To be or not5-シェークスピア遺作「あらし」
2020.07.17 10:31
1611年シェークスピア47歳、08年には初孫が生まれ、彼は事業でも成功を収めてストラテフォードで2番目に大きな住宅を購入、故郷にも土地を購入して何の問題もなし。しかし彼は引退を考えていたようだ。そして最後につくった劇が「テンペスト(あらし)」である。
この主人公は、リア王のように追放された王である。彼はとある島に漂着し、そこで修行を積んで魔術師となる。やがて追放した一族が航海に出たところで、大嵐を起こして島に彼らを漂着させる。さぞや面白い展開を期待すれば、あっけなく彼らを許してしまう。
それは、彼が島で純粋に育てた娘が、仇の一族の青年と一目惚れをしてしまったからである。父は青年を捕え、厳しい労役をさせるが、娘の純粋な愛がこの青年を強め、正しい道に歩ませるのを見て、最後に2人の結婚を許し、魔術を使った復讐をやめて皆和解する。
実に、次の世代が育つのを見て、その世代にすべてが和解する未来を託そうとするのだろうか。若い劇作家ジョン・フレッチャーも出ていた。フレッチャーは、シェークスピアの引退を止めて、少しばかり共同執筆という形で仕事をすることになった。
下は現代映画にリメイクされた「あらし」