story61.長く続けていく秘訣
サラリーマン生活を辞めてから、早いもので5年目に突入しました。さすがに独立生活にも慣れてきて、会社のルールやノルマから解放された気楽な部分と、会社に責任や言い訳を転嫁できない厳しい部分の両方を何とか乗りこなしながら、日々の暮らしを楽しめるようになってきました。
会社で働いている期間は25年もあったので、どうしても会社のカラーに染まってしまう傾向にありましたが、気持ち的にはできるだけ会社との距離を適度に保つよう努めていました。入社間もない頃は覚えることばかりで、基本はどんなことでも会社の指示に従わざるを得ず、4年目に出向することになった際も上司からの鶴の一声で決まったような感じでした。その後何度か、会社の中で組織改編や役職変更など環境が変わる重要な局面がありましたが、上司から打診されても、すぐには応じず、必ず一定の条件を付けて交渉するというスタンスを取りました。やりにくいと感じられた部分もあったと思いますが、自分なりに個人と全体最適を考えて臨んだので、だいたいは条件を聞き入れてもらえました。適度な緊張感を持ちながら、会社に一定の貢献をすることで、ある程度自由にやらせてもらえたのは本当に有り難かったと思います。会社に貢献しようと言いなりになり過ぎるのも、会社に依存や期待をし過ぎるのも、度を超えると疲れてしまいます。適度な距離感を保つことが、長続きする秘訣なんだと思います。
会社という組織に属さなくなった今は、基本は自己管理、自己責任のもと、自由に物事を進める感じですが、会社員でなくなった代わりに、国民・府民・市民として国や自治体との関わりが強くなったような気がします。仕事や土地手続きなどで、国の機関や市役所などに出向く機会が増え、申告や納税も自らするようになりました。そういった顔の見える関係になって、国には特に土地を手放す際の手続き面で、府には文化財登録でのサポート面で、市には経営相談や税務相談他、いろんな部分で支援を受ける部分が多くなりました。今後も、適度に貢献しつつ、依存もし過ぎない、適度な距離感で関わっていければと思います。
このような関係性については、個人と家との関係についても同じようなことが言えると思います。家に無理をさせず、きちんと手入れすることで、時折癒しや恵みをもらうという感じの距離感で、できるだけ長い付き合いになっていけばと思います。
Katsuji