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Ocha journal

家で夢を膨らませるときのお供に。

2020.07.23 10:00


最近、家にいる時間が増え、鬱々とした気持ちになっている人も多いのではないでしょう

か。新型コロナウイルスの感染拡大による自粛で体重は増加、雨の日が続いて洗濯物は生

乾き、これからもっと暑くなれば出かけるなんて少し面倒……。

そんなあなたに、「今」読んでほしい本をご紹介します。




まず、森晶麿さんの黒猫シリーズです。

このシリーズは、若き大学教授、通称「黒猫」とその付き人の大学院生が謎を解き明かし

ていくお話です。「黒猫」の確固たる美学と、付き人が「黒猫」に翻弄されながらも謎を

解き進め、「黒猫」に追いつかんとする様が非常に魅力的です。森晶麿さんは、この黒猫

シリーズの第1弾である『黒猫の遊歩あるいは美学講義』で、第1回アガサ・クリスティー

賞を受賞しました。


現在、黒猫シリーズは全7巻。物語は1巻ずつ完結していきますので、まず第1巻を読んで

みてください。「黒猫」と付き人の関係性に心が惹かれたならば、きっと第2巻、第3巻

……と自然と本に手が伸びていると思います。


私がこの本を「今」読んでほしい本としてご紹介した理由は、全7巻を一気に読み切る時

間があるときに読む方が良いのではないかと思ったからです。なんと言っても、「黒猫」

も付き人も研究馬鹿ですから、読んでいる側が一番焦れったくなってしまうのです。次は

どうなっているのだろうと、気になってしまうのです。普段の忙しい時間の合間を縫って

読もうとするには、あまりにも物語の世界に引き込む魔力が強すぎるのでしょう。

ぜひ、読んでみてくださいね。


森晶麿著、早川書房。

『黒猫の遊歩あるいは美学講義』(2011)

『黒猫の接吻あるいは最終講義』(2012)

『黒猫の薔薇あるいは時間飛行』(2012)

『黒猫の刹那あるいは卒論指導』(2013)

『黒猫の約束あるいは遡行未来』(2014)

『黒猫の回帰あるいは千夜航路』(2015)

『黒猫のいない夜のディストピア』(2018)



お次は、織田博子さんの「女一匹 冬のシベリア鉄道の旅」というコミックエッセイです。

こちらの本は、織田さんが真冬のロシアをシベリア鉄道で横断するもので、途中下車を繰

り返しながら各地の人や文化と触れ合った経験が描かれています。織田さんがお書きにな

った「女一匹 シベリア鉄道の旅」に続く2作目で、どちらも面白いので1作目もおすすめで

すよ。


ロシアというと、「怖そう」「寒そう」といったイメージを持っている人もいるかもしれ

ません。私がロシア語を勉強していた、と言うと必ずと言っていいほどそんな言葉が返っ

てきます。実際に怖いところもありますし、寒い土地柄でもありますが、この本を読むと

ロシア人の温かさを垣間見ることができます。また、シベリア鉄道の旅は広大な土地を持

つロシアだからこそ出来るものです。極東の港ウラジオストクから首都モスクワまでは早

くても7日かかるため、シベリア鉄道での生活の仕方も知ることができるこの本はとても

良い「教材」とも言えるのです。


少しだけシベリア鉄道についてお話しすると、シベリア鉄道にはサモワールというロシア

伝統の湯沸かし器があります。紅茶を飲んだりカップラーメンを食べたりするのに役立ち

ます。快適なシベリア鉄道暮らしに欠かせない重要なポイントです。


「今」は行けなくても何時かこんな旅がしてみたい、そんな夢を膨らませてほしいと思い

、ご紹介しました。


織田博子著、イーストプレス。

『女一匹シベリア鉄道の旅』(2015)

『女一匹冬のシベリア鉄道の旅』(2017)




さて、いかがだったでしょうか。もし読んでみたいと思っていただけたなら嬉しいです。

暗い森に迷い込んでしまったような日々ですが、本を読んで心をときめかせてくださいね。


Ocha Journal 4期生の高砂でした。

読んでいただき、ありがとうございました。