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科学的見地から医療大麻の利点を説く

2020.07.28 05:04

facebookCannabis Lion 投稿記事  科学的見地から医療大麻の利点を説く

カンナビス研究の父ラファエル・メコーラム博士がカンナビノイドの発見をする遥か昔から、(紀元前)人類史とともに暮らしを育んでくれたこの植物は、今だからこそとっても役に立つと思います。

現存する最古の薬学書である『本草綱目』には、紀元前2700年頃、中国でマリファナがリウマチ痛、便秘、子宮内膜症、マラリアの治療薬として用いられた、という記述が残っている。また「中国外科学の祖」として知られる華陀は、紀元前1世紀に酒とマリファナを混ぜ合わせた麻酔薬を発明していますし、またチベットでは、かつて、より深い瞑想を求めて密教儀式にマリファナを利用していた時期もある。さらに紀元前6世紀にはアッシリア人はお香として大麻を焚いていたといいます。

現在では科学も進化して、より研究の成果、精度も上がって、認めない理由を探すほうが難しくなっています。

さらに健康、メンタル等々のQOLを高めて、より幸せな自分を実現させる為のツールとして

海外では根付いていますね。

価値観も文化も多様化していく時代より良い日々を過ごすことができるよう選択肢がもっと増えていくと生きるのが楽しいです。

1980年、サンタ・カーサ・デ・サンパウロ医科大学医療学部(Sao Paulo Medicine Faculty of Santa Casa)の研究者チームが画期的な研究結果を発表した。それは、世界中の癲癇患者5,000万人を苦悩から解放できる可能性を秘めた研究結果であったのだが、未だに、癲癇患者に朗報は届いていない。

イスラエルのエルサレムにあるヘブライ大学と共同で行われたこの研究は、少なくとも、癲癇患者にとっては朗報であった。この研究では、1日300mgのカンナビジオールを8名の癲癇患者に投与した。ちなみに、カンナビジオールは、大麻に含まれの中で最も重要な精神活性効果のない化学成分だ。 この治療を4ヶ月間続けた結果、4名の癲癇発作は治まり、3名の発作頻度が減少した。

「誰か私たちの研究結果に興味をもったか? 誰も興味を示さなかった」とヘブライ大学のラファエル・メコーラム(Raphael Mechoulam)名誉教授はソファに腰掛け、眉をひそめなた。「子供の頃から日に20~40回もの発作に苦しむ癲癇患者たちが大勢いるのに何も打つ手がない! われわれが研究結果を発表してから30年間、癲癇治療に大麻は使われていない」

メコーラム教授を見つけ出すのに、1年以上の月日を要した。医療大麻に興味を持つ者であれば間違いなくそうであるように、私は教授に対して神秘的なイメージを抱いていた。カール・マルクス、PINK FLOYDのシド・バレット(Syd Barrett)のような革命精神の塊で、時代の凝り固まった慣習に挑み、人間の認識能力をひっくり返してしまうようなイメージだった。コロンビア人事業家であり、コロラド州で医療大麻規制制度(medicinal cannabis regulatory system)を作成したノートン・アルビラエス(Norton Arbeláez)は数カ月前、メコーラム教授たちの研究が、彼の医療大麻解禁を目指したロビー活動に科学的な比重を置くきっかけとなった、と教えてくれた。コロンビア自由党の上院議員であるフアン・マヌエル・ガラン(Juan Maunuel Galan)は、2015年11月のインタビューで、コロンビアで医療大麻を合法化する草案の作成中、エルサレムにメコーラム教授を訪ね研究室で会談した、と語っていた。この草案は2015年12月、コロンビア上院で可決され、続いて2016年3月に下院で採決に付される予定である。

私が取材した科学者たちは1つの共通認識を持っていた。皆、メコーラム教授を「近代大麻研究の祖」と認めていたのだ。

メコーラム教授. エルサレムのヘブライ大学にある研究所にて. Photo by Elior Rave

教授は現在85歳。エルサレム西部にある、地味ながらも上品さも兼ね備えた、小さな集合住宅で暮らしている。大理石で出来た建物や、庭の木々を眺めていると、イスラエルが今も常時警戒態勢が取られている軍事国家である、という現実を、束の間とはいえ忘れてしまう。メコーラム教授は、毎日、エルサレム郊外にある研究所まで銀色のプジョーを走らせ、半世紀もの間、マリファナを化学的に検証している。なかでも、教授は、マリファナに含まれる化学物質が人体にどう影響するのかを解明しようと研究を続けている。同僚からラフィーという愛称で呼ばれているメコーラム教授は、「カンナビノイド」をマリファナから分離し、分子構造を解明した。そのなかでも、マリファナ特有の多幸感を使用者にもたらす化学物質「テトラヒドロカンナビノール(THC)」、向精神作用のない化学物質「カンナビジオール」などがあり、薬理上の効果が期待されている。

現存する最古の薬学書である『本草綱目』には、紀元前2700年頃、中国でマリファナがリウマチ痛、便秘、子宮内膜症、マラリアの治療薬として用いられた、という記述が残っている。また「中国外科学の祖」として知られる華陀は、紀元前1世紀に酒とマリファナを混ぜ合わせた麻酔薬を発明している。さらに同様の記述や口頭伝承がインド、中東、アフリカ、またヨーロッパでさえ見つかっている。ヨーロッパでは1838年、アイルランド人医師であるウィリアム・ブルック・オーシャフネシー(William Brooke O’Shaughnessy)が動物実験や患者への臨床試験をまとめた医薬本『インドヘンプ/ガンジャの調合術(On the Prepararions of the Indian Hemp, or Gunjah))を出版している。またチベットでは、かつて、より深い瞑想を求めて密教儀式にマリファナを利用していた時期もある。さらに紀元前6世紀にはアッシリア人はお香として大麻を焚いていた。

20世紀初頭以来、米国でマリファナ規制が徐々に厳しくなっが、科学的研究は盛んになった。

半世紀以上も前にメコーラム教授が大麻研究を始めた当初、彼は、マリファナが古よりさまざまな用途で利用されていたのを知らなかったそうだ。彼の両親はナチス・ドイツから迫害を受けたユダヤ系ブルガリア人で、著名な医師であった彼の父親は、強制収容所をから生還した。1948年のイスラエル建国直後、1949年にメコーラム教授はヨーロッパを後にしてイスラエルに移り住んだ。そこで化学を学び、生物化学の修士を修了したのちに兵役に服した。兵役を終えると、彼は殺虫剤の研究を始め、1958年にイスラエルのレホヴォト(Rehovot)にあるワイツマン化学研究所(Weizmann Institute of Science)で博士号取得した。そして、この研究所で、メコーラム教授は数々のマリファナの秘密を発見する。

「34歳のころ、研究テーマを探していた」。マリファナに興味を持ったきっかけを尋ねると、メコーラム教授は語り始めた。私は手前勝手に、「ある日、研究室でジョイントを吸っていたら閃いたのだ」といった類いの、60年代のヒッピー文化を想起させるような答えを期待していた。しかし、「人生で1度しかマリファナを吸引していない」教授は次のように答えた。「科学者は、オリジナルな研究テーマを扱わなければならない。研究者が50人にも満たないような研究をしなければならないんだ。さらに、研究テーマは、内容の充実はもちろんのこと、社会的影響もなくてはならない。当時、私は、未開拓の研究テーマを求め、英語、ロシア語、フランス語、ドイツ語の文献を読み漁っていた。そして、科学分野全般でマリファナの化学物質に関する化学的知識の欠如に気付いた。この事実に大変驚いた。なぜなら、すでにモルヒネはアヘンから、コカインはコカの葉からそれぞれ抽出されていたが、誰も、大麻の化学的性質を研究した者がいなかったんだ。これはとても奇妙だった」

若かりし頃のメコーラム教授は、ある日、研究所の所長室を訪ね、所長にマリファナを入手すべく相談した。所長は二つ返事で警察に電話をかけた。その結果、レバノンからイスラエルへの密輸中に押収された、モロッコ産ハシシ5キロを警察から譲り受けた。教授はこの話をザック・クレイン(Zach Klein)が監督した教授の伝記的ドキュメンタリー『The Scientist』の中で面白おかしく喋っている。それからしばらくして、メコーラム教授は、大麻に含まれるすべての化学物質を一つずつ取り出したそうだ。

20世紀、各国政府や国会議員たちを悩ませたマリファナ。その中にある化学物質は何なのか? その症状は1つの化学物質に起因するのか? それとも複数の化学物質の組み合わせなのか? この答えを見つけるためにメコーラム教授と彼のチームは、マリファナに含まれる各化学物質をサルに投与した。最初の驚くべき発見は、色々と試した化学物質の中でも、テトラヒドロカンナビノール(THC)だけが向精神効果をもたらした。サルたちは酩酊し、穏やかな様子になったそうだ。

マリファナ特有の多幸感はTHCに由来する、という事実を教授とチームは発見した。それを確認するため、1度の服用に十分な量のTHCを自宅に持ち帰り、妻ダリア(Dalia)に、マリファナを加えたレシピでケーキをつくるよう、お願いした。その日、マリファナ研究のゴッド・ファーザーは、人生最初で最後の多幸感を味わった。また、教授は、こんにちの医療マリファナ研究の指針となる事実にも気付いた。それは、THCの効果には個人差がある、という事実だ。ケーキを食べ終え、教授が周りを見回すと、ある友人はノンストップで喋り続け、別の友人はトランスし、また別の友人はクスクス笑っていた。友人のうち、1人だけがパラノイアのようだった。

この話を聞くと、以前、傍聴者として出席した、医療マリファナに関するとある公開討論会を思い出す。その討論会は、コロンビアのアルメニアで開催された、コロンビア精神医学会のプログラムの1つとして開催された。その会では、マスメディアが医療マリファナをどう扱うか、特に保健省による医療マリファナ規制緩和の合意について、3人の精神科医が頭を悩ませていた。出席者によると、医療マリファナに対する政治的共感がまかり通ると、マリファナ全般にまつわる防犯対策への誤認を惹起しかねないらしい。つまり、医療マリファナ規制緩和に対して加熱するメディアの報道が、マリファナを吸引する思春期の若者のうち、10人に1人が統合失調や中毒症状に陥る、という事実を証明した研究成果を不明瞭にしてしまう恐れがあるそうだ。

私は、討論会の出席者たちが懸念していた内容をメコーラム教授に伝えた。

すると、「THC、カンナビジオールはともに毒性はない。しかしながら、6世紀以降、マリファナ吸引による精神疾患についてわれわれは知っている。さらに、モルヒネほど中毒性は高くないものの、マリファナ吸引者の10%が中毒に陥ったデータもある。しかし、精神疾患や中毒症状を引き起こす可能性以外に、マリファナが病気の原因になる証拠はない」という答えが返ってきた。