理由のない不安 ~野口晴哉先生講義録~
《野口晴哉講義録より》
理由がないのに何だか不安だということがあります。理由のない不安は無意識にイライラするもとになったり、無意識に弱い者に癇癪をぶちまける原因になったり、自分一人で気張ってみたり強がってみせたりするような元になります。
そういう人達は肩が前に出ている。
だから、どんなに威張って大言壮語しても、肩が前に出ていたら、その人は自分で自分の不安と闘っているのだと見てよい。
丁度猫が毛を立てているようなものです。けれども表面しか判らない人は、あの人は怖いと思うからそれも無駄ではないが、あまり体裁の良いことではない。
もしも子供が肩をすぼめて帰ってきたら、学校で何かあったのではないかと考える。
自分の意欲をどこかで抑えられたか、自分の感情をどこかで傷つけられたか、心に何らかの打撃を受けた場合です。家に帰って来たときの肩の格好を見れば、子供の一日の生活は大体見当がつく。
早ければ、学校で何かあったか聞いて、それを言ってしまわせれば消えてしまう。それに対して親は何も言わなくてよい。子供の心の中に溜まっているものを吐き出させればそれでよい。
けれども、気がつかないで長い間放っておくと劣等感になる。劣等感は弱いものいじめや、陰のいたずらになったり、あるいは盗難という現象になったりする。
理由のない不安の中には、言われたことが理解できない為に生ずる不安がある。先生に言われたことがどうしても呑み込めないで、それが不満の対象になり、何故そうなのか納得できないために不安になる場合がある。とにかく子供の肩が前に出ていたら注意を要する。
もしそうなったら
肛門を締めさせてジッと押さえる。
そして、おへその真後ろの腰椎二番と腰椎三番の間をジッと押さえる、
これを寝る前に行う。
早いうちなら、理由のない不安の代わりに理由のない自信が出てくる。