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「宇田川源流」 中国南部豪雨における「三渓ダム緊急放流」でささやかれる「三渓ダム決壊」とその時の影響

2020.07.15 22:00

「宇田川源流」 中国南部豪雨における「三渓ダム緊急放流」でささやかれる「三渓ダム決壊」とその時の影響

 国家の信用というものは何であろうか。実際に、国家の信用というものは、その中に国民性や国家における事業の信用性というものがある。単純に言えば、それらの事業は信報があるもので国民を傷つけるものではないということが、国民の大多数、少なくとも多数決で言えば多数派の人が思っているということになる。

当然に国家の事業が手抜きであるというような感覚は、日本には存在しない。逆に、国の事業は過剰に頑丈で金銭がかかっているのではないかというような疑惑が常に付きまとうほどである。

今回、熊本や九州北部、岐阜や長野において線状降水帯による集中豪雨があり、多数の被害が出ている。この時に、熊本の球磨川に関して「民主党政権の時に川辺川ダムを中止したことが被害を大きくした原因である」というようなことが、SNS上でかなり流れていた。民主党政権当時「事業仕分け」の名のもとに、スーパー堤防や八ッ場ダム、川辺川ダムなどが建設の中止に追い込まれ、八ッ場ダムに関しては、安倍首相になったのちに工事が再開したものの川辺川ダムに関しては鮎の生息権を脅かすなどということを理由に地元で反対運動をしている人が少なくなく、結局今日まで実現されない状況になっていたのである。

昨年の台風の被害であっても、同様に多摩川流域のタワーマンションが、多摩川の堤防の補強工事反対運動によって大きな被害があり、タワーマンション不況の大きな原因の一つになっている。実際にここではダムの建設や堤防の建設の是非を言うつもりはないので、その議論は別なところに任せるとして、このような「声」が出るということは、少なくともダムや堤防ができれば、「水害を少なくすることのできる期待感」があるということにほかならず、そのことで被害が大きくなるというような発想は全くないのである。

これが日本の公共工事なのであるが、では中国ではどうであろうか。

中国・長江流域、豪雨で氾濫警報 三峡ダムは警戒水位3.5m超える

 中国の長江(揚子江)流域で豪雨による土砂崩れが発生、過去2日間に流域の4都市が最高度の氾濫警報を出した。

 最も危険な状況であることを示す「赤色警報」を出したのは湖北省と江西省の各2都市。

 土砂崩れなどでこれまでに約140人が死亡または行方不明となっており、中国中央テレビは10日、一連の被害による経済損失は600億元(86億ドル)を超えると伝えた。

 今回の豪雨について、中国当局は、南シナ海とインド洋から湿った空気が流れ込んでいることが原因と説明している。

 気象当局によると、6月の降雨量は平年より13.5%多かった。

 流域にある巨大ダムの三峡ダムでは貯水量が増え、放水しても追いつかない状況。水利省によると、警戒水位を3.5メートル上回っているという。

2020年7月10日(金)17時57分 ロイター

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/07/35m.php


三峡ダム大雨で決壊を不安視

 大雨が降り続く中国で世界最大級のダムの放流が実施されました。

 中国で最も長い川「長江」の中流にある三峡ダムは先月から降り続く大雨の影響で水の量が急増し、今年初めてダムの水を一部放流しました。中国メディアは今月上旬から下旬にかけて長江の上流部でさらに大雨が降る恐れがあると報じ、SNS上ではダムの決壊を不安視する声も上がっています。大雨により、これまでに26の省などで1300万人以上が被災し、倒壊した住宅は1万棟以上に上っています。

2020年07月01日 19時10分 ABEMA

https://news.nifty.com/article/world/worldall/12295-713975/


 中国南部集中豪雨は、様々な被害が出ていると思われる。この豪雨に関しては「偏西風」という感覚で見てみれば、インド北部における雷の問題があり、その後、チベットやエベレスト周辺の水分を吸った雲が、中国の南部に大雨を降らせていると考えるのが普通であり、また、もともと長江などの川があることから、砂漠に雨が降るのとは全く異なる状況であるから、おかしな話ではない。まあ、異常な量が降っている問うように考えればその通りなのであるが、雨そのものが降ることは不思議はない。もちろん降水量は異常である。

さて、その時に本来であれば日本のように「ダムがあるから安心」というようになるのではないか。しかし、中国の場合は全く異なり、「三渓ダムそのものの結果位の恐れがある」として、三渓ダム下流域の人々の非難が始まるということが起きているのである。実際に、世界最大ともいわれる三渓ダムにおいては、その貯水量における水圧に耐えられないのではないかなど、建設当初から様々なことが言われており、またダムそのものの欠陥工事などの噂もまた、工事業者による手抜き工事などの噂も出ているのである。また、1997年には、テロ組織による爆破計画があり、三渓ダム決壊において様々な問題が発生することが言われているのである。

また、決壊だけではない。今回の内容のように、貯水量が規定水域を超えた場合は、下流域の問題などは全く関係なく緊急漂流をしてしまう。そのことによって下流域はまた水害が出てきており、「ダムを守るために下流域住民の生活を犠牲にしている」というような声も上がっている。実際には、中国の場合、香港で話題になっている国家安全治安維持法によって、中国共産党の批判をすることはできないので、それらの声はかなり抑制されているものの、様々な怨嗟の声が伝わってくることも確かである。

この現象は「中国共産党は三渓ダムを守るために、中国人民の生活を犠牲にしている」ということ、つまりは「中国共産党政府は国民を守るという観点において国民的な信用がない」ということを意味しているのである。

さて、そのような場合は、今後どのようなことが予想されるであろうか。

単純にまずはダムを決壊させないために、規定量以上の放水を行い下流域の生活は完全におかしくなるということが言える。それでも決壊した場合は、またお得意の「外部の誰かが爆破した」というようなうわさを立て、それを公式見解とするのであろう。まあ、コロナウイルスと同じ展開で、共産党は悪くないという論理が行われることになる。

そのうえで、下流域は全く使い物にならず、長江下流域における工場などはすべて閉鎖に追い込まれ海外資本はほとんど撤退するということになろう。中国共産党は、当然に「外部犯行説」を展開するので、それらの保証などをすることはまずないので、進出企業はすべて単純に損失を被ることになるのは間違いがない。

そして、それらの海外進出企業の撤退や工場の損失などから、当然に、世界経済の悪化が推定できることになる。もちろん、ヨーロッパやアメリカはすでに昨年からの米中貿易戦争によって撤退をしていたであろうが、日本企業は中国にこだわっている時流の読めない企業が少なくないので、これらの被害をもろに受けることになり、世界同時株安の引き金を日本が引いてしまうことになりかねない。その時に日本企業はどのように責任を負うのであろうか。日本企業も中国共産党が悪いといい、カントリーリスクと言い逃れるつもりであろうか。

そのうえで、中国は様々なことを言って企業誘致をするが人的被害が出るようになれば当然に、次に中国に行く人がいないので、中国に進出する企業がなくなる、つまり、中国の経済が悪化することになる。それはまさに、長江流域でもない進出企業が、共産党のメンツのために搾取されるということを意味するのではないか。

そのようなことまで予想しなければならない。そのような国なのである。