ライターとして成長するための仮説思考
「わからない、知らない。そんなの、書いたこともない」
そんなオーダーが来たならば、あなたの名前が売れてきた証拠かもしれません。
実際は、発注者側の方が、自分を含むあまたのライターに声をかけていることもあるでしょう。それでも、自分に舞い込むオーダーを検討せずに断る理由は、おそらく「ない」の一言です。
経験を重ねる中で、知見の浅い分野に関して執筆依頼をいただくことは、往々にしてあると思います。暗中模索で仕事を進めなければいけないことだって、今を生き抜くビジネスパーソンにはあるはずです。
「わからない、知らない。こんなの、書いたこともない」
これを成長のチャンスと捉えるか――。
やったことがないから無理と諦めるか――。
大丈夫。心の中にある “糸口” が見つかれば、受けてしまおう。
私の場合、自分で調べたり勉強したりできそうかによって判断しています。
また、自分の興味がある分野であるかといった、モチベーションも大事ですし、その “糸口” は、「書けそうな気がする」といった直感であることも多くあります。
もちろん、ご迷惑をおかけしてしまうレベルであれば、丁重にお断りをさせていただくか、知り合いのライターを紹介するのが、オーダーをくださった相手への礼儀となることは言うまでもありませんが......。
どうすれば未知の仕事を受けられるのか?
ここで大切なポイントを3つ紹介できたらと思います。
📌 自分で“正解”を決めない
📌 ネットと本を駆使する
📌 近しい答えをたぐり寄せる
1つ目は、自分で“正解”を決めないということ。
ライターにできるのは、仮説を立てて実行することのみだと思っています。
読者の方が知りたいであろう情報を考え、原稿上に用意することは可能。
ただし、それが本当に求められている情報かどうかを判断するのは、クライアントであり読者の方なのです。
いい記事かどうかを決めるのは、自分ではありません。それは、PV数が教えてくれることです。
ライターにできるのは、できるだけ良質な情報を調べて集めること。
だから、原稿の“正解”を自分で決めることは、止めよう。
2つ目は、ネットと本を駆使すること。
極端な言い方だと思いますが、今の時代、本やネットを駆使してわからない事柄なんてあるのでしょうか。世の中に存在しないものでもない限り、調べられない事柄はないような気がしています。
本は、過去に自分が読んだものをあてにすることもあれば、関連書籍をネットで注文することも。最新の情報や多くの人が注目しているテーマに触れたければ、大きな書店まででかけてみましょう。
もしも、自分の知見が浅いために本探しに時間がかかってしまいそうなときは、早々にクライアントにオススメ書籍を聞いてみるといいでしょう。
ネットでは、いくつかのキーワードを組み合わせて調べています。
すると、求めていた情報が載っているページに、いつかたどり着きます。
英語で検索ができれば、なおよし。最新で有力な情報は、英語圏から発信されることが多いためです。
3つ目は、近しい答えをたぐり寄せること。
ライターを仕事にする上で、答えを引き寄せるスキルがあるかどうかは、とても重要なことです。
例えば、どんなキーワードを検索窓に打ち込めば、求める情報が得られるかを考える力。
Twitter上で自社の商品・サービスに関するお困りごとを拾い上げ、企業側から能動的な問題解決を図ることを「アクティブ・サポート」と呼ぶのを知っている人は有利ですが、「アクティブ・サポート」という言葉を知らなくても問題はありません。
「Twitter コメント 事例」「Twitter リプライ 面白い 企業」などと検索していけば、検索結果に上がった記事のどこかに「アクティブ・サポート」の言葉を見出すことができるからです。
また、先日はこのような相談をいただきました。
「取材先の企業様について、業種を特定しなければならないが、その企業様のホームページを読んでも業種が書いていなかった。どうすればよいか」。
このとき、「業種」というキーワードから、「四季報」が真っ先にイメージできるかどうかです。試しに、東洋経済新報社が発刊している『会社四季報』の業種一覧を調べてみると、細分類では約480種類にのぼりました。
該当の企業様についても、いくつかの業種分類が当てはめられていました。記事の内容にふさわしい業種を2つに絞り、記事に添えてお返ししたのは記憶に新しいところ。
さあ、情報の海にでかけよう!
ライターとは、果てしなく深くて広い職業だ。そう思います。
一つの記事がバズるきっかけとなることもあるし、これでもかと調べつくして書いた記事が思うように伸びないこともあります。
そんな中、いかに未知の仕事に応えていけるかは重要なテーマだと思うのです。
📌 自分で“正解”を決めない
📌 ネットと本を駆使する
📌 近しい答えをたぐり寄せる
以上に挙げた3つが実践できれば、ライターとしての価値が高まるでしょう。読者が知りたいであろうことに気づき、自分で調べ、得た答えを原稿に組み込むことができるからです。
クライアントに喜んでもらえるだけでなく、自分自身の知識も深まります。ぜひ、これらの仮説思考を試してみてください。きっとあなたのキャリアにも役立つはずです。