丈夫になる道 ~野口裕介先生(ロイ先生)講義録~
≪野口裕介(通称ロイ先生)講義録より≫
丈夫になる道
前文略
ともかく、麻疹、おたふく風邪(耳下腺炎)、水疱瘡という三つは、子供たちの発育を完全に促すための一つの過程なのだと考えた方がよいです。
そして、一番注意の要るのが平熱以下の時期で、この時期に特に注意を払わなければなりません。
その子にとっては一生の問題なのです。ですから、麻疹をした時期の体の休め方というのは、一生のこととして捉えて、きちんと休めた方がいいのです。
麻疹の場合には、お腹の右側に愉気していきます。ここにピンポン球の半分くらいの固まりができるのですが、これを麻疹の硬結と呼んでいます。
それをずっと辿っていくと、順々に真ん中に行って、左の側の方まで動いていきます。だいたい四日から一週間くらいかかりますが、徐々に動いていく。それが左側までくると、たいていそのつぎの日辺りに大便を観てみると粘液状な、唾が被ったような便が出てきます。それで麻疹は終わったと観ます。
ただそこで終わったのですが、平温以下の時間及び平温に戻るまでの時間がありますから、だいたい二週間くらいは観ておかなければなりません。その期間を上手に過ごすとやはり全然違います。
ただ先程も言いましたように、日差しに少し弱くなってしまいますから、その年はあまり海水浴などに連れていかない方がよい。むしろ山に連れて行くと良いです。
山に入ってよい空気を吸わせてくることは体の発育の上ですごく役に立ちます。
麻疹はだいたい五月の今ごろの時期にかかるわけですが。その年の夏は山の方に行くようにして、海辺、海水浴には連れていかない。あまり日差しの強い時期を避ける。大人になるとあまり関係ないのですが、小さい子供の場合はそういう注意もしておかなければならない。
しかし、基本は、特に麻疹、おたふく風邪、水疱瘡などは、子供たちがそれにかかって上手に経過すると、それによって体がずいぶん変わって大人になるというように観るべきなのです。
私たちは、麻疹になったから麻疹を治す方法を考えるのだというようにはやりません。
日頃からきちんと体を整え、きちんと体が育っている状態ならば、経過が乱れないと考えています。ただし守ってやらなければならないことはあります。しかもその守り方は子供と大人では違う面があります。そういう注意も必要ですが、ともかく私たちは自然に経過するということの大切さを主張しているのです。そして、それによって子供たちを丈夫に育てていきたいと考えているのです。
写真
by Hitomi デジカメ