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経済学と心理学のアプローチの狭間1

2016.05.31 14:49

 大野(2014)は、離職の理由を探るのに、経済学と心理学の両方で説明を試みようとしました。

 「離職の背景について、経済学が金銭的報酬に焦点を当てるのに対して、他の社会科学(以下、組織心理学)は心理的要因を検討するという対照がみられる。」とし、経済学と組織心理学には越え難い間隙があると述べております。

 

また、離職に関する先行研究についてもまとめております。

 G.Becker(1964)の人的資本論

 H.S.Becker(1960)のサイド・ベット理論

 サーチ/マッチング理論

 Freeman(1978)職務満足が離職を抑制する

 組織コミットメント

 道具的コミットメント

 情緒的コミットメント


 そして、経済学と心理学の違いを下記のように述べている。

 「個人の行動を説明するということは、経済学にとってやや苦手な領域。」

 「組織心理学は、個人は複雑な欲求や価値観をもつ主体とされ、さらには組織目標に合致するように個人の効用が変更可能であると想定する。」

 「経済学は、雇用関係を経済的交換(市場交換)とみなす」

 「組織心理学は、雇用関係を社会的交換(贈与交換)として捉える契機がある」


 これらのことから、経済学と心理学との埋めがたい間隙のひとつの側面があると述べている。


 長くなりましたので、今日はここまでとします。


引用文献

大野昭彦(2014)「なにが離職を説明するのか:経済学と心理学のアプローチの狭間」