六方を礼拝する人に(令和2年7月法話)
先月ご紹介したお話の続きです。
お釈迦様は言われます。
六方を礼拝するには、六方の意味を知らねばならぬ。
東方は父母。南方は師。西方は妻子。北方は友。下方は召使い。上方は僧・バラモン。
東方に向かって礼拝するのは、人の子たるものは、父母につかえよということ。
また、父母も子を愛し、慈しむことである。
南方に向かって礼拝するのは、弟子たる者は師匠につかえよということである。
また、師匠も弟子が立派になるように心掛けることである。
西方に向かって礼拝するのは、夫は妻子が幸せになるように扶養すること。
また、妻子は夫が家庭に憂いなく仕事できるように心掛けること。
北方に向かって礼拝するのは、親族や友に対して、お互いに敬いあうこと。
地に向かって礼拝するのは、従業員が幸福になるように。
また、従業員も雇い主が良くなるように心掛ける。
天に向かって礼拝するのは、僧やバラモンは他が真実幸せになるように導く。
これ等の意味が分かって、初めて六法礼拝の意義は徹底するのである。
(仏教説話文学全集から)
☆ ☆
私達が敬うべき人達を教えて頂いていると思います。
それは、父母であり、師であり、妻子であり、親族・友であり、従業員であり、僧であります。
そして、それは相互に敬うべきものであると言われます。
そのことによって、この世が安らかに、皆が幸せになれると説かれています。
私達は、知らぬが故に迷い、苦しみを受けると言われます。
私達は、幸せであるためには、何をしたら良いのか。それを教えて頂いております。
今回の教えは、対人関係に対するもの。
誰も、自分が敬われれば、嫌な気持ちにはなりません。
その輪を広げていくことが肝要だと思います。
貴方自身が、他を敬い、他から敬って頂けるようになれば、そこに幸せが開かれると思います。
なかなか難しいことですが、今私達はそのことを知りました。
あとは実践あるのみです。先ずは自分から、他を敬っていくようにしたいものです。