山縣正幸ゼミの(まじめな)内容説明
【基本テーマ】
企業行動論・企業発展論
―企業発展と価値創造―
【キーワード】
企業発展,価値創造&価値交換,ビジネス・リーダーシップ
企業は,顧客が欲しいと望むであろう商品(製品やサービス)を創造し,提供することで,その生存が可能となります。 このことを「他者の欲望の充足」と呼びます。これを実現していくプロセスが「価値創造過程」です。価値創造過程においては,さまざまな資源や能力,さらにはとりまく環境の諸条件をいかに活用し,さらに展開していくかが重要になります。
この価値創造過程において活用される資源や能力,諸条件は,もとから企業に備わっているわけではありません。企業というのは,人間によって構築された「人為的存在」だからです。この人為的な存在としての企業が,必要な資源や能力,諸条件を獲得するためには,相手が必要です。この相手こそが「ステイクホルダー」であり,このステイクホルダーとのあいだで「交換」が発生するのです。これを「価値交換関係」と呼びます。
企業においては,「価値創造過程」と「価値交換関係」が相互に絡み合いながら動いています。これを「価値動態」と呼んでおきましょう。しかも,この価値動態は,他の企業などとの「競争」のなかで展開されています。
ここで,「どうやって売れる商品を開発するか」「どうやって商品の魅力を顧客に伝えるのか」「どうやって魅力的な商品を効率的に生産するのか」などなど,マーケティングや生産,人的資源管理,財務,さらにそれらを実行するための枠組としての経営戦略や組織構造など,さまざまな課題が浮かび上がってくるわけです。
さらに,これらの諸活動は,企業だけでおこなわれているのではなく,さまざまなステイクホルダー,たとえば顧客や従業員,取引先,地域社会などとの価値交換を含んでいます。価値創造を成功させようと考えるなら,価値交換関係をうまく構築していく必要があります。
このような点を踏まえて,このゼミナールでは「企業が発展するとはどういうことか」「企業発展を実現するためには,どうすればいいのか」「企業発展のために,顧客満足(CS)や従業員満足(ES)など,ステイクホルダーの満足(SS)を実現するには,どうすればいいか」「そのために,どのような価値を創造・提供すればいいのか」といったテーマについて考えます。