「かわいい金子麻友美」メモ7 ジャケット鑑賞
「金子麻友美」、ご本人の名前がタイトルのファーストアルバムがあります。
そのジャケットは写真で、赤に白の水玉が入ったワンピースを着たご本人が、はにかんだ笑顔で立っています。やや上方から撮影された、この素敵な場面がいったい何を表しているのか考えてみようと思います。
正直いうと写真の鑑賞は得意ではありません。
見ている側にとって、知らない過去の、知らない場所の一瞬をどう解釈すれば良いのか悩んでしまうからです。
いい写真とは何か?美味しい料理も無骨にしか撮影できない自分にとっては難問なので、写真をいくつかに分けてみます。
写真をぱっと見た時の雰囲気と、カメラに切り取った構図、そして写真に入らなかった部分の3つで妄想してみます。
まず雰囲気です。
美しい。
金子麻友美さんがいる、それで胸いっぱいです。
なぜご本人が写っているのか、だって主役だから。収録されている作品の作曲作詞、演奏、歌唱すべてが金子麻友美さんの手によるもので、アルバムのタイトルもご本人の名前ならジャケットも金子麻友美さんで納得です。
そして笑顔。
かわいい。
でも、この瞬間を選んだのは何故でしょうか。
視線はカメラをみないで右側を見ています。
姿勢は歩いているのか、右手は身体の前にだし左手は後ろに隠れ、カメラに向かい斜め左側に向いています。
正面にあるカメラを避けるようにして微笑んでいる構図は、ポーズはとってないけど自然体とも言いにくい、ぎこちない印象です。初々しく緊張しているようにも見えます。
カメラに切り取った構図について、ご本人の写らなかった部分は、頭頂部と腰より下です。
構図として、全身を入れると本人より背景の比率が増えてしまうので、ちょうど本人の顔、身体の動きが見える、観覧者の視線が自然と主役に集中される効果を狙ったのではないかと感じました。
背景は上方から下に向けて撮影されているため一面が地面です。
どこかの公園でしょうか、緑の芝とコンクリートが四角くチェス盤のように交互に配置されていて季節や自然の雰囲気は感じられません。
撮影した周辺には木々や花、道などあるハズですが規則的な地面だけを撮影したのは背景は見ないで主役を見なさい、と言っているようです。
まとめると
「私は音楽家として第一歩を歩み出しました」
「私の作った作品達を見てください」
という心意気がでた瞬間を切り取ったのかも知れません。
やたら美しいです。
(終)