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Oimachi Act./おい街アクト

ウソっぽいジョン・レノンの作りあげた名盤だ。 戦い疲れたギターを持った兵士とでもいうか

2020.07.20 03:00

ジョン・レノンには2人のジョンが住む。

躁のジョンと鬱のジョンが。

オノ・ヨーコと別離ていた時に制作されたこのアルバム「心の壁、愛の橋」は鬱のジョンを見る。


オノ・ヨーコとの関係が不安定になると、

ジョン・レノンは活発な音楽活動をする。

のめり込むように。

その関係が修復すると

優しいジョン・レノンが現れてくる。

芸術家とは本来、

そういった傾向が強いようだ。


それがあるから

芸術家になるのかもしれないし、

なれるのかもしれない。

人間らしくていい。


アルバム「心の壁、愛の橋」は、

オノ・ヨーコと離れたことと、

アルバム「ロックン・ロール」の

マスター・テープがフィル・スペクターに持ち逃げされたことと重なった時期で、不安定な精神状態で創り上げるしかなかった、といわれる。


酒におぼれて狂ったようになっていたジョン・レノン。

フィル・スペクターもピストルを撃つなど、錯乱状態になっていた時で

やたら事件を起こしていた2人。


その最中は、

ハリー・ニルソンのアルバムをプロデュースしたり、ポール・マッカートニーとなぜか仲良くしたりと‥‥。

ジョン・レノンは決して偉人ではないだろう。

とても弱い人間であることをオノ・ヨーコが一番、知っているはずだ。


こうして作られたこのアルバムには

エルトン・ジョンも参加。

ジム・ケルコナー(Dr)、

ニッキー・ホプキンス(Key)、

息子のジュリアン・レノン、

ニューヨーク・フィルハーモニーの奏者も参加している。


富と名誉はあっても愛を失ったジョン。このアルバムは4日間で完成されたと伝えられる。

曲もシニカルで悲観的なものが目立つ。

「枯れた道」

「夢の夢」

「愛の不毛」などを聴いていると、

ホームレス状態のような

ジョン・レノンが書いている詩人の世界だ。


救われるのが「ヤ・ヤ」。

ジュリアン・レノンのドラムとジョンのピアノ、ボーカルで、その後の活動休止を予感させるものがある。

インストゥルメンタルの

「ビーフ・ジャーキー」は

U・F・Oを目撃したジョン。

そのイメージの曲らしい。

ジョン・レノンは、

このアルバムが一番嫌いと言うが、

弱々しいジョン・レノンでしか作れないアルバムで、心の奥深くまでジョン・レノンが入りこんでくる、素晴らしいアルバムだ。


オノ・ヨーコへのメッセージ性も感じられる。「助けて下さい、ヨーコさん」と。