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Voigtländer Bessa Tを買った話

2020.07.12 10:39

ベッサ って読みます



さて、このレンズはSummicron 50mmと35mm

ライカMマウント




そしてこれは Carl Zeiss C Biogon 28mm、35mm

ZMマウント

そしてこれはVoigtländer NOKTON 35mm f1.2 ASPH Ⅱ

VMマウント


ここまであげたレンズは全てマウントの名称が異なる

が、ライカMマウント互換レンズである


VoigtländerのMマウントだからVMマウント

ZeissのMマウントだからZMマウント


ちなみに、

KonicaがKMマウント

EPSONはEMマウント

RolleiはRMマウントである

これらも全てライカMマウント互換


このように各社ともMマウント互換のレンズを発売している

であればMマウント互換のカメラもあるだろう


ZeissのIkonシリーズ

KonicaのHexar RF

RolleiのRollei 35RF

EPSONのR-D1

これらはライカMマウント互換のカメラ達だ


そして、

VoigtländerのBessaシリーズ

これもコシナが作ったライカMマウント互換カメラ


今日はVoigtländerのBessaシリーズのBessa Tを買った話

長い長い前書き終わり


Bessaシリーズとは

Bessaは以下のシリーズが存在する

Bessa L

Bessa R

Bessa T


全シリーズ共通のスペックとして

・露出計

・機械式シャッター

が挙げられる


特に機械式シャッターは縦走りのフォーカルプレーンシャッターで1/2000秒が切れる

Bessa Tは2001年発売のカメラでありシャッター機構はフィルムカメラとしては新しい部類


以下は各シリーズの簡単な特徴


・Bessa L   

Lマウント

距離計無し

ファインダー無し


・Bessa R   

Lマウント

距離計有り

ファインダー有り


・Bessa T

Mマウント

距離計有り

ファインダー無し


・Bessa R2

Mマウント

距離計有り

ファインダー有り


と言う特徴がある

Bessa T限定モデルとしてグレー、オリーブ、ネイビーブルー、グロッシーブラックの特別モデルが存在する

外装色の違いの他にダイヤルが真鍮製に変更されており、ヘリアー50/3.5とセット販売で各色500台限定


本記事ではBessaシリーズの中でも比較的情報の少ない「Bessa T 限定色グレー」のレビュー

2001年発売で通常モデルで当時の価格は55000円だった



外装

まず見た目がバルナックライカに近いクラシカルな見た目

サイズは大きいが距離計の窓などの雰囲気は似ている

本体側部にシンクロ接点も備えている、X接点タイプ

外付けファインダー使用が前提なのでホットシューに接点はない

トリガーワインダーも付属しており、ボディと同色の塗装がなされている

→ワインダーにもストラップリングが付いており、縦向でストラップを装着できる

なお、ワインダー装着時でもフィルムの交換が可能

フィルム室には窓が付いており、現在装填中のフィルムを確認できる

もちろん軍艦部にはフィルムカウンターを備える

露出計用の電池は本体下部に入れる


距離計


一般的に距離計の窓同士が離れているほど精度は高くなる、

また、距離計の倍率も高ければ比例して精度が上がる

距離計の窓と窓との距離を基線長と呼び、

そして基線長にレンズの倍率をかけた数字を有効基線長と呼び、これが距離計の精度を表す一つの指針となる

「基線長10cmで倍率0.5倍」の距離計と「基線長5cmで倍率1倍」の距離計の精度は計算上同じ

Leica Ⅲシリーズが基線長38mm、倍率1.5倍なので57mm

Leica M3が68.25mm、倍率0.91倍なので62.10mm

Leica M10が68.25mm、倍率0.73倍なので49.82mm

Bessa Tの基線長35.8mmは倍率1.5倍有効基線長53.7mm


なので理屈ではBessa Tは私のメイン機のM10より距離計の精度は高いが、Leica Ⅲにはやや劣ることになる


超どうでもいい話だが、

戦艦大和の主砲46cm砲は射程が40km以上と弩級、敵機までの射程を測る距離計も弩級で基線長は15500mm、

倍率は30倍で有効基線長は465000mmとなる


話を戻して、

他のメーカーではZeiss Ikonが有効基線長75mmでRF機の中では最も精度が良い

話を戻してBessat Tは割と望遠に強いカメラである

Bessa Tの「T」はテレの略

メーカーのスペックシートには135mm f4のレンズまで距離計の測距に対応する記述がある


露出計

Bessaシリーズに共通する露出計はアンダー、適正、オーバーの3種類表示と簡易的なもの

中央部重点評価測光方式でISO感度は25〜1600まで対応(1/3段刻みで調整可能)

電池はLR44かSR44を2個使用する

↑家に届いてすぐにブツ撮りしたのでホコリだらけだったすまん

見切れてしまっているが裏面右側にはヘリアー50mm f3.5のエレメント図の刻印がある

これは限定モデルに与えられたものだ


マウント

VoigtländerなのでVMマウント

なのでライカMマウントレンズの装着が可能

ネット上の写真はほとんどがLレンズを装着した写真だったし、某カメラ情報サイトにはLマウントと表記がある、もちろん誤りだが致し方ない気もする

カメラだけ見ればLマウントに見えなくもない

↑Summilux50との組み合わせ、意外にも見た目は悪くなく、持った時のバランスも良い


公式の説明では

スーパーアンギュロン21mm

エルマリート28mm初代

ズミルックス35mm

DRズミクロン50mm

が使用できないとあったが、筆者所有のズミクロン35mm 7枚玉も無限遠付近では装着不可能だった

トリガーワインダー

Bessa Tはトリガーワインダーが装着可能

レバーは本体下部に収納が可能

かなりスピーディーな撮影が可能になる

本体下部にはフィルムのリバーススイッチが付いており、ワインダー装着時でもフィルム交換が可能

ワインダーはグリップも兼ねている

また、前述の通り、ストラップを縦に装着できる

トリガーを展開した状態で首から下げると腹部に尖ったトリガーが刺さって非常に痛い

作例

Lomoの800かKodak Gold 200で適当にスナップ

レンズはSummilux 50だが外付けファインダーを持っていないのでフレーミングは適当


自家スキャン&自家現像なので色味等はバラバラ


カメラ内露出計は概ね優秀

シャッター音はNikonのF3に似ている

このクラスのカメラの中ではシャッター音は大きめ

まとめ

距離計、露出計と最低限のカメラの機能を備え、クラシカルな見た目と最新式の中身を備えたカメラ

ワインダーが使えたりと嗜好性の高い実用カメラでLeica M6よりも使いやすく、精度も高い

残念ながら生産はとっくに終了しており、中古は今でこそ出回っているが年々数を減らしており、価格も徐々に上がってきている

買うなら今だなと思い立ち、酔った勢いでポチったが後悔はしてない