そして彼女は怒り、学び、戦い、勝利する
きのうはまた怒ってしまった。あんま怒っちゃいかんと思います。 今日は山崎豊子さんが新聞に出ておりました。昨年から難病を抱えてらっしゃるようで大変そうです。個人的にはあと三作ぐらいは頑張っていただきたいのですが、取材を徹底的にして書く方らしいので難しいかもですね……。人生としてはもう仕事ノルマをとっくに達成してしまっているのかもしれない。 山崎さんは、社会の理不尽に対して大変怒ってらっしゃるイメージがあります。いや間違いなく怒っている。 記事によると山崎さんは、女清張と呼ばれることを不本意に思われていらっしゃるようでした。清張さんは社会に対するという観点が弱いというようなことが書いてありました(ちょっとうろおぼえ)。確かにおっしゃるとおりです。 松本清張さんも怒ってらっしゃるイメージがありましたが、いや間違いなく怒っていたと思いますが、ともあれ書くイメージとしては大きい社会というよりも金にまみれた人たちのグループ的なところが大きいと思います。政治家とかも書いてはいらっしゃるのですが。 松本清張さんの作品は、主人公が社会でうまくいかなかったり潰されたりして、かつ容赦なくそれで終わったりするところがリアルで素晴しいことがありますが、山崎さんはどれもラストがものの見事に鮮やかにまとまっていたりして、全体的にもかなり完成度が高いのが大変素晴しいです。本当にあんな大作、あの完成度でよく書ききるなあと思います。 山崎さんは学生時代、戦争のせいで勉強できなかったから勉強がしたいのだと新聞に載っていました。 多分理不尽な力によって勉強ができないことに怒っていたのだと思います。戦争って理不尽だと思います。ものすごい数の人たちが、理不尽な辛い思いをしなければならないんです。 でも山崎さんは怒るだけじゃなくて戦っているのが凄いと思います。普通一人で国家と戦ったら討ち死にですが、その強いペンだけで国家の理不尽への怒りを理詰めで文学芸術まで押し上げて、こうして書き続けようとしています。 あー、やっぱたまには怒ってもいいかな。 でも理不尽に怒ったりする人もいるので、怒るのも難しいですが。 冷静に理詰めでものすごく勉強して文学作品にして怒るって、やっぱりものすごくエネルギーを使うと思います。もしくは怒りがそれだけのエネルギーを生んでいるのか。 でも怒りの感情ってかなりの修練が必要だと思うのですが。たいがい怒っている時って頭がパーになっていると思うし。 まあ、がんばります(またムリヤリ終わる)。