良き企業市民として社会と倫理の双方で責任を果たすために、これからも努力を続けます。グループ全体の 売上高は463億ユーロ、従業員数は116,800名(2015年)。設備投資額は26億ユーロ、研究開発費は43億ユーロです。この数字は、コベストロ社として株式市場に2015年10月6日に上場した高機能ポリマー材料の事業を含んでいます。詳細は(http://www.bayer.com.)をご参照ください。

バイエル薬品株式会社について

バイエル薬品株式会社は本社を大阪に置き、医療用医薬品、コンシューマーヘルス、動物用薬品の各事業からなるヘルスケア企業です。医療用医薬品部門では、循環器領域、腫瘍・血液領域、ウィメンズヘルスケア領域、眼科領域、画像診断領域に注力しています。コンシューマーヘルス部門では解熱鎮痛薬「バイエルアスピリン」をはじめ、アレルギー性疾患治療剤や皮膚科領域に注力しています。動物用薬品事業部は、動物用医薬品の提供を中心にコンパニオンアニマルおよび畜産動物のヘルスケアに貢献しています。同社は、「Science For A Better Life」 というミッションのもと、技術革新と革新的な製品によって、日本の患者さんの「満たされない願い」に応える先進医薬品企業を目指しています。詳細は(http://www.bayer.co.jp/byl)をご参照ください。

バイエル薬品株式会社

2016年10月11日、大阪

将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)

このニュースリリースには、バイエルの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれています。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがあります。これらの要因には、当社のWebサイト上(http://www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれます。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負いません。