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ZIPANG-4 TOKIO 2020 黄金の国ジパング『ケセン』(その7)気仙に「森川海と人」の色を訪ねて・・・

2020.07.26 17:25

黄金の国ケセン

気仙(けせん)は、伝統文化がいまも豊かに息づく土地です。
歴史的には「黄金の国ジパング」の名の元となった金の産出地としても知られ、 信仰、祭礼、踊り、建築物や美術工芸などを今に伝えています。

柳田國男が絶賛した地としても知られ、宮沢賢治の創作の源の一つでもありました。

現在は、大船渡市、陸前高田市、住田町の2市1町に分かれていますが、 文化財の宝庫として、今もケセンは「黄金の国」と呼ぶにふさわしいエリアです。


ケセンの色は「森川海と人」の色


山あいの〝二人三脚〟

住田の地形を表現する時に「山あい」という言葉がよく使われる。風がぴたりとやんだ午後、その風景が水田にくっきりと描かれた。山と農地、自然と生活の営みが寄り添う、初夏ならではの〝二人三脚〟の美しさ。田植えを終え、周囲の草刈り作業に励む住民の心をいやしていた。(住田町下有住、5月)撮影:佐藤 壮(東海新報社)



それは静寂の水音

日が落ちて、空気があさぎ色の薄衣をまとうころ。
辺りは静かだというのに、ざあという水音が耳の奥に届いた。
昼よりもずっと色濃く見える紫は、強い流れ。孔雀石を砕いて白に混ぜたのは誰?
この世ならざる美しい色彩を重ねてつくられた滝。目を閉じて聞く芳香に、水音は一層強くなった。(陸前高田市米崎町、5月)撮影:鈴木英里(東海新報社)



5月の海に誇り掲げて

視界が開けた瞬間、飛び込んできた色彩の波に息をのむ。
加茂神社式年大祭海上渡御は、空も海も山もうんと青い日本晴れの下行われた。大漁旗を掲げ、特別な思いを乗せて海を渡る伝統。港町だから、被害を受けた。だが港町だからこそ、この美しい光景がある。海のそばで生きる者の、これは〝誇り〟だ。
(大船渡町、5月)撮影:鈴木英里(東海新報社) 



担ぎ手の 衣染めたる 五月晴れ

空がこんなに青いなんてことあるんだろうかと目を疑ってしまうほど、見事な五月晴れの日だった。みこしの担ぎ手である「六尺」の真っ白い衣に若葉の濃い影が落ち、藍色の模様を染め上げている。雨のように降り注ぐ光は地面を濡らし、玉砂利の上にも濃墨で絵を描いたようだ。(大船渡市大船渡町・加茂神社、5月3日)撮影:鈴木英里(東海新報社)



その根が想起するのは

陸前高田市横田町の山中。周辺に巨石がごろごろしているせいか、あたりの古木たちも岩を避けるように伸びて奇妙な形を描いている。この神木は輪になった根をくぐると安産になるという伝説があるらしい。言われてみればなるほど、産道から産み落とされるさまを想起する。信仰とはなんとも不思議で面白い。(4月)撮影:鈴木英里(東海新報社)



橋と桜がある風景

昭和橋のたもとから、川上へと続く桜並木。対岸から眺めると、年季の入ったコンクリートとあふれるような花々の構図に、目を奪われる。昭和から平成にかけて通行を支えてきた橋を、令和の時代に羽ばたく子どもたちが笑顔で渡る。住民と自然の共存が、住田の春を美しく彩る。(住田町世田米、4月)撮影:佐藤 壮 (東海新報社)



光に引き寄せられた夜

光に引き寄せられるのは、魚も人も同じかもしれない。夜間に投光し、魚を誘い集める漁が多い巻き網船。魚市場で水揚げを終え、そのまま接岸して1泊した漁船に魅せられた。工場夜景のように、力強さと美しさが絶妙に入り交じる。この日は、休場日前の夜。漁船員の談笑も聞こえてきた。(大船渡市大船渡町、7月)撮影:佐藤 壮(東海新報社)



春の空を背に負って

太鼓を打ち鳴らし、ゆっくりと降りてくる鹿たちを仰ぎ見ながら、「ああ、これは化身なる者の降臨なのだ」と当たり前のように畏敬の念を覚えた。幕を染める明るい藍が、その背中に負うた空へにじんで溶けてゆく。柳の白さは春の雲に同じ。鹿踊りが光り輝く季節を連れてきたのだ。(大船渡町・おおふなぽーと、3月3日)撮影:鈴木英里(東海新報社)



小さな秋のバリケード

背後に広がる秋の輝きを、守ろうとしているのだろうか。栗木鉄山跡に続く道端で、かわいらしい松ぼっくりが付いた枝が落ちていた。しゃがみ込んで覗いてみると、侵入を防ぐバリケードにも見えてくる。さて、この枝を置いたのは誰だろう。膨らむ想像も、小さな秋に出合う楽しさかもしれない。(住田町世田米、10月)撮影:佐藤 壮(東海新報社)



爽快さ映す水鏡

山中にひっそりとたたずむ綾里川ダムをしばらくぶりに訪ねた。ないだ水面は鏡のようになっており、湖畔の緑と空の青を鮮明に映し出していた。その光景は、ミントガムをかんだ時のような爽快さをもたらし、心も体もクリアにしてくれた。
(大船渡市三陸町綾里、6月)撮影:秋山 興(東海新報社)



私だけの世界遺産

空も海も、野の色からも、なんだか異国めいた印象を受けるのはなにゆえなのだろうと考えてみると、かつて本で眺めた巨大な古代のモニュメントを思い出すからかもしれないなと思った。そう、言うなればここは三陸のストーンヘンジ。だれも知らない、私だけの〝世界遺産〟──。(大船渡市三陸町越喜来・夏虫山、11月)撮影:鈴木英里 (東海新報社)



ユネスコ無形文化遺産に登録、三陸町吉浜で伝統行事「スネカ」

大船渡市三陸町吉浜に伝わる小正月行事「スネカ」は15日夜、吉浜各地で行われた。昨年11月に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されて以降、初めて行われた今回のスネカには、吉浜スネカ保存会のメンバーや地元中学生らが参加。奇怪な姿や独特の装束に、子供たちが泣きだした。


ケセンの色 ラストショット


清楚さを引き立てて

樹齢三百数十年のモミの木で制作した浄福寺の親鸞聖人像は、地元内外に広く知られる存在となった。立木を生かした像の精巧さで魅了するが、見上げればそばで咲く花々の美しさにも気づき、心が洗われる。伝統ある寺に立つ地域の宝は、いつまでも変わらない山里の清楚さを引き立てる。(住田町世田米、4月)撮影:佐藤 壮 (東海新報社)



まちなか幻想夜

数年がかりで、震災前にあったにぎわいを少しずつ取り戻してきたまちなか。きっと来年はこんなふうにまたにぎやかな夏が、誰にも気兼ねせず、何に臆することもなく仲間たちと宵の明るさを楽しめる夏が、道中に戻ってくるはずだ。来夏の青写真を──幻想の夜を心に思い描いた。(陸前高田市高田町、7月)撮影:鈴木英里(東海新報社)


来年の気仙の色は何色かな?きっとオレンジ色に違いない・・・

因みに太陽の色「オレンジ」の心理効果は、喜びや楽しさ、そして食欲を増進させてくれる色でもあります。

ひょっとすると、看板も気仙の木なのかな⁉

食欲増進と言えば、愛知県名古屋市港区に、陸前高田応援ショップ「築地口惣菜」が本格オープンしました。陸前高田市の地域ブランド米「たかたのゆめ」を使った天むすをはじめ、両市の友好関係を象徴するこだわりの総菜を販売していますよ~。
名古屋市水族館やレゴランドに行かれる折には是非、立ち寄ってみてね❣


気仙三十三観音巡りへと続く・・・


いま世界的に新型コロナパンデミックの真っ只中ですが、日本ではこれに追討ちをかけるように、7月初旬には「令和2年集中豪雨」と命名された災害で熊本県や岐阜県において沢山の方々が犠牲者となられ、大きな被害を蒙ったばかりです。

この度は9年前の東日本大震災において未だ復興途上にある三陸地域のニュースをお届けするに当たり、改めて犠牲となられたすべての方々へ謹んで哀悼の意を捧げるものです。


合掌



鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
石川県 いしかわ観光特使



協力(敬称略)

東海新報社
気仙伝統文化活性化委員会
〒022-0002 岩手県大船渡市大船渡町鷹頭9−1 電話: 0192-27-1000  



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