整備できるバイクと整備できないバイク。
カワサキのバイクでも整備できるバイクと整備できないバイクが存在します。これは非常に難しいお話ですが、車に例えるとわかりやすいと思います。要はクラシックカーや旧車の部類に入ってくる年式になると、今までの経験や知識に頼らざることになるんです。うちのお店でもどうしてもお断りするカワサキ車があります。それは2サイクルのマッハシリーズ。さすがにボクも生まれていない時代だし、専門にやっているお店で整備を・・・とお伝えしております。
こんにちは。三重のカワサキのバイク屋、カワサキプラザ桑名の代表の今西です。
たまにお問い合わせでなぜカワサキ車なのに○○のお店に電話したら整備断られた・・・と電話がかかってきます。大概製造から20~30年経過したカワサキのバイクたちです。実は年数が10年過ぎると整備でいろいろな問題が発生してくるんです。
✓部品が廃番となり修理したくても整備できない
ほとんどの場合修理ができないとお話になる場合は、年式が経過して部品交換したくても部品が廃番となり入手が困難となっている場合。いろんな手間暇をかけると入手できる場合もあるんですが、まぁ費用対効果は間違いなく赤字です(笑)そして今のバイクには使っていない部品というものも沢山存在して代用品が存在しないときも多々あります。
✓手順書が現存していない。
サービスマニュアルやパーツリストなど参考にしたい資料が存在がないときがあります。ボクも一度だけしっかりとはまってしまったことがあります。Z550という輸出していた超マイナーな機種。パーツリストはないわ、現物と一個一個にらめっこして違いを探しながら部品を調達して・・・あれは手こずった・・・。一個一個部品を探すのに数時間。趣味の範囲なら楽しめますが、今のボクがそれをしていたら、多分スタッフを路頭に迷わすことになります(笑)
✓もはやその車両の現物を見たことない世代の登場っす。
やはりバイク屋の息子、バイク屋三代目なのでいろんなバイクを子供の頃からみてきました。実際に「陸王」を整備している風景も見たことあります。しかし平成生まれが続々とバイクが好きになってバイク屋さんのスタッフとして、入社してきている時代。場合によっては「まだ生まれていません!!」ということなんです(笑)
「あー私と一緒の歳のバイクだ♪」
そりゃ知らないはずです(笑)
しかしバイクだとよく言われるのが「なぜカワサキのお店なのに知らないの?」と言うバイク乗りのお客さんがいます。そりゃ知らないで当たり前だと思います。新型のバイクも毎年続々と販売され、しかも性能が向上していろんな機能が増えている現在、そこに昔のバイクの知識や情報・・・まぁ全部把握するのは無理ですね。
これを車で例えると意外とわかりやすいんです。トヨタの名車「2000GT」。トヨタの車だからといって、うちのお店もお世話になっているトヨタカローラさんに整備って依頼しないと思います。「2000GT」だと専門ショップに依頼するのが普通かと。実はバイクもそうなんです。ある程度年式が経過すると旧車と呼ばれたり、クラシックカーと同じなんですよね。未だに国内4メーカーさんが頑張って20年~30年経過したバイクでも部品がでる努力をしてくれております。すごいありがたく、そしてバイクユーザーのためにまだ生産をしてくれている部品も存在しております。違う業界なら20年~30年前の量産品の補修部品ってありえないですよね?
最後にお話を戻しますが、カワサキのお店でも整備できるバイクと整備できないバイクは存在します。しかもそれはお店ごとにどうしても違ってきます。知識や経験、その土地ごとの事情、スタッフの事情、そして整備台数の増加による事情と・・・お店ごとにいろんな事情があってこの年式までは整備できるけど・・・という違いが発生してしまうのであります。
うちでも整備台数の増加でさすがにじっくりと整備する時間がないのが現状。
どうやって今お待ちしてもらっているバイクたちを早く返却できるのか・・・日々格闘しております♪