Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

鳥取天文協会 Tottori Society of Astronomy

彗星の尾の長さを測る

2020.07.18 12:59

 本日の鳥取天文協会「大観望会(7月例会)」は、天候不良のため、zoomを使った交流会をおこないました。参加者は、八木谷さん、石谷さん、麻木さん、織部の4人でした。そのなかで「彗星の尾の長さを測る」方法について紹介しましたので、ホームページにまとめておきます。

 「測定」とか「観測」とか聞くと、「なんだか難しそう」という印象ですが、自分が撮影した画像から、ざっくりと簡単に「彗星の尾の長さが〇度くらい」と測れるのです! ステライメージを使った方法を紹介します。


①画像を開く

 ステライメージで、撮影した画像を開きます。レベルや明るさ・コントラストを調整して、さらに画像の表示サイズも調整して、彗星が見やすいようにしておきます。(作例の画像はjpeg画像です。尾の長さの測定は、jpeg画像でもできます!)


②「計測」ツールを選択

 ツールボックスの中に「計測」というツールがありますので、これをクリックします。


③彗星の頭部から尾の先端までをクリック&ドラッグ

 マウスを彗星の頭部に合わせてクリックしたら、そのまま尾の先端までドラッグします。


④カメラ情報を入力

 マウスのボタンをはなすと、計測のウインドウが表示されます。

 その中の「カメラ選択」というボタンをクリックすると、カメラ名やレンズの焦点距離を入力するウインドウが出るので、自分の撮影した機材を入力・選択します。(例の場合は、カメラがニコンD7500、レンズの焦点距離が17㎜、例で使っている画像は彗星付近を拡大表示しています)


⑤結果を確認

 これで尾の長さの測定が終了! 結果は「角距離」というところに表示されていて、今回は「11度」でした。

 その下の「位置角」というのは、「天の北極から東回りに測った角度」のことで、これは画像の上を天の北極に合わせていれば、その数字は正しい数値となります。しかし今回は水平線に合わせた構図なので、位置角の数字はデタラメなものになっています。

 まぁ、いずれにしましても、こんな簡単な操作で、自分が撮影した画像から彗星の尾の長さが測れるのです! 

 今、撮影した天体の姿は、天文愛好家もプロの天文学者もまさに同じものを見ています。簡単な測定からでも求めた数値は、まさに「最新の観測情報」なのです(同様に明るさの測定なども、ちょっとがんばれば誰でもできます!)。

 自分が撮影した画像を見て「彗星、美しいなぁ~、すごいなぁ~」というのも楽しいですが、そこから「今日は尾が〇〇度くらいか」とわかると、さらに楽しさ倍増ですね。(Ori)