そもそも《貴金属》とは何なのでしょうか? 【前編】
親愛なる読者のみなさまへ。
こんにちは。
ハンドメイドリングの専門店「itoaware -いとあはれ- 京都店」です。
私たちの身近にあるモノなのに、知ってるようで意外と知られていないモノ。
『貴金属』
アクセサリーの素材としても、シルバーやゴールドは定番ですよね。
しかしいざ、そのの意味や定義を説明しようとすると、なかなか上手くはできないもの。
そこで今回のブログでは、ジュエリーによく使われている素材《貴金属》ついてわかりやすく説明してみようと思います。
厳密に話すと小難しい理系バリバリな説明になってしまうので、サクッと理解できるようザックリいきますよ〜。
そもそも貴金属とは?
定義
1. 貴重である
貴金属の定義その①は「貴重であること」です。
そのまんまですよね。
元素の量というのは地球が生まれたときから決まっています。
科学のパワーで人工的に作ることができる宝石とは違い、どんなに頑張っても貴金属の希少性は変わりません。
それがどこにでもあり簡単に採取できるのなら大切にはされませんが、めったに見つからないものであれば、希少価値が生まれます。
2. 腐らない
実は金属ってサビもすれば、腐りもするものなんです。
車の部品や公園の遊具も、錆びついて色が変わったりボロボロになったりしますよね?
しかし貴金属は、そうはなりません。
なぜなら、物質として安定しているから。
理科の実験でやった塩酸をかけたり、アルカリ性の液体に沈めたりしても、何ともないということです。
難しい言い方をすると、「化合物を作りにくい」や「極めてイオン化しづらい」ということ。
日常生活の中では錆びついたり、ボロボロになったりすることはまずないでしょう。
3. 美しい
ちょっと理科系の話とはズレますが、見た目が「美しい」ことはとても大切です。
例えばゴールド。
はるか何千年も前から大切にされてきました。
そして今もその価値も輝きも変えることなく、人々から愛され続けています。
ゴールドやプラチナは、それぞれ美しい光沢を放ち、見ているだけでも心が豊かになりますよね。
8つの貴金属
上のような物質は全部で8種類あります。
金・銀・プラチナ・パラジウム・ロジウム・イリジウム・ルテニウム・オスミウムのです。
このうち、アクセサリーとして珍重されるのは、金、銀、プラチナ、そしてあまり知られてませんがパラジウムの4つ。
+αとして、ロジウムはジュエリーのメッキ加工に使うこともたまにありますね。
金、銀、プラチナは誰もが知る貴金属ですよね。
パラジウムはちょっとマニアックな素材として、ロジウムはマイナーどころの豆知識の名前を覚えておくとよいでしょう。
あとの3つはきれいサッパリ忘れてもらってもかまいません。
(アクセサリー業界としては)
貴金属なようで、じゃない金属
・銅
オリンピックをはじめとするスポーツの大会では、1位には金メダル、2位には銀メダル、3位の人には銅メダルが与えられますよね。
そのイメージから「銅は貴金属だろう」とイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、意外なことに銅は貴金属ではありません。
もちろん銅は美しくもあり、錆びにくい素材ではありますが、上の定義①希少価値が高いには当たらないのですね。
銅は鉱山からたくさん採れる金属だからです。
その一方で、化学の分野では貴金属のカテゴリーに分類されます。
このような事情があるので、私たちアクセサリー業界の者からすると「銅は貴金属ではないが、貴金属とは言えなくもない」という具合でしょうか。
主にゴールドなど、誰しもが認める貴金属の硬さや色合いを調整するのに役立ってくれています。
・レアメタル
経済ニュースやかんかで耳にするワードですね。
みなさまの中にはこう考える方がいらっしゃるのかもしれません。
「レアってことは貴重ってこと
メタルってことは金属
だからレアメタルは貴金属!」
…と。
しかし、貴金属とレアメタルは全く別のカテゴリーなんですよ、実は。
レアメタルは、主に工業や貿易業界で使われている言葉で、「さまざまな理由から、ゴールドやプラチナほどではないが、それなりに高値で取引されている金属」の総称です。
というわけで、以上、貴金属の定義や意味を説明してみました。
「そもそも貴金属って何?」
…という疑問にお答えできたかなと思います。
次回は宝飾業界でよく使われている4つの貴金属、つまり金、銀、プラチナ、パラジウムについて詳しく解説いたしますね。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
ジュエリーへの理解が深まればいいなと思って書いてみました。
どうぞ後編もお楽しみに!
itoaware -いとあはれ- 京都店