75歳になりました 6/ 平野公子
この連載を読んで下さる人がいるとすると、どんな感想をおもちなのだろうか。高齢者の病気はなしで飽きましたでしょうか?
少し活動の話を書いておきます。私が小豆島から高松へ移動してすぐに「マルテの学校」を始めました。2019年春のことです。
平野甲賀の描き文字、デザインをもしそばで学びたい人がいたら、と始めた私塾つまり寺子屋みたいなものですね。甲賀さんだけでなく、書体設計士の岡澤氏、編集の人、デザイナーの方、講師になっていただいたのですが、東京にいたときから巧くやれなかった授業で、でも高松ではなんとか楽しくやれたとおもいました。
2020年の今年はコロナで中止、全課程が無期延期になりました。
学校だけでなく、演劇公演、落語の公演も準備していたのでした。デザインはナマの公演にかかわることから奥行きが生まれる、が私と甲賀さんの認識です。
全てとりやめになりましたが、そのことでたくさんの人とも再度仕事の準備ができたことは、来年以降の動きの源になるかと思います。悲観はしていません。
しかしずっと準備してたのしみにしていたことが無になりとても無念だったのも確かです。
一期生の若いデザイナーさんたちとも一緒に実際の仕事、甲賀氏の装丁のヘルプをしながら覚えていってもらう作業をはじめていました。
二期目も集まった生徒さんにも実際の仕事も一緒にやっていけるようなチームを作っていきたいと考えていたのでした。
つまり私には授業だけで終わる、WSのみで終わるということがどうしてもできず、一緒に現実の社会にアウトプットする仕事をうみだして、それをやりながら学ぶ、教え合うことにしたかったのです。そんな作業場をつくりたかったし、いまもコツコツやっています。
わたしたちが若い人たちに助けていただく、教わることもたくさんあります。先生、生徒の関係だけではは不毛です。
2020年の公演や学校が中止になったことで、これからの作業をあきらめるわけにはいきません。
ある日、やはり本をつくりたい、みなで一冊ずつ小さくても少部数でも、本という形までつくりあげて、それを売りたい。
私のなかからそんな熱がうまれてきてしまいました。やるしかありません。
horo books とい名のレーベルを始めます。horo は母衣(ほろ)という意味です。
すでに本づくりは始まっています。詳細は次回に。
75歳になりました1
75歳になりました2
75歳になりました 3&4
75歳になりました 5
平野公子
メディアプロデューサー
「マルテの学校」企画運営
https://twitter.com/sora_kita