Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

口を育てるブログ

赤ちゃん主導の離乳食!BLWとは

2020.07.22 02:59

BLWとは、「Baby Led Weaning 」 の略称で、「赤ちゃんに任せる離乳食」という意味です。イギリス式の離乳食の与え方で、日本でも取り入れている家庭も増えてきています。


スプーンを使わない?!

今日本で根付いている離乳食は、初期はペースト状にしスプーンで与えます。しかし、BLWはスプーンや道具を使いません。歯ぐきで噛める硬さの食べ物を、赤ちゃん自ら手でつかみ、口へ運んでしゃぶりつくところからスタートします。


BLWが推奨されるワケ

とにかく楽しい!


従来の離乳食は、マニュアルに従いおうちの方が、はじめるタイミング、食べ物、量、回数を管理します。なので、どうしても赤ちゃんは食事のとき、"受け身"になりがちです。

しかし、BLWは、全て赤ちゃんが決めます。自分が、食べたい時、食べたい物を自由に口に運んで学びます。おうちの方は、安全な食べ物を用意するだけでよく、あとは見守ります。

赤ちゃんが食べることが楽しい!と思うことにより、その後の人生の食への向き合い方も変わります。


食材選びが簡単


BLWは、最低限の食材の制限しかありません。もちろん、はちみつ、生もの、塩分、糖分、添加物など避けるべき食べ物はありますが、安全な食材であれば赤ちゃんが手を伸ばしたら、与えてOKです。

最近はアレルギーになりやすいものでも遅らせる必要はないという考え方に変わってきています。はじめてあげる食べ物は注意して見守り、何を食べるかは赤ちゃんに選んでもらいましょう。



家族と一緒に同じものを食べれる


BLWは食材の制限が少ないので、家族の食事と同じ材料で、手でつかみやすいものなら与えてもOKです。普段から、家族の食事を薄味・ヘルシーな料理に変えると赤ちゃんがほしがればそのまま与えることもでき、別に作る手間も省けます。また、外食でもメニューに食べれるものがあれば、持参する必要もありません。

家族と一緒に食卓を囲み、家族のマネをすることで、テーブルマナーや食器の使い方なども受け入れやすくなります。また、家族関係や社交能力、言語の発達にまで、良い影響を与えます。


本物の食べ物について学ぶ


自分で食べることを許された赤ちゃんは、様々な食べ物の外見、匂い、味、舌ざわりを体感できます。味の違いにも気づき、自分の好き嫌いの認識もできるようになります。

また、食への好奇心、安全に食べる方法、満腹感や空腹感なども、自然と身につきます。


自信がつく 


いろいろなことを自分でさせることにより、自分の能力や判断に自信を持つようになります。自分が行動することで何か素敵なことが引き起こせることを赤ちゃんは学び、自尊心も持てるようになります。


噛む能力が育つ


手づかみ食べは、手・目・脳・口の協調運動です。たくさんすることにより、脳の発達、繊細な手指・身体の動かし方などを学びます。また、歯が生えていなくても歯ぐきで噛む動きを習得しやすく、顎の成長も促します。


BLWの進め方


はじめるタイミング


従来式はおすわりができ、原始反射が消えてきたらはじめます。しかし、BLWはそれに加え、手づかみ食べができるようになってからのスタートです。


離乳初期


離乳初期の目的は「口を閉じる、大人の飲み込み方(成人嚥下)ができる」です。BLWは初期ではスタートしていないことが多いですが、おもちゃ舐めなどでも唾液がたくさん出て、飲み込みのトレーニングはできます。またおもちゃやいろいろなものをしゃぶることで唇の力も自然とついてきます。


離乳中期


中期の目的は「舌のトレーニング」。

手でものを掴んて口へ運ぶ動作ができれば、この頃からBLWはスタート。はじめは、歯ぐきで噛めるくらいのものを掴みやすいようスティック状にします。もちろん赤ちゃんはまだそれを噛んで食べることはできませんが、食べ物のエキスをしゃぶりながらいろいろ学んでいきます。このときに舌をたくさん動かすので、舌のトレーニングになります。


離乳後期


目的は、「歯ぐきで噛む」能力を身につけること。

手づかみ食べをすれば、自然と前歯でかじる動作をします。そして歯ぐきで噛める硬さのものを用意すれば、奥の歯ぐきで噛むことも学べます。


離乳完了期〜


完了期以降は従来式でも手づかみ食べが推奨されているので、あまり差はありません。

スプーンやフォークをいつから使うか、いつ母乳やミルクが必要なくなるかも、BLWでは赤ちゃんに任せます。なので、赤ちゃんがほしがれば2歳くらいまでは母乳やミルクをあげてもよいという考え方です。



BLWと従来式、混合してはダメ??

BLWの目的は、自分で食べることだけではなく、母乳・ミルクから家族の食べ物へと移行する全行程を全て赤ちゃんが主導することです。例えば、赤ちゃんが手づかみで食べた後、残りをスプーンで食べさせた時点で、赤ちゃん主導ではなくなってしまい、BLWのメリットの多くは失われてしまいます。





日本ではまだ従来の離乳食の進め方が定着しています。もちろん口の機能を理解し管理すれば、赤ちゃんのお口はしっかり育ちます。

それぞれの家庭で生活環境は違います。おうちの方がどこまで介入できるか、家族みんなで考え方や与え方を共有できるか、保育園ではどうするかなど、まだまだ完全なBLWを実践するのは難しい家庭もあると思います。

従来式とBLW、どちらも理解した上で、どちらの方法が自分の家庭に合っているか考え、選択できるとよいですね。 




〈参考文献〉
「自分で食べる!」が食べる力を育てる 赤ちゃん主導の離乳(BLW)入門/ジル・ラプレイ+トレーシー・マーケット

0歳からの口腔機能と歯列の育て方/益子正範