呪術
なんらかの目的のために、超自然的な存在 (神、精霊その他)の助けをかりて、種々の現象を起させようとする行為およびそれに関連する信仰の体系のこと。
呪術はmagicの訳語で、古代ペルシア語の祭司ないし呪術師を意味するmagus(マグス)に由来する。
善意の意図による白呪術と、邪悪な意図による黒呪術とに大別される。
また、呪術と宗教とは別だとする説、別でないとする説、人類には先に呪術があって後に宗教へと展開したとする説、宗教から呪術が生まれたとする説、など多様な説がある。
呪術を成り立たせているものは具体的には呪的行為と呪物(呪具)であり、そしてそれを観念的に支えているのは呪的信仰体系や呪的思考様式である。
加持・祈祷などは代表的な呪術であり、神や精霊に祈りをささげ、その力を持って様々な作用を世に起こそうとするものである。
同時に丑の刻参りをはじめとした、個人が他人の不幸を望んでおこなう「後ろ向きな願掛け」も呪術の一種である。
呪術原理
①類似の法則:類感呪術
似たものは似たものを生み出す。つまり結果は原因に似る。
基礎に拠る観念連想があり、互いに類似しているものは同一と考える
類似の法則の原理から呪術師は、それを真似るだけで思い通りの結果を生み出すことが出来る。
②感染の法則:感染呪術
互いに接触していたものは物理的接触が途絶えても距離を置きながら作用しあう。
かつてお互いが接触していたものは何時までも接触していると考える。
感染の法則の原理から呪術師は、かつて その人に接触していたものに対して加えられた行為は、その行為と全く同じ結果を生み出すことができる。
総称し「共感呪術」と呼ぶものは 物事が遠く離れていても密やかな共感によって互いに作用しあうと物と考える。それらは「エーテル」を媒介とし一方から他方へ伝わる波動である。