「宇田川源流」 「21世紀の盧溝橋事件になるのではないか」といわれるアメリカと中国の同時空母艦隊演習への不安
「宇田川源流」 「21世紀の盧溝橋事件になるのではないか」といわれるアメリカと中国の同時空母艦隊演習への不安
私自身、様々なところで、米中の戦争が発生する危険性とその確率の高さを訴えてきた。コロナウイルスの災禍は、実際に中国の隠蔽体質と共産主義の身勝手によって世界的に蔓延し、そのことの責任を全く感じない共産党政府に世界が怒りを感じている。一方で、中国共産党は、世界がコロナウイルス禍で苦しんでおり、国内政治を中心にしているところで、自分たちの覇権主義を丸出しに外に打って出ている。現在も四川省では新型豚インフルエンザが発症し、また、内モンゴルでは腺ペストが発症して人に感染しているにもかかわらず、それらに関しては放置しているばかりかWHOにまで全く何もしていない状態である。
「武漢ウイルス」といわれた今回のコロナウイルスに関して、その発生源の調査を行うタイミングで中国南部は大洪水となり、三渓ダムの崩壊まで取りざたされるようになってきている。まさにそのような「内政を全く省みない」状態で、75日間連続で尖閣諸島沖に出てくる、南シナ海での軍事演習を行う、インドで国境紛争を起こすというような状況であり、なおかつANTIFAに師事して黒人差別デモをいつの間にか「貧困層デモ」そして「反トランプ政治活動」に変えているのである。
このようなことが許されてしまっては、結局、世界の秩序というものが崩れてしまう。もちろん、中国は、国連などの民主的な手続きを使って行っているのではない。そのように多くの国々の同意と調整によって変わってゆくものに関して誰も文句を言うはずはないのだが、しかし、「債務の罠」と「軍事的圧力」で世界秩序を変える行為は誰もが許さない状況になるのではないか。
そこに、アメリカなどが徐々に包囲網を縮めている感じがあるのだ。そして、この夏にアメリカの空母と中国の空母が同じ南シナ海において、軍事演習を行うことになるのである。
米海軍、南シナ海に空母2隻派遣 軍事演習に参加
(CNN) 米海軍は4日までに、空母2隻と複数の随伴艦を近く南シナ海に派遣し、軍事演習に参加させる方針を明らかにした。
第7艦隊の報道官によると、派遣されるのは空母「ニミッツ」と「ロナルド・レーガン」を中心とする2つの空母打撃群。「フィリピン海と南シナ海に2つの空母打撃群を展開することで、部隊にとっては高度な訓練の機会となり、戦闘司令官としても、地域情勢に応じて部隊に出動要請が出た場合に備え、大きな作戦上の柔軟性を確保できる」としている。
報道官は空母2隻の派遣について、「いかなる政治情勢や世界情勢に対応した動きでもない」と説明。インド太平洋地域の安全と安定、繁栄を促進する米海軍の施策の一環だと述べた。
演習自体は以前から計画されていたものだが、中国は現在、領有権争いが続くパラセル諸島に近い海域で演習を実施中で、米国などから批判が出ている。
ポンペオ米国務長官は3日、ツイッターで「米国と東南アジアの友好国の認識は一致している。中華人民共和国による南シナ海の係争海域での演習は非常に挑発的だ」と述べ、中国の領有権主張に反対する姿勢を示した。
国防総省の2日の声明では、中国の軍事演習について「南シナ海で違法な海洋権益を主張し、東南アジアの近隣諸国を不利な状況に追い込もうとする長年の行動の一環」と批判している。
パラセル諸島をめぐっては、中国とベトナム、台湾が領有権を主張。米国もかねて、中国が兵器配備や施設建造を通じて南シナ海の軍事拠点化を進めていると指摘してきた。
米海軍はこの海域で定期的に活動しているものの、原子力空母2隻を同時展開することは、示威行動として大きな意味を持つ。香港問題などをめぐり米中関係の緊張が高まる中での動きでもある。
2020.07.04 Sat posted at 11:30 JST
https://www.cnn.co.jp/usa/35156281.html
盧溝橋事件というのを知らない人もいるので、その話を先にしておこう。盧溝橋事件は、1937年(昭和12年)7月7日に北京(北平)西南方向の盧溝橋で起きた日本軍と中国国民革命軍第二十九軍との衝突事件である。中国では一般的に七七事変と呼ばれる。まれに、後述する英語名を直訳してマルコ・ポーロ橋事件と表記される場合もある。
1937年7月6・7日、豊台に駐屯していた日本軍支那駐屯軍第3大隊(第7、8、9中隊、第3機関銃中隊)および歩兵砲隊は、北平の西南端から10余キロにある盧溝橋東北方の荒蕪地で演習を実施した。この演習については日本軍は7月4日夜、中国側に通知済みであった。これに対し中国側は許可を出してはいないが、北京議定書では議定書に基づく駐留軍には演習権が認められており、中国側の許可は不要であったが、第3大隊は北京議定書に示されていない豊台に駐留していた。夜間演習中の華北駐屯日本軍一木大隊の中隊に対して十数発の射撃がなされたことを契機に,日本軍と冀察政権 (政務委員会) 第 29軍との衝突に発展、日中戦争の発端となった。
さて、令和の盧溝橋事件になるのではないかといわれるのはまさにこのようなことである。単純に、今回は盧溝橋とは異なり、南シナ海は「公海上」であり、そこで中国もアメリカも軍事演習の通告を行っている。しかし、中国は南シナ海を自らの領海であることを宣言し、アメリカやフランス、イギリスは航行の自由作戦を行っている状況である。その海域で両国がほぼ同時に軍事演習をするということは、当然に「夜間演習で銃弾が飛ぶ」ことが予想されるのである。
もちろん、当時と現在は情報やレーダーなどの内容も異なるが、しかし、そのような時代であるだけに、逆にデータなどを改竄することも可能なのではないか。まさに、そのようなことが最も大きな内容であり、また、そのことに関して、様々な国が様々な内容を行うことになるのではないかと危惧されている。
日本はまず南シナ海で戦争が起きた場合、その物流の多くが止まる。日本企業の株価は下がり、物資の物価はかなり上がることになる。同時に、日本は日米同盟があることから、当然にアメリカ側につくことになり、中国にいる日本人はほとんどが「捕虜」や「抑留者」として拘束されることになる。また、場合によっては、尖閣諸島や南西諸島などが戦場になる可能性も存在するのである。これは日本が戦争を仕掛けるとかそういうことではなく、日本が中国の暴発に対して、防御力を持っていないということを意味しているのである。はっきり言って日本は戦争をしている横で丸腰で棒立ちになっているようなものである。本当にそれが日本国民の選択なのであろうか。
ちなみに盧溝橋事件は、当初不拡大方針を声明していたにもかかわらず,第1次近衛内閣は11日内地3個師団の動員を決定,軍部内でも,拡大派と不拡大派が激しく対立するなど矛盾をはらみつつ戦線は次第に拡大し,同28日の北京,天津総攻撃の開始をもって全面的な戦争に突入した。中国側ではこれを契機に第2次国共合作がなり,抗日の機運が高まった。まあ、戦争拡大をしたのが、近衛文麿であることは「文人支配」が戦争にならないという、日本の左翼主義者の主張を完全に否定する歴史なのである。
もちろん今回そのような事件が起きないかもしれない。しかし、そのような危機感を持たなければならない世界情勢の中に日本がいることをしっかりと考えるべきではないのか。