風 ~野口晴哉先生語録~
2020.07.28 00:40
《野口晴哉語録より》
風
まず動くことだ。
形なくもまず動けば形あるものを動かし、その動かされているものを見て動いているものを感ずるに至る。
動きを感ずれば共感していよいよ動き、天地にある穴皆声を発す。
竹も戸板も水も音をたてて動くことを後援する。
土も舞い、木も飛び、家も揺らぐ、電線迄音を出して共感する。
天地一つの風に包まる。
まず動くことだ。
隣のものを動かすことだ。
隣が動かなければ先隣を動かすことだ。
それが動かなければ次々と動くものを多くしてゆく。
裡に動くものの消滅しない限り、動きは無限に大きくなってゆく。
動かないものを見て、動かせないと思ってはいけない。
裡に動くものがあれば必ず外に現われ、現れたものは必ず動きを発する。
自分自身、動き出すことがその第一歩だ。
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