祈祷
2016.06.06 02:52
神仏の加護を願い、言葉によって除災増福を祈ること。また、その儀礼。神や仏などの崇拝対象と信者との交流の一形態。声祷と黙祷に大別される。元来,個人が自由に行う宗教的行為であるが,集団的にも,定型的にも行われる。〈御祈祷〉という場合はいわゆる現世利益(げんぜりやく)を求める行為を指す。
祈祷には大きく分けて二つの意味領域がある。もしそれを広義に解釈するなら、祈願、祈念などとともに祈りという宗教行動のなかに包摂される。祈りとしての祈祷はあらゆる宗教に基本的な行為である。この場合キリスト教修道院における祈りから、路傍の石の地蔵に捧(ささ)げられる庶民の祈りまでをさすのである。それに対して狭義の祈祷の場合には、わが国では加持(かじ)祈祷といった合成語でしばしば表現されるように、おもに密教修行者や修験者(しゅげんじゃ)などが、修行によって得たと信じられる法力によって信者のさまざまな欲求を実現しようとする行為をさす。この種の加持祈祷は、人間の日々の身近なことに関連して行われるのが特徴である。健康祈願から始まって病気平癒、好ましい方角・方位や日時、さらには作物の豊作祈願、雨乞(あまご)いなどさまざまである。他方、こうした祈祷・祈願は、修験者のような職業的宗教者に依頼しなくとも、一般人の宗教行為を通して成就しようとするときもある。お百度参りとか断(た)ち物などがそれである。
参照 https://kotobank.jp/word/%E7%A5%88%E7%A5%B7-51160#E3.83.87.E3.82.B8.E3.82.BF.E3.83.AB.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.B3.89