【介護保険サービスと民間事業の違いについてその1】
おはようございます。最近初めて献血を行い、無料で血液検査サービスができなおかつ人の役に立てるということに今更ながら気付いたとくし丸の大庭です(しかもネットで結果を閲覧できます)。
さて今回ですが、長くなりそうなので2回に分けます。
いきなりですが、報酬面での違いについてお話しします。
ということは常にイニシアチブを国に握られている状態です。もちろん経営面においても逆風になってしまうことがほとんどです(良いルール改正は記憶にないなぁ笑)。これまで特にデイサービスやヘルパーサービスへの風当たりが強かったと個人的には思いました。
この点は民間事業と比べると大きなデメリットと言えます。しかも、ルールがきちんと守られているかどうかのチェックが行政から行われ(人員基準の遵守や記録の整備が出来ているかなど細かく)不適切と判断されれば、報酬の返還、悪質とみなされれば最悪事業停止(指定の取り消し)になることもあります。
ただメリットもあり、サービス利用時間に応じた報酬単価や要介護度に応じた単価設定がなされている為、利用者を安定的に獲得出来れば、安定した収入が約束されております。また顧客獲得の為の営業のハードルも低い(自分の感覚)ように思いますので、民間事業よりもビジネスとしてのリスクは低いと思います。利用者負担も少ないので、利用する側もそこまで支払いにシビアにならずに済むので、継続しやすいです。これは介護保険特有ですが、一度利用すればほぼ8割方はリピートし続けます。これについては今後変化していく可能性は高いですが、利用する側の知識不足(わからないから最初に提案されたサービスを利用し続けるなど)と少しでもお世話になったからという縁を大事にする日本人特有の気質も関係していると思われます。
介護保険サービスを利用できるのは介護認定(要支援1、2、要介護1〜5)された方のみとなります。自ら申請からケアマネを選んで、サービス事業所も決めてくる方は稀です。どこかしらの機関(役所、地域包括、病院、ケアマネ事業所、民生委員など)に相談があります。ということは、顧客獲得の為にはエンドユーザーに営業するのではなく、上記の機関に働きかけることが重要となってきます。こういう点も民間事業にはないところだと思います(介護、医療業界では自社、他社問わずの連携を重んじる傾向がある為、円滑に連携が出来ることは利用者獲得において必須能力と言えます)。ちなみにスーパーは逆にエンドユーザーのみに働きかけるのが特徴です。また他社間の連携や情報交換などはほとんど皆無です。
そして報酬面での最大のデメリットとしては、規模により収入の上限が決まっており、介護保険の倫理として「儲けがたくさんあってはならない」という側面があります。民間事業は「利益の追求」が一つテーマにありますが、これを表立ってできないような仕組みになっている点です。とはいえ、介護保険事業を継続していくには利益を上げることも重要なので、経営者の方は頭を悩ますところだと思います。
これは余談ですが、介護の報酬が上がらない要素として、政治力が足りないからとも言われております。いつも制度改定の議論になった際に診療報酬(医療保険)の方が有利になることが多いです。これは医師会の政治力が強いからだと個人的には思っております。診療報酬もマイナス改定に見せかけていることもあります。今後は介護分野の政治力もつけていって欲しいなぁと思います。
今回は報酬面にフォーカスしましたが、次回は現場の仕事の違いややりがいについて書いていきたいと思います(おわり)。