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イノチグラスづくりで  遠視の子達が教えてくれたこと

2020.07.15 07:24

前回、遠視ってどんな目?で投稿したように、6~7歳頃までは眼球が小さいために遠視であることがほとんどです。



遠視の方の行動は、一見訳が分からず(笑)枠の中では問題とされることが多いかもしれません。

参照)遠視ってどんな目?座談会にて

https://baby.life-kyoiku.com/posts/8795814




特に何の疑いもなく感覚のままに生きている子ほど、(枠にはまらず)大丈夫かな?と周りが心配になります。


そこで、発達障害かもしれない、となることもあるかもしれません。


ただ、その子の見えかたや捉え方を知ることで、問題にならなくなったり、その子に本当に必要なサポートがみえてくるかもしれません。



イノチグラスもそのひとつです。



イノチグラスは、眼鏡が特殊であるように聞こえますが、そうではありません。


目を知ることで知らなかった見方に気づき、自分の感覚に寄り添う眼鏡をかけることで困りが緩和されたり、生きやすくなる、自分で選ぶ眼鏡です。



実際のメガネづくりでは、

遠視の子達に遠視のレンズをいれると楽だ、本が読みやすくなったと話してくれます。

(お越しいただく前までは、遠視だと思わなかったり、これくらいなら見えてるからメガネは要らないでしょうと言われたりした子がほとんどです)



カラーを入れると、『これがいい!』と伝えてくれます。

※近視の子達ももちろん教えてくれています。それを分けているのではなく、今回は遠視に焦点をあてています。



イノチグラスづくりで

4人の子どもたちがお母さんと私に教えてくれたことをご紹介します。




〈ずっと世界が二重に見えていた子〉


目を調べて初めて二重に見えていたことを知った。お母さんも知らなかった。

当たり前が二重の世界だった。

みんなそう見えているんだと思って、教科書もなんとかがんばって読んでいた。


ゴールドのレンズを入れると、ひとつの世界になった。赤のフレームも自分で選んだ。

世界はひとつだと知ったらいろいろなことが見えてきたようで、学校に行きたくないというようになった。


お母さんは、見えかたを知れて良かったし、その感覚を尊重したいと思っていると。

今はイノチグラスをはずしてもひとつに見えることが増え、かけたり外したりしているとのこと。




〈身体の病気を突然発症した子〉


学校にがんばって通っていたけれど、立ちくらみがひどくなり気分が悪くなった時、授業中に言い出せずに我慢した一度の経験が恐怖と不安を引き起こし、それから学校に行くのが怖くなった。

お母さんから離れられず、トイレに行くのも怖く外出ができなくなった。


病院で身体的な治療を続けながら、何かできないかとその子が選んだ青のフレームを渡した。

肌身離さずかけ続け、レンズも入れてほしいと言ってくれたので、ブルーのレンズを入れた。ずっとかけていたいと家でかけ続けた。


次第にお母さんから離れても大丈夫になり、泣き叫ぶこともなくなった。

そして、外出できるようになった。

学校にも行けるようになると、メガネはもういらないと言い、自らかけなくなった。




〈無意識に緊張していて音に敏感な子〉


書字も苦手。

左右微妙に違う度数(+0.12刻み)の遠視レンズを入れ、インディゴブルーを両目にいれた。

初めはメガネをかけなかったが、次第にかけるようになり、最近はかけ続けている。


気づけば、落ち着くことが多くなり、字がきれいに書けるようになったとお母さんがお子さんを見てはっと気づいたと。

メンテナンスにまたいかなきゃね!と話していたこともよく覚えていて、子どもはよくわかっています、と。




〈アーレン症候群の傾向がある子〉


私の娘です。

学校の演劇鑑賞で多色のスポットライトを使うお芝居だったため、学校から帰るなりひどい頭痛で苦しんだり、車のバックライトが眩しく目に痛みを感じ、目を開けられない。


繰り返される頭痛に鎮痛薬は効かず、遠隔治療で調えてもらうと苦しみから解放され眠りにつけた。


片目ずつ異なるレッドとブルーのカラーに遠視のレンズを入れて、近い用と遠く用をかけかえる生活が始まった。

ピンクのフレームをかけて、学校にいくときも肌身離さずかけ続けた。


2年半の過程で、左右違うカラーは4重混色や3重混色を経て、両目同じの単色に変化した。

目からの頭痛で苦しむこともなくなり、メガネをかけていなくても光で苦しむことはなくなった。見えかた以外では体幹が弱くてふらふらしていたけれど、体幹がかなり強くなり姿勢がととのった。


今は近く以外は眼鏡をかけないことを選択している。





子供たちは自分で選択しています。


また、変化することを忘れてはいけないと教えてくれました。


メガネをかけたら良くなる、のではなく、

ひとりひとりタイミングもあれば、

必要かどうかは本人が分かっています。


素晴らしいツールはたくさんあります。

たくさんのサポートツールがある中、どれを選べばいいかは本人が合うとするものを選択するより他ないのです。



メガネのよいところは、自分でかけたい時にかけられるということ。

自分で選び調整できるということ。



だからこそ、メガネがこちら本意の矯正道具になってはいけないと考えてます。