廃用性萎縮
廃用性萎縮という言葉がありますが、これは、骨折等をして長い時間、固定されてしまうと、固定を外しても、すぐには動かせないようになったというようなことを言います。しかし、廃用性萎縮は、関節の動きを、よく観察してみると、一見正常に見える関節にも起こっているのがわかります。そして、その動きにはパターンがあることがわかります。
一つの関節の動きの中で部分的な動きに廃用性萎縮が起こると、それが癖を作り出し、廃用性萎縮を起こしたところを避けて動かそうとします。これが代償運動につながる訳です。
それが長期間続けば、最終的には関節の変形にもつながるでしょう。つまり、物理的変化を起こす原因となりうるということです。もちろん、そうなるには長い時間がかかります。しかし、その不正があっても痛みを起こすとは限りません。
右投げの野球選手が、長年プレーを行っていると、痛みの有無にかかわらず、左手より長くなるという現象が起こるのと同じで、同じ動作をくり返すことで変形や損傷が起こる原因になっていくということです。 片寄った使い方の方がエネルギーロスを起こしやすいのは事実ですが、通常なら休めれば回復します。自己修復があるので、その変形は徐々にしか進行しません。いきなり起こる訳ではありません。大事なことは、それに気づけるかどうかです。
その動きが代償運動だと気づかなければ治すことも不可能です。つまり脳の情報は真っ直ぐに動かしているという誤った情報が来ているので、異常だと気づくことはありません。
まずは、真っ直ぐでない動きをしているということを認識する必要があります。曲がっているなら、どれぐらいの角度で曲がっているのかを認識しなければなりません。
多くの痛みの場所は使っていない所です。使っている場所は痛みを起こしにくいのです。これをしっかり理解する必要があります。また、使い痛みによって起こる痛みは、急性痛で、鎮痛剤や抗炎症剤は効果的です。しかし、慢性痛で鎮痛剤や抗炎症剤は効果的ではありません。
それでは、どのようにすれば代償運動や部分的な廃用性萎縮を見つけることができるでしょうか?