頭寒足熱、腹八分 ~野口晴哉先生語録~
2020.07.28 11:52
《野口晴哉語録より》
頭寒足熱、腹八分。
誰も知っている言葉ですが、東洋の第一の養生はこの三つに尽きるようであります。ただ人によってこの解釈がいろいろでありますので一応説明してみましょう。
頭寒というのは虚心という意味であります。
虚心というのは頭が空っぽなことを言うのではありません。
いつも空っぽにしておくことを言うのでありまして、
まあ余分に気取らぬことと思ったら宜しいでしょう。
これを間違えて、頭に氷を乗せておくことのようなつもりの人もおりました。
足熱ということも決して足を温めたり、足袋をはいて寝たりすることではなく、むしろそういうことが必要でないよう、足がいつも温かなことを言うのでありまして、怠けずとでも考えておけばたいした間違いではありません。
自発的に溌剌と生活しているということの意味なのであります。
腹八分を食物を節するように解釈している人もありますが、これはそう間違いではありません。しかし、食欲だけを節することではありません。
いろいろの欲を慎むことを言うのでありまして、欲張らずと考えるのが本当に近いでしょう。