Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

やさしい野口整体

要求 ~野口晴哉著「叱言以前」~

2020.07.28 12:58

《野口晴哉著 叱言以前より》

要求


よくデパートなどで玩具を前にしてあれを買ってくれと泣いている子供がある。お母さまは情けなさそうな顔をして「いけませんよ」を繰り返している。気の毒なことだが、しかしそのお母さまが子供と対立してしまっているからそうなる。


ポンもダン(野口先生の長男と次男のニックネーム)もよくねだる。「よろしい、だがもっと欲しいものはないのかね」と次々と探していると、段々欲しいものは大から小になり、探してねだり、それを入れられるとそれだけでもう買ってもらったつもりになり次々と探すが、段々それが少なくなる。


最後はいつも安価なものだ。本当にそれが欲しいのか、もう一度探してごらんというと面倒くさがってこれでいいよと言う。これなら家にあったね、と言うとそれでその気になる。めったに買ってやったことはないが、子供はいつも満足する。


覗くなと言われれば覗きたくなる。いけませんよは欲しいを育てる。もう少し工夫をし、面倒くさがらないで一廻りさせれば、とつい思う。人間には誰にでもこういう心理の働くことを考えて欲しい。