コロナ時代に新規出店するならオフィス街より住宅街
「新しく飲食店を出したいのですが、コロナ時代にどう対応したらいいか、色々と迷っています」という方から、相談を受けました。飲食店は立地が命ですが、コロナ時代に新規出店するなら、オフィス街より住宅街です。
今までなら、オフィス街の方が儲かりました。ランチタイムは常に満席で、いかに回転を早くするかが課題でした。が、コロナの影響で、全ての座席を使うことはできず、テイクアウトが主流になっています。歓送迎会や忘年会、期末の打ち上げ等で、企業が集団で利用してくれました。その際の売上は大きく、定期的にやってくれるので、経営としても安定します。それが全て、コロナの影響で無くなりました。減るのではなく、ゼロになるのです。
仕事終わりに飲んでいく習慣も、かなり減ってきています。残業自体も無くなり、仕事が終わったらさっさと帰る。こういう会社員が、ほとんどになっています。そもそも出社すらしない、在宅勤務の人も増えています。大企業でもオフィスを減らす動きが、顕著になってきています。今後もこの流れは続くでしょう。それに付け加えて、週末は営業ができません。ランチはテイクアウトが主体、団体客の利用も見込めない、週末は営業できない。逆風だらけです。
住宅街ならどうでしょう。早く帰宅するということは、早い時間帯に最寄りの駅に、既に人がいるということです。これはチャンスです。一人暮らしの人なら、帰り際にテイクアウトを買ったり、店内で食事をする可能性があります。家族連れなら、週末に来てくれるかもしれません。その駅に住んでいる人なら、業種や時間帯・曜日を問わず、顧客になってくれる可能性があるのです。オフィス街なら会社員がターゲットですが、住宅街なら子供も主婦もお年寄りも、全てがターゲットです。
しかも住宅街の方が、家賃が安いです。寂れた商店街なら、空き店舗がいくらでもあります。そこを改装しても、オフィス街よりはるかに安い金額で、出店することができるのです。今までオフィス街でお金を使っていた人が、今後は住宅街でお金を使うようになります。これは飲食店だけに限らず、全ての業種に当てはまります。その「流れ」に上手く乗れば、成功する確率は高まりますよ。