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戦国時代を極めたくて・・・制作裏話

2016.06.06 10:15

6月7日全国創刊【週刊】ビジュアル「戦国王」。
著者のお一人で、歴史研究家の小和田泰経さんに、制作裏話や、歴史こぼれ話をお伺いしました。


小和田さんは今、来年の大河ドラマ『おんな城主 直虎』の時代考証もされているとか。


お手伝いですけどね。


具体的には?


雑用です(笑)

今回は、原作もないし。

脚本を一から起こしていて、

そうとう大変そう。


僕は事実関係の確認で、

調べてと言われたのを調べたりとか。


それは、何人か複数でやっているんですか?


複数というか、すごい、大勢。

時代考証もそうだし、風俗とか、建築とか、

今回、井伊直虎が、臨済宗のお寺に入っているので、

お寺の専門の人もいるし。


現代に戦国時代を蘇らせるって大変ですね。


その当時生えていない草とかね。

映っては困るんで、撮影隊はどっかで合戦シーンがあったら、

早めにいって刈るみたい。

あの、セイタカアワダチソウみたいなのは

ダメなんでしょうね。


それは大変そうですね~


小和田泰経(おわだやすつね)
1972年東京都生まれ。歴史研究家。専攻は日本中世史。主な著書に『戦国合戦史事典』(新紀元社)、『天空の城を行く』(平凡社)など。『信長戦国歴史検定【公式問題集】』(学研パブリッシング)・『真田三代戦国歴史検定[公式テキスト]』(ぴあ)など、検定問題の作成も多数。


小和田さんは、戦国王で担当されているのは、歴史年表などでしたよね。


そう、戦国ビジュアル辞典とか

あと、閨閥図とか。


全部すごくたいへんそう。


大変なんです。ほんと、大変なんです。


しかも週刊ですもんね。


週刊!

週刊でやるようなはなしじゃ、

ないんです!

歴史の本といっても、

あるものを再構築して他の本に生かすっていうのが、普通なんですよ。

じゃないと、普通週刊でなんて出せないですよ。

ほとんどありものからつくるのは、まあ、そんなに手間はかからない。


今回のは、

ほとんどみんなオリジナル

でやってるんで。


閨閥図、あれ複雑ですよね。


そう、あれ大変でね~。

もう、

わりにあわないくらい

閨閥図みていると、婚姻関係の重要性がわかりますね。


うん、そう。


日本の歴史は、摂関時代もそうですけど、

藤原氏がいて、天皇家と姻戚関係になって、

自分の娘を天皇に嫁がせて、力をもつ

というような関係がずーっと続いていて。


政略結婚というのは、両家がただくっついて

仲良くしましょうというだけではなくて、

今度、奥さんの実家のほうが

力をもってきたりとかしてるわけですよね。

江戸時代になると、

こういうところが家老になってたりするわけです。


家康も、養女としてでも嫁がせてますね。

家康の養女となった

本田忠勝の娘を真田が嫁に迎える

というような感じで、

婚姻によっていろんなところに

影響を及ぼそうとしていますね。


閨閥図はこういう雑誌サイズだからできるということもありますよね。


うん。だから、ほんとはこれも

ポスターサイズにしてね。

そうすると、もうちょっと、いろんなとこ、

くっつくわけじゃないですか。

ここ信長くっついて、秀吉くっついて。

そしたら、

日本中の大名、これでくっついちゃう。


それ、面白いですね。つくりたいですね。


そうそう、それ、おまけでつけたいです。


え、おまけ!?予算が・・・
でも、いつかやってみたい。
壁一面の閨閥図。


そうそう、それ壁にはっとけば、

関係がわかるじゃないですか。


他にも、「戦国王」の見どころというと?


あとは、書いているのが専門家の方だしね。

著者の考えに違いが出ることもあるけど、

そういう場合は、いくつかの説があることを

伝えるようにしています。


歴史は、謎解きみたいな部分があるんで、

情報を提供して、読者の方が判断してください。

というのもアリだと思うんですよね。

自分なりに推測してみるとか?

そうそう、

自分なりに結論を出してもらうのが、

一番良いと思う。

(ということで、自分の知ってる史実と違う!
と思っても問い合わせは・・・いえ、どんとこいですよ(汗))
歴史のこと、ほとんど知らないという人たちに向けて、気を付けたところはありますか?


あんまり難しい言葉とかは使わないで、

内容は深く掘り下げてるけど、

書いてることは、まあ、

読めばわかってもらえるかなと思います。


だから、言い換えたりしているから、

もしかしたら、ちょっと歴史用語とは違うようなところも

あるのかもしれないですけど、

そこは、理解してもらいやすいほう優先ですかね。


今から、知ってみたいという人も、読み込んでもらえれば、
戦国時代マスターになれるということですね。


こういうのだって、ふつう出てない。

あ~。甲冑。


そう、これ分解してね。

この写真も新たに撮影しています。


甲冑をパーツごとに解説しているんですね。


小和田さんの思う歴史の魅力は?


昔から、ギリシャの時代にヘロドトスが『歴史』という本を書いたり、

中国の司馬遷が『史記』とか書いているのは、

結局、将来の戒めのために、過去の歴史を学ぼうと、

記録を残しているので、

歴史を学ぶことは、

ダイレクトに自分の糧になる

と思うんですよね。


“歴史は過去を映し、未来を照らす鏡”とか、

よく言われるんですけど、

書物にも、何とか鏡とかあるし、

甲陽軍鑑の「鑑」の字も鏡という意味だったり。


昔の人たちは、前のことを学んで、

自分の生き方に生かそうとしていたんですね。

本来はね。歴史は必修ですよね。

※甲陽軍鑑(戦国大名の武田氏の戦略・戦術を記した軍学書)


江戸時代の浮世絵とか、歌舞伎って、歴史を知らないと分からないもの結構ありますよね。
みんなよく知ってたんだな~と思いますよ。


能だとか、狂言だとか、ね。落語とか講談とかもみんなそうですよね。


震災だって、江戸時代の資料があったりしますもんね。


昔の人が残そうとしてたんだから、

今の人がそれをキャッチしないとね。

そういうことを永遠に、1000年2000年先まで

伝えていかなきゃならないんですから。

それは、歴史の使命だと思うんですよね。

今の人たちは、

それを橋渡ししてるだけ

なんですよね。次の世代に。

きちんとつないでいかないとなくなっちゃうものってたくさんありますもんね。
1000年残る「戦国王」を目指して。
今後の抱負なぞはあります?


今後の抱負・・・

締切を守るです(笑)


身体壊さないように気を付けてください。

大丈夫かな。

長丁場だし。


でも、楽しいですけどね。2年後経ったら自分の財産にもなってるし。

自分でハードルかなりあげてるんで、2年後自分も成長できるかな。と。


ずっこけてなければね。

ハードルに足とられちゃって。


ということで、著者の方々の愛情のこもった作品です。
手前味噌な記事でしたが、お読みいただきありがとうございました。
【週刊】ビジュアル『戦国王』楽しんで頂けますと幸いです。