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逆のものさし講新聞 「後世への手紙」

「毒ヲ食ラヒテ肚ヲ衛ル」コペル

2020.07.24 22:00



有事には、人の心は簡単に揺れる。自分もその一人である。


考えなくても良いことを、ぐるぐる廻り何度も思い悩む。


その一方で、本能の部分が挑めと告げる。信じて、毒を食らいに行けと。


鎌状赤血球貧血という病がある。赤血球の奇形を呈する病であり、酸素が足りなくなると赤血球が壊れてしまう、やっかいな病の一種である。しかしこの病が人類の生存に寄与する局面がある。

マラリアである。マラリアは蚊が媒介した原虫が赤血球内に入り込み、増殖することで最悪死に至る病であるが、この鎌状赤血球貧血患者では、奇形の赤血球内で原虫が生存しづらく、病への抵抗性を上げている。

強い毒を弱い毒で駆逐する精妙なバランスの中、生物は命を繋いできた。


二進も三進も行かない局面で問われるのは、毒の完全排除ではなく、どの毒を選ぶかではないだろうか。