最後は黒留袖です
ご無沙汰しております
黒留袖について
書き始めたのが
7月下旬でした(笑)
ただいま10月も終わろうとしています
やっと書き終えることが出来て良かったです
さてさて
生徒さんに頼まれていた
お仕立てものは三枚でした
着物衿コート→袷衣小紋に続き
最後は
黒留袖でした
黒留袖
最近お見掛けしないですよね
基本
黒留袖は
近親者の結婚式のときに
着られるイメージがあり
なかなか
陽の目を
見ることがない感じです
更に
着物離れもあり
その結婚式にさえ
なかなか
黒留袖を着られる方が
少なくなっているのが
実状ではないでしょうか?
あと、
黒留袖って
重くないですか?
それも一つの原因ではないかなと
思っています
なぜ重いのかというと
中に
“比翼”が
付いているからです
通常
長襦袢→着物の順ですが
昔の
黒留袖の場合は
長襦袢→白い下着(と言って着ていた←諸説あります)→黒留袖
となっておりました
この白い下着が
現在の“比翼”となります
(※白い下着について、地方によって
羽二重の着物であったり縮緬で
作られてたりしています。)
↑↑開いて見えている
衽や八掛などに
比翼が付いています
現在は
重さや暑さの関係で
着物に比翼を付ける
“付け比翼”が
主流となっております
それでも
なかなかの重みがあり
着なれていない方にとっては
とても
疲れてしまうのかもしれません
色々な要因で
着る機会がない留袖ですが
出来上がりを
見ますと
やはり
重厚感があり
落ち着いた中にも
品格を感じられる
お着物なのだと
伺わせられます
さて、
黒留袖を仕立てる課程で
何に一番気を遣うと
思われますか?
それは
“ぐし縫い”ではないかと
私は思うのです
“ぐし”がどこにあるかと言いますと
袖口、掛け衿、褄下そして裾
にあります
“しつけ”も同じ位置にありますが
“しつけ”とは違いますので
お間違いのないように
してくださいね
↑↑分かりにくいですが
長めに糸が掛かっているのが
“しつけ”になります
私の場合
“ぐし縫い”をするに辺り
朝から
いつも以上に
気合いをいれて
取りかかります
私が思う
良い“ぐし縫い”とは
第一は糸目は小さく
そして均一に
更にまっすぐに
縫うと言うことだと思うのです
何故
これだけ気を付けなければならないのか
初めに
“ぐし”について
どこに“ぐし縫い”をするか
説明致しました
その箇所は
黒留袖を着たときに
一番人の目に付く場所に
“ぐし”が付いているからなのです
そのような
人の目に付く
箇所に
不揃いで、糸目が大きく
そして歪んでいる
“ぐし”が付けられていたとしたら
もしご自分が
そのような着物を
着ていたとしたらどうでしょう?
気持ち良く
着て出掛けられるでしょうか?
その様なことがないように
私達和裁士は
とても
気を遣いながら
“ぐし縫い”を
させていただいております
また
“ぐし縫い”の良し悪しで
和裁士の器量が
分かるとも云われております
また
“ぐし縫い”は
黒留袖以外にも
訪問着や付け下げにも
付けられるかたもいらっしゃいます
そこは
仕立て屋によって違いますし
お客様からの
ご依頼で
させていただくこともあります
もし
着る機会がありましたら
一度見てみるのも
宜しいかと思われます
因みに
鈴木和裁では
運針と同じように縫っていく
“縫いぐし”で
“ぐし縫い”をしております
↑↑またまた分かりにくくてすいません
最後になりますが
留袖には
必ず紋が入っております
付け足しますと
背中心の
紋合わせも
気を遣う仕事のうちに入ります
なぜなら
紋がずれてしまってはいけないからです
ぴったりと合わせることを
心掛けております
↓↓完成いたしました
松に金閣寺が入っており
シンプルな柄ではありますが
実際に着て頂くと
金閣寺がとても映えて
目を引いてしまうのではないかと思います
母と
なかなか着る機会がない
黒留袖を着て
生徒さん達と
お出掛けをしたいね~
と話しております
最近は
敢えて
黒留袖縛りで
イベントをされてたりするそうです
お写真を拝見させていただきますと
皆さんで着ておられるのが
壮観で
とっても素敵で
なお且つ
とってもカッコ良く
思わず
黒留袖を着たいと
思わせてくれました
そんな
黒留袖って凄い!
ですよね