Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

日本パスツール財団投稿記事

2020.07.16 06:41

Facebook・日本パスツール財団投稿記事 4月2日 ·

【香港大学パスツール研究センターが、新型コロナ感染者の上気道のウイルス量を調査】

- 同センターの20日付け発表より -

香港大学パスツール研究センターの共同所長マリク・ペイリス氏とそのチームは、新型コロナウイルス感染者の上気道のウイルス量の測定とその分析結果を、医学誌 The New England Journal of Medicineに発表しました。

この調査は、武漢から広東州に戻った人とその濃厚接触者で感染が確認された18人の、喉と鼻から検体を取って行われました。

その結果、ウイルス量は、症状が出た直後から高く、喉よりも鼻の方が多いこと、症状がない患者も、症状がある患者と同程度のウイルス量があることが分かりました。

最初からウイルス量が多い点は、症状が出てから数日後にウイルス量が増えるSARSとは違っており、むしろインフルエンザに近いと言えます。

また、症状がなくともウイルスを伝染する危険が高いことも確認されました。

この調査結果は、今後のコロナ対策の戦略構築に役立つことでしょう。

▼発表の元記事 (英語)

http://www.hkupasteur.hku.hk/index.php/research/News/sars_cov_2_viral_load_in_upper_respiratory_specimens_of_infected_patients


Facebook・日本パスツール財団投稿記事 【パスツール研究所コロナタスクフォース】

- ゼブラフィッシュでウイルスの脳神経侵入を研究 ほか -

パスツール研究所と国際ネットワークの20の研究所は、1月にコロナ対策のタスクフォースを立ち上げました。現在、ウイルスゲノムの研究から、効果的な検査方法まで、全部で38の研究プロジェクトが進行中です。

現在、日本パスツール財団では、このタスクフォース支援に目的を絞った寄付を、寄付サイト Syncableで募集しています。

▼詳しくはこちらから。

https://syncable.biz/associate/FPJ/

今週は、その中から2つをご紹介します。

<ゼブラフィッシュでウイルスの脳神経侵入を研究>

中枢神経系への新型コロナウイルスの侵入は、患者の呼吸器不全の原因の一つと目されています。侵入経路は、脳下端から鼻の奥に張り出している嗅神経が疑われています。

このプロジェクトの目的は、ゼプラフィッシュの生体内で、新型コロナウイルスがいかにして中枢神経に侵入するかを調べること。

ゼブラフィッシュの幼生は、生体または固定した状態で、全神経システムが簡単に見られます。このため、ゼブラフィッシュは、宿主の中でのウイルスの増殖と抗ウイルス薬の効果を分析するために、安価で遺伝子的にも好適な研究対象です。

<新型コロナウイルス感染の鍵となる細胞因子を特定する技術>

この研究プロジェクトは、遺伝子検査法の一つCRISPR/Cas9を使って、新型コロナウイルス感染に関与する細胞因子と、増殖を抑制する抗ウイルスタンパク質を特定することを目的としています。こ手法で、ウイルスの毒性を決め、治療のターゲットとなる細胞因子を見つけることが見込まれます。特に、ウイルスの主な標的である肺細胞が研究対象です。

▼元記事

https://www.pasteur.fr/en/projets-recherche (英語)

https://www.pasteur.fr/fr/projets-recherche (フランス語)


Facebook・日本パスツール財団投稿記事

【オンライン講座「細菌と脳」】

パスツール研究所では、「細菌と脳」をテーマとする MOOC (大規模オンライン講座) を開催します。

今回のMOOCは、過去の講座の再公開です。 新型コロナウイルス対応のため、フォーラム、学習達成度のチェックや資格コースはなく、修了証書の発行のみ可能です。

<コースの説明>

細菌は、歴史的に人体に害を与えるものと考えられてきましたが、最近の研究で、腸内フローラに代表されるように、実は人体とは共生関係にあることが分かってきました。人体は、ヒトの真核細胞、バクテリアや古細菌などの原核細胞とウイルスが共生し、互いに連絡し合うエコシステムなのです。

当初、研究の焦点は、腸内フローラの免疫と代謝への影響にありましたが、実は、細菌は、数多くの脳の機能といくつかの神経疾患にも関与している証拠が見つかっています。そして、中枢神経系に次いで2番目に神経細胞が多いのが、腸内、腸神経系です。

この MOOC では、細菌と神経の相互作用を、感染から、脳の機能との関係、神経の機能不全との関係に至るあらゆる視点でカバーします。参加者はコース全体を通して、歴史的には人体に有害な脅威と見られてきた細菌が、実際は、脳と連絡を取りながら人体を継続的に形成していることを理解するでしょう。

言語:英語

修了証書:半分以上の講座聴講の上、60ユーロで取得可能

▼講座の詳細と申込はこちらから

https://www.fun-mooc.fr/courses/course-v1:pasteur+96006+session01/about#